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第80話「永遠の絆」(最終話)

【10年後】


穏やかな春の午後、統合世界中央公園。


「レイおじちゃん!」


「小石見せて!」


子供たちが僕の周りに集まってくる。


この5年で、統合世界は本当に大きくなった。


北の山岳地帯、東の海岸都市、南の砂漠のオアシス、西の森林地区。


世界の半分が、今では一つの大きな統合世界になっている。


「はい、はい」


僕が笑いながら小石を取り出す。


100%純度のアズライト。


子供たちの目が輝く。


「わあ、きれい!」


「今日は何色?」


小石が虹色の光を放つ。


それぞれの子供たちの心の色を映している。


「きれいだね」


古代系の女の子。


「すごいや!」


現代系の男の子。


「僕も触りたい!」


山岳地帯出身の子。


「私も!」


海岸都市出身の子。


みんな一緒に手を伸ばす。


小石の光が、全ての子供たちを包み込んだ。


「みんなで触ると、もっときれいになるね」


僕が言う。


「それは、みんなの心が一つになってるからだよ」


「レイ!」


声がして振り返ると、カイルが手を振っている。


「おーい、みんな集まってるぞ」


カイルの隣には、美しい女性がいる。


彼の奥さんのメリッサさん。


現代系住民で、統合世界の教育部門で働いている。


「カイル、お疲れさま」


僕が言う。


「今日も防衛訓練?」


「ああ、新しい地区の警備隊指導だ」


カイルが誇らしげに言う。


「もう戦闘じゃなく、平和維持のためのな」


メリッサさんが微笑む。


「あなた、本当に頼もしくなりましたね」


「平和な世界でも、みんなを守る気持ちは変わらないからな」


カイルが胸を張る。


少し離れた場所で、フィンが大きな図書館の前に立っている。


「統合世界総合図書館」の看板。


フィンが館長を務める、世界最大の知識の宝庫だ。


「フィン!」


僕が呼ぶ。


「今日も研究?」


「ええ、新しい地区の文献整理です」


フィンが振り返る。


眼鏡をかけた知的な表情は変わらないが、自信に満ちている。


「各地の文化を統合世界の知識として保存するんです」


「素晴らしいですね」


僕が感心する。


「みんなの歴史が一つになる」


「そうです。そして未来に伝えていく」


フィンが微笑む。


「レイの小石が残してくれた記録も、大切な歴史の一部です」


図書館の庭で、エリックが植物の手入れをしている。


「エリック、今日も美しい花ですね」


「......ありがとう」


エリックが静かに答える。


彼は統合世界の環境管理責任者になった。


世界中の自然を守り、育てる仕事。


「......この花......みんなの心みたい」


エリックが一輪の花を摘む。


「......一つ一つは小さいけど......みんなで咲くと美しい」


花を僕に差し出してくれる。


「......レイの小石と同じだね」


「ありがとう、エリック」


僕が花を受け取る。


統合世界政府庁舎から、ソーンさんが出てくる。


「レイ、みんな」


ソーンさんが手を振る。


「お疲れさまでした」


僕が言う。


「今日もお仕事?」


「ああ、新地区との統合協定の最終確認だ」


ソーンさんが説明する。


「来月、さらに3つの地区が統合世界に参加する」


ソーンさんは統合世界の外交担当官になった。


新しい地区との平和的統合を進める、重要な役割。


「順調ですか?」


「ああ、君の小石の光を見て、みんな統合を望んでいる」


ソーンさんが微笑む。


「平和な統合のお手本が、すでにあるからな」


夕方、僕たちは昔のように5人で丘の上に座った。


眼下に広がる統合世界。


古代の美しい建築と現代の先進技術が調和している。


山岳地帯の人々が作った美しい工芸品店。


海岸都市の人々が営む新鮮な魚介料理店。


砂漠のオアシスから来た人々の癒しの音楽ホール。


森林地区の人々が管理する緑豊かな公園。


全てが一つの世界として、美しく融合している。


「本当に変わったな」


ソーンさんが感慨深く言う。


「あの頃は、こんな世界になるなんて想像もできなかった」


「そうですね」


僕が答える。


「最初はただの小石3個から始まったのに」


「今じゃ『世界の心臓』だからな」


カイルが笑う。


「レイの小石が、本当に世界を変えた」


「僕じゃありません」


僕が首を振る。


「みんなの心が変えたんです」


「僕は、そのお手伝いをしただけ」


フィンが資料を広げる。


「統合世界の統計を見ると、驚くべき数字ですね」


「争いによる被害:ゼロ」


「住民満足度:98.7%」


「新規参加希望地区:月平均3つ」


「......みんな幸せそう......」


エリックが静かに言う。


「......子供たちの笑顔が......一番美しい......」


僕の小石が手の中で温かく光る。


『世界の心臓』として、この幸せな世界を見守っている。


「そうだ」


僕が立ち上がる。


「みんなに見せたいものがあります」


小石を空に向けて掲げる。


「世界の記憶を......」


100%純度の光が空に広がり、巨大なスクリーンのようになった。


そこに映し出されたのは、これまでの10年間の記録。


統合世界の美しい発展の軌跡。


新しく参加した地区の人々の笑顔。


子供たちが一緒に遊んでいる姿。


結婚式、お祭り、収穫祭。


日常の小さな幸せの積み重ね。


そして、最も美しかったのは。


元調和破壊者だった人々が、住民として完全に受け入れられている光景。


ディスコードさんが子供たちに勉強を教えている姿。


元メンバーたちが、各分野でイキイキと働いている姿。


「美しいな」


ソーンさんが感動している。


「誰もが居場所を見つけて、輝いている」


「これが本当の統合だ」


最後に映し出されたのは、僕たち5人の歩み。


出会った頃の緊張した表情。


少しずつ信頼を深めていく様子。


困難を乗り越えていく姿。


そして今の、深い絆で結ばれた友情。


「僕たち、本当に良いチームになりましたね」


フィンが感動している。


「最高のチームだ」


カイルが胸を張る。


「一生の友達だ」


「......みんなと出会えて良かった」


エリックが涙を浮かべる。


「俺たちの友情も、世界の宝物の一つだな」


ソーンさんが言う。


その時、空から美しい声が聞こえてきた。


統合世界の子供たち全員が歌っている。


「小石の光が 世界を照らす」


「みんなの心を 一つにして」


「古代と現代 山と海と森」


「みんな一緒に 幸せの歌」


「調和の光よ 永遠に」


「僕たちを守って 導いて」


「小さな石から 始まった奇跡」


「世界中に咲く 愛の花」


僕の小石が、歌声に合わせて美しく光る。


世界中の人々の心と共鳴している。


「あ」


僕が気づく。


小石の光の中に、新しい光が生まれている。


小さな、小さな光。


でも、とても温かい光。


「これは......」


「次世代の光だな」


ソーンさんが理解する。


「君の小石が、新しい希望を生み出している」


光の中から、若い冒険者たちの姿が見える。


統合世界で育った新しい世代。


古代も現代も関係ない、真の統合世代。


彼らが新しい冒険に旅立とうとしている。


世界のさらなる平和のために。


まだ統合されていない遠い地域へ。


「僕たちの後継者ですね」


フィンが微笑む。


「そうだな」


ソーンさんが頷く。


「彼らに任せても安心だ」


僕が小石に話しかける。


「君も、新しい冒険者たちと一緒に頑張るんだよ」


小石が嬉しそうに光る。


『世界の心臓』として、永遠に平和を守り続ける使命。


それを、新しい世代と共に果たしていくのだろう。


夜が深くなってきた。


僕たちは丘を下りて、それぞれの家に帰る。


「また明日」


「また明日」


「......また明日......」


変わらない挨拶。


でも、その言葉が今はとても特別に聞こえる。


永遠に続いていく、僕たちの絆。


永遠に続いていく、世界の平和。


僕の家に着くと、ウィルさんが待っていてくれた。


「お帰り、レイ君」


「ただいま、ウィルさん」


「今日も良い一日だったかい?」


「はい、とても」


僕が微笑む。


「毎日が、幸せです」


寝室で、僕は小石を枕元に置く。


100%純度の調和の光が、静かに脈打っている。


『世界の心臓』として、みんなの平和な眠りを見守っている。


「ありがとう」


僕が小石に囁く。


「君のおかげで、素晴らしい世界になった」


小石が優しく光る。


まるで「こちらこそ」と言っているみたい。


窓の外を見ると、統合世界の美しい夜景が広がっている。


各地区の特色ある光が、一つの美しい模様を作っている。


空には満天の星。


一つ一つが、住民の皆さんの幸せな心のよう。


遠くから、新しい冒険者たちの声が聞こえてくる。


「僕たちも、レイさんたちみたいになれるかな」


「大丈夫だよ、きっとなれる」


「世界にはまだ、平和を待っている場所がたくさんある」


「僕たちが届けに行こう、希望の光を」


僕が微笑む。


本当に頼もしい後継者たち。


きっと素晴らしい冒険をして、世界をもっと美しくしてくれるだろう。


目を閉じると、これまでの全ての記憶が蘇る。


転生した日。


初めて小石を作った日。


ソーンさんに出会った日。


4人組と友達になった日。


統合世界を初めて見た日。


様々な冒険、困難、喜び。


全てが、この幸せな今に繋がっている。


小石の光が、子守歌のように優しく僕を包み込む。


『世界の心臓』の鼓動。


それは永遠に続く、愛と平和のリズム。


「おやすみ、みんな」


僕が呟く。


「また明日、一緒に幸せな一日を過ごそう」


小石が最後に一度、美しく輝いた。


まるで「おやすみ、レイ。素敵な夢を」と言っているみたい。


窓の外で、夜風が優しく木々を揺らしている。


統合世界の平和な夜。


全ての住民が安らかに眠っている。


そして、遠い空の向こうでは。


新しい冒険者たちが、希望を胸に旅立とうとしている。



レイ・ストーンの小石の光が輝いている。


「小石生成」


地味で弱い能力だと思われていた力。


それは結果として、最強の愛の力だった。


永遠に世界を照らす、希望の光だった。


物語は終わらない。


愛は永遠だから。


調和は永遠だから。


そして、人々の優しい心は永遠だから。


どこかで、新しい冒険が始まる。


小さな優しさから始まる、大きな愛の物語が。


空に向かって伸びる金色の光。


それは永遠の希望の証。


すべてを包み込む、愛の光。


『転生してスキルは「小石生成」』


〜完〜

━━━ 【最終ステータス・永遠の記録】 ━━━━━━━━━━


【名前】レイ・ストーン(永遠の魂)

【最終レベル】50(人間の限界突破)

【最終称号】永遠の光・世界の心臓・愛の化身・希望の源泉・調和の父・平和の創造者・宇宙の友・時を超える者・永遠の仲間・伝説の完成者


感想・コメント、励みになります。お気軽にお寄せください!


※執筆にはAIも相談相手として活用しています✨

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