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第71話「絆の武器」

翌朝、僕たちは統合世界の郊外に向かっていた。


「レイ、昨日の防御システムでみんなの想いが物理的な力になったの、見ただろう?」


カイルが興奮気味に話しかけてくる。


「はい。あの時の感覚、すごく不思議でした」


「それなんだよ。俺たちも同じことができるはずなんだ」


「同じこと?」


「調和陣形っていうんだ」


ソーンさんが説明してくれる。


「レイの調和術を中核にして、俺たち4人の能力を完璧に統合する。そうすれば、分裂術を完全に無効化できる領域を作れるはずだ」


フィンが理論的な補足をする。


「昨日のデータを分析したところ、レイの調和術は複数の魔法と共鳴する特性があることが判明しました」


「本当ですか?」


「はい。特に、同じ目標を持つ仲間の魔法とは、理論上限を超える共鳴を起こす可能性があります」


エリックが静かに頷く。


「......昨日、植物たちも一緒に光ってた」


「そうだったね。エリックの植物魔法も、調和術と共鳴していたんだ」


僕たちは人里離れた草原で修練を始めることにした。


「まず、基本的な陣形を作ってみよう」


ソーンさんの指示で、僕たちは円形に配置される。僕が中央、4人が東西南北に位置した。


「レイ、軽く調和術を使ってみてくれ」


「はい」


僕は小石を取り出して、軽く調和術を放つ。温かい光が広がった。


「今度は、みんなで同時に魔法を使ってみましょう」


フィンの提案で、それぞれが自分の得意魔法を発動する。


カイルの火炎、フィンの風、エリックの植物魔法、そしてソーンさんの多様な魔法術式。


すると、驚くべきことが起こった。


4人の魔法が僕の調和術と共鳴して、一つの大きな光の領域を作り上げたのだ。


「すげぇ!これが調和陣形か!」


カイルが興奮している。


「理論通りです。各魔法が調和術と共鳴して、単独の威力を遙かに上回る効果を生んでいます」


フィンの分析に、僕も驚いていた。


「この領域の中にいると、すごく安心できます」


「......暖かい。優しい力」


エリックも共鳴を感じている。


「これが絶対調和領域だ」


ソーンさんが確信を持って言う。


「この領域内では、分裂術は機能しない。調和の力が分離の力を完全に上回るからな」


僕たちは何度も練習を重ねた。最初はぎこちなかった連携も、だんだん滑らかになっていく。


「コツは、お互いを信頼することですね」


「そうだ。技術じゃない。絆の深さが、この魔法の威力を決めるんだ」


カイルの言葉に、みんなが深く頷いた。


午後になると、統合世界から住民代表の方々が様子を見に来てくれた。


「5人組のみなさん、調子はどうだい?」


ウィルさんが心配そうに声をかけてくれる。


「ウィルさん、実は新しい技術ができたんです」


僕が嬉しそうに報告すると、住民のみなさんが興味深そうに見守ってくれる。


「それでは、実演してみせましょう」


僕たちは再び調和陣形を展開した。


絶対調和領域が広がると、見守っていた住民のみなさんの表情が明るくなった。


「なんて温かい光なんだ」


「この中にいると、心がとても穏やかになるな」


古代系の職人さんが感動している。


「すごいですね。これなら、あの分裂攻撃も怖くありません」


現代系の技術者も安心した表情を見せている。


そして、子供たちが一番正直な反応を示してくれた。


「わぁ!きれい!」


「この光の中、すごく気持ちいい!」


子供たちが調和領域の中で楽しそうに遊んでいる姿を見て、僕たちは確信した。


これこそが、本当の調和の力なのだと。


「5人組のみなさん」


住民代表の方が話しかけてくる。


「私たちも、何かお手伝いできることはありませんか?」


「実は、お願いがあります」


僕が前に出る。


「僕たちがこの技術を使って調和破壊者の方々を救済しようとする時、皆さんの想いが必要なんです」


「私たちの想い?」


「はい。昨日の防御システムと同じです。皆さんの『みんなを救いたい』という気持ちが、この調和陣形をもっと強くしてくれるんです」


ソーンさんが詳しく説明する。


「物理的に戦場にいなくても、統合世界から私たちを支援してもらえます」


「なるほど。それなら私たちにもできます」


住民のみなさんが一致して頷いてくれる。


「もちろんです。調和破壊者の方々も、元は私たちの仲間だったんですから」


「一緒に救いましょう。みんなで力を合わせて」


子供たちも元気に言ってくれる。


「僕たちも、お兄ちゃんたちを応援する!」


「調和破壊者の人たちと仲良くなりたい!」


この純粋な声に、僕の小石が温かく光った。


夕方、住民のみなさんが帰った後、僕たちは最後の調整を行った。


「これで調和陣形は完成だな」


ソーンさんが満足そうに言う。


「でも、本当の試練はこれからです」


フィンが冷静に現実を見つめる。


「ディスコードさんたちと実際に向き合った時、この技術が通用するかどうか」


「通用させるんだ」


カイルが力強く言う。


「俺たちの絆と、住民のみなさんの想いがあれば、必ずできる」


「......みんなで、迎えに行こう」


エリックの静かな決意が、僕たちの心を一つにする。


その時、遠くから魔法的な波動を感じた。


「あの方向...調和破壊者の拠点からですね」


フィンが分析する。


「向こうも、何か準備をしているようです」


「それなら、僕たちも行きましょう」


僕が決意を込めて言う。


「明日じゃなく、今夜。調和破壊者の皆さんに、直接お話ししに行きましょう」


「今夜?」


「はい。きっと向こうも困惑しているはずです。昨日の僕たちの宣言を聞いて」


ソーンさんが理解したような表情を見せる。


「なるほど。混乱している今だからこそ、救済のチャンスがあるということか」


「でも、危険では?」


フィンが心配する。


「大丈夫です。僕たちには調和陣形があります。それに...」


僕は統合世界の方を振り返る。


「住民のみなさんの想いも、僕たちと一緒にいてくれます」


実際、防御システムを通じて、住民のみなさんの温かい気持ちが伝わってくるのを感じていた。


「よし、それじゃあ行こう」


カイルが立ち上がる。


「戦いじゃなく、お迎えに」


「......家族を、迎えに行く」


エリックの言葉が、僕たちの使命を完璧に表現していた。


僕たちは調和破壊者の拠点に向けて歩き出した。


調和陣形を展開しながら、ゆっくりと近づいていく。敵対ではなく、救済のために。


「ディスコードさん」


僕は夜空に向かって声をかけた。


「お話ししませんか。僕たち、本当にあなたを敵だとは思っていません」


「統合世界は、あなたがいてこそ完成するんです。だから、一緒に帰りましょう」


僕たちの声と調和陣形の光が、静かな夜に響いていく。


これが、真の救済戦争の始まりだった。


武器は調和の光、戦略は愛と理解、目標は全員の救済。


そんな戦いなら、僕たちは心から参加できる。


必ず、全員を家に連れて帰ろう。


絶対調和領域の光が、希望の道を照らしていた。

━━━ 【キャラクターステータス更新】 ━━━━━━━━━━━


【名前】レイ・ストーン 【レベル】34

【称号】小石の魔術師・絆の証明者・救済の宣言者・調和陣形の核


【ステータス】

HP: 430/430 MP: 330/330

攻撃力: 26 防御力: 38

魔力: 95 素早さ: 29

命中率: 28 運: 25


【スキル】

・小石生成 Lv.9: 1日3個制限(調和陣形中核連動)

・投擲 Lv.4

・鉱物知識 Lv.6

・魔力操作 Lv.10

・身体調和術 Lv.3

・古代文字理解 Lv.4

・空間移動術 Lv.1

・聖なる障壁 Lv.2

・深癒の光 Lv.5


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※執筆にはAIも相談相手として活用しています✨

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