第74話「最後の平和」
装置の建設が完了した朝、統合世界には静寂が訪れた。
「お疲れ様でした、皆さん」
僕が住民たちに頭を下げる。
「いえいえ、こちらこそありがとうございました」
技術者の一人が手を振る。
「みんなで作った装置ですから」
「そうですね」
僕が微笑む。
「みんなの想いが込められた、世界で一つだけの装置です」
住民たちは、それぞれの家に戻っていく。でも、その表情は穏やかだった。
「レイ」
ソーンさんが声をかける。
「今夜、作戦会議をしよう。最後の準備だ」
「はい」
夕方、僕たちは市民広場の小高い丘に集まった。
完成した装置が夕日に照らされて、美しく輝いている。
「すげぇなぁ......本当に作っちゃったんだな」
カイルが感慨深げに呟く。
「みんなの力を合わせれば、何でもできるんですね」
フィンが装置を見上げる。
「......みんな、頑張ったね」
エリックが静かに言う。
「ああ」
ソーンさんが頷く。
「これで、理論上はどんな分裂術にも対抗できる」
「でも、本当に大切なのは技術じゃないですよね」
僕が言う。
「そうだな」
ソーンさんが同意する。
「大切なのは、ディスコードたちを救いたいという想いだ」
僕たちは、明日の作戦について話し合った。
「装置の操作は、レイが中心になる」
「はい」
「俺たちは、レイを守りながら、住民の避難誘導を行う」
「了解です」
フィンが資料を確認する。
「調和破壊者の拠点は、統合世界の東端です。住民の安全を確保するため、できるだけ拠点から離れた場所で決着をつけましょう」
「それがいいな」
カイルが賛成する。
「でも、相手が攻撃してきたら?」
エリックが心配する。
「その時は、僕たちが守ります」
僕が答える。
「でも、きっと大丈夫です。ディスコードさんも、本当は戦いたくないはずですから」
作戦会議が終わると、僕たちはしばらく黙って夕景を眺めた。
統合世界の空は、オレンジ色に染まっている。
古代の建物と現代の施設が調和した街並みが、暖かい光に包まれている。
「美しいですね」
フィンが呟く。
「ああ。この景色を守りたいんだ」
ソーンさんが言う。
「でも、ディスコードさんたちにも、この美しさを分けてあげたいです」
僕が言う。
「そうだな。独り占めするものじゃない」
カイルが頷く。
「......みんなで見れば、もっと美しいね」
エリックが微笑む。
夜になると、住民たちが僕たちのところにやってきた。
「レイさん」
一人の古代住民が声をかける。
「明日、本当に大丈夫ですか?」
「はい」
僕が答える。
「みんなが作ってくれた装置があります。それに......」
僕が仲間たちを見回す。
「信頼できる仲間がいますから」
「そうですか」
その住民が安心したように微笑む。
「私たちも、祈っています」
「ありがとうございます」
現代の技術者も近づいてくる。
「装置の最終チェックは済ませました」
「ありがとうございます」
「でも、本当の力は技術じゃないんですよね」
その技術者が言う。
「私たち全員の想いです」
「はい」
僕が頷く。
「みんなの『一緒にいたい』という気持ちが、一番の力です」
子供たちも集まってきた。
「お兄ちゃん」
古代の子供が僕の手を握る。
「怖くない?」
「少しだけ怖いです」
僕が正直に答える。
「でも、みんながいるから大丈夫です」
「僕たちも、お兄ちゃんのこと応援してるから」
現代の子供が言う。
「きっと上手くいくよ」
「ありがとう」
僕が子供たちの頭を撫でる。
「みんなの応援があれば、何でもできます」
マスター・エルドラとウィルさんも来てくれた。
「レイ」
エルドラが声をかける。
「明日は無理をしないでください。あなた一人で全てを背負う必要はありません」
「はい」
「私たちも、できる限りの支援をする」
ウィルさんが言う。
「レイ君は、もう一人じゃないから」
「ありがとうございます」
僕が深く頭を下げる。
「本当に、みんながいてくれて良かったです」
最後に、アルカディウス王がやってきた。
「レイたちよ」
王が厳かに言う。
「明日の戦いは、統合世界の未来を決める大切な戦いだ」
「はい」
「だが、それ以上に重要なのは、調和破壊者たちを救うことだ」
王が僕たちを見回す。
「彼らもまた、統合世界の住民になる権利がある」
「アルカディウス王......」
僕は感動する。
「僕も、そう思います」
「よろしく頼む」
王が僕たちに頭を下げる。
「統合世界の真の完成を」
住民たちが帰った後、僕たち5人だけになった。
「いよいよ明日だな」
ソーンさんが言う。
「緊張するか?」
「少しだけ」
僕が答える。
「でも、みんなと一緒なら大丈夫です」
「俺たちも同じ気持ちだ」
カイルが拳を握る。
「最後まで、一緒に戦おう」
「はい」
フィンが資料を片付けながら言う。
「明日は、きっと素晴らしい日になりますよ」
「......そうだね」
エリックが空を見上げる。
「星がきれいだね」
僕たちも空を見上げた。
満天の星空が、統合世界を優しく照らしている。
「この星空も、みんなで見ているから美しいんですね」
僕が呟く。
「そうだな」
ソーンさんが同意する。
「一人で見る星も美しいが、仲間と見る星はもっと美しい」
「明日、ディスコードさんたちにも、この星空を見せてあげたいです」
僕が言う。
「きっと見せてあげられるよ」
カイルが僕の肩を叩く。
「俺たちの力を合わせれば、何でもできる」
「理論的にも、成功の可能性は非常に高いです」
フィンが微笑む。
「......きっと、大丈夫」
エリックが静かに言う。
「みんなが一緒だから」
僕は、仲間たちの顔を見回した。
ソーンさんの頼もしい表情。
カイルの力強い笑顔。
フィンの知的で優しい微笑み。
エリックの穏やかで温かい眼差し。
「みんな、ありがとう」
僕が心から言う。
「僕一人だったら、ここまで来ることはできませんでした」
「何を言ってるんだ」
ソーンさんが笑う。
「俺たちも、レイがいなければここまで来られなかった」
「そうそう!」
カイルが元気よく言う。
「レイの小石があったから、こんなすごい冒険ができたんだ」
「小石生成というスキルの真価を証明したのは、レイさんです」
フィンが言う。
「......レイがいたから、みんなが仲間になれたんだね」
エリックが微笑む。
僕は、胸が熱くなった。
本当に、みんなと出会えて良かった。
「明日」
僕が言う。
「ディスコードさんたちを、僕たちの仲間にしてあげましょう」
「ああ」
みんなが頷く。
「それが、統合世界の真の完成だ」
夜が更けていく。
でも、僕たちの心は温かかった。
明日は、きっと大変な一日になる。
でも、みんなと一緒なら、どんな困難も乗り越えられる。
そして、この美しい統合世界を、もっともっと多くの人と分かち合うことができる。
「それじゃあ、今日はもう休もう」
ソーンさんが提案する。
「明日に備えて、しっかり睡眠を取らないとな」
「そうですね」
僕が立ち上がる。
「おやすみなさい、みんな」
「おやすみ、レイ」
「また明日な」
「良い夢を」
「......おやすみ」
僕たちは、それぞれの宿舎に戻っていく。
でも、心は一つに繋がっていた。
明日、僕たちは調和破壊者たちと向き合う。
戦うためではなく、救うために。
分裂させるためではなく、結び付けるために。
憎むためではなく、愛するために。
これが、僕たちの最後の冒険。
そして、新しい世界の始まりになるはずだ。
空には、変わらず美しい星が輝いている。
その光が、明日への希望を照らしてくれているようだった。
━━━ 【キャラクターステータス更新】 ━━━━━━━━━━━
【名前】レイ・ストーン 【レベル】35
【称号】小石の魔術師・絆の証明者・救済の宣言者・先代の継承者・統合の完成者・平和の守護者
【ステータス】
HP: 450/450 MP: 350/350
攻撃力: 28 防御力: 42
魔力: 100 素早さ: 31
命中率: 30 運: 27
【スキル】
・小石生成 Lv.9: 1日3個制限(統合世界住民全員の絆の力による究極強化)
・投擲 Lv.4
・鉱物知識 Lv.6
・魔力操作 Lv.10
・身体調和術 Lv.3
・古代文字理解 Lv.4
・空間移動術 Lv.1
・聖なる障壁 Lv.2
・深癒の光 Lv.5
★巨大調和増幅装置操作 Lv.1
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