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第69話「結束の力」

ディスコードとの対話から一夜明けた朝、僕たちは統合世界各地を回ることにした。昨日の分裂攻撃で混乱した住民のみなさんの様子を確認し、絆を深めるためだ。


「まずは完全調和都市の中央広場から行きましょう」


フィンの提案で、僕たちは昨日最も被害が大きかった場所へ向かった。


広場に着くと、驚くべき光景が待っていた。古代系住民と現代系住民が一緒になって、分裂で壊れた共同作業場を修復しているのだ。


「みなさん、もう大丈夫なんですか?」


僕の問いかけに、年配の古代系職人が振り返った。


「おお、レイくんたち。昨日は大変だったが、みんなで話し合ったんだ」


「話し合い?」


「ああ。分離させられた時、心の底から寂しかったんだよ。長年一緒に働いてきた仲間と引き離されるなんて」


現代系の女性職人が頷く。


「私も同じです。古代の技術と現代の技術を組み合わせる作業が、こんなに楽しいものだったなんて、分離されて初めて気づきました」


「そうそう。一人で作業していても、なんだか物足りなくてね」


「だから朝一番にみんなで集まって、『やっぱり一緒に働こう』って決めたんだ」


職人たちの言葉に、僕の胸が熱くなった。これが住民のみなさんの本当の気持ちなのだ。


「素晴らしいですね」


ソーンさんが感動しているのが分かる。


「昨日の分裂攻撃は、皆さんにとって辛い体験だったでしょう。でも、その体験が逆に絆の大切さを確認させてくれたんですね」


「そうなんです」


古代系の若い男性が力強く言った。


「僕たちは分離されて初めて、統合がどれだけ素晴らしいものかを実感しました」


次に僕たちは住宅地区を訪れた。ここでも心温まる光景が見られた。


古代系と現代系の家族が、お互いの庭で一緒に野菜を育てている。昨日の分裂で一時的に分かれた区域が、今日は垣根を取り払って一つになっていた。


「......みんな、本当に嬉しそう」


エリックが静かに観察している。植物たちも、人々の調和に呼応するように生き生きと茂っていた。


「エリック、植物たちの様子はどうだ?」


「......昨日は元気がなかった。でも今日は、人々の気持ちと一緒に輝いてる」


その時、子供たちの声が聞こえてきた。


「おじいちゃん、昨日は怖かったよ」


古代系の老人が、現代系の小さな女の子を膝に座らせている。血の繋がりはないが、本当の祖父と孫のような関係だ。


「わしも怖かった。○○ちゃんと離ればなれになってしまうかと思ってな」


「でももう大丈夫だよね?ずっと一緒にいられるよね?」


「もちろんだとも。わしたちは家族なんだから」


その光景を見ていた大人たちの目にも涙が浮かんでいる。


「あの子は両親を病気で亡くして、古代系のおじいちゃんが面倒を見てるんです」


近所の女性が僕たちに説明してくれた。


「血は繋がってないけど、本当の家族以上の絆で結ばれているんですよ」


「そうなんですか...」


僕の声が震えた。これが統合世界の真の姿なのだ。血筋や出身を超えた、心の絆で結ばれた大きな家族。


カイルも感動している。


「こんな関係を『偽りの調和』だなんて言えるわけないよな」


「ああ。これは間違いなく本物の絆だ」


ソーンさんが確信を込めて言った。


学校を訪れると、さらに印象的な場面に出会った。古代系と現代系の子供たちが、昨日の体験について話し合っているのだ。


「先生、昨日みたいにもう分かれたりしないよね?」


古代系の男の子が不安そうに聞く。


「大丈夫よ。でも、どうしてそんなに心配なの?」


現代系の女性教師が優しく問いかけた。


「だって、離ればなれになるのは嫌だもん」


男の子が現代系の友達を指差す。


「僕も同じ気持ちだよ。一緒に勉強したり遊んだりできないなんて、考えただけで悲しくなる」


「みんなもそう思う?」


教師の問いかけに、教室中の子供たちが元気よく手を挙げた。


「はーい!」


「みんな一緒がいい!」


「分かれるなんて絶対嫌!」


子供たちの純粋な声が教室に響く。その瞬間、僕の小石が温かく光った。この純粋な統合への想いに共鳴しているのだ。


「レイ、君の小石が...」


フィンが驚いている。


「きっと子供たちの気持ちに反応したんですね」


「......子供たちは理屈じゃない。本当に一緒にいたいから、一緒にいる」


エリックの言葉が核心を突いていた。


僕たちは一日かけて統合世界各地を回った。どこでも同じような光景が見られた。分離を経験した住民たちが、より強い絆で結ばれていたのだ。


夕方、中央広場に戻ると、大勢の住民が集まっていた。


「レイくんたち、お疲れ様でした」


ウィルさんが迎えてくれる。


「実は、住民のみなさんから提案があるんです」


「提案?」


「はい。昨日の件を受けて、統合世界の結束をさらに深めたいと」


そう言って、ウィルさんが住民代表の方々を紹介してくれた。


「私たちは昨日の分裂攻撃で、統合の大切さを痛感しました」


古代系の代表が力強く言った。


「そこで、みんなで力を合わせて、レイくんたちを支援したいんです」


現代系の代表も続ける。


「私たちにできることがあれば、何でもします。統合世界を守るために」


住民のみなさんの真剣な表情に、僕は胸を打たれた。


「ありがとうございます。でも、危険なことは...」


「危険だからこそ、みんなで立ち向かうんです」


年配の女性が立ち上がった。


「私たちには戦う力はありません。でも、結束する力はあります」


「そうです。昨日、分離されそうになった時、みんなで手を取り合って抵抗したでしょう?」


「あの時の気持ちを忘れません。みんなで一緒にいたいという強い想い」


住民のみなさんの言葉に、フィンが何かに気づいたような表情を見せた。


「もしかして...分裂術の弱点が見えてきました」


「弱点?」


「はい。分裂術は物理的な分離は可能ですが、心の結束までは分離できないようです」


フィンが理論的に説明し始める。


「昨日の攻撃で、住民のみなさんは確かに一時的に分離されました。しかし、心の絆は切れなかった」


「なるほど」


ソーンさんが頷く。


「それどころか、分離の体験が絆をより強固なものにした」


「その通りです。つまり、分裂術は一時的な効果しかない。根本的な解決にはならないんです」


フィンの分析に、住民のみなさんも希望を感じているようだった。


「それじゃあ、私たちが結束していれば...」


「はい。分裂術に対抗できる可能性があります」


その時、マスター・エルドラが現れた。


「素晴らしい分析ですね、フィン」


「マスター・エルドラ」


「住民のみなさんの結束の力と、レイの調和術が組み合わされば、きっと強力な力になりますよ」


マスター・エルドラの言葉に、僕の小石がより強く光った。住民のみなさんの統合への想いと共鳴しているのだ。


「みなさん、本当にありがとうございます」


僕は心を込めてお礼を言った。


「僕たちも、みなさんと一緒に統合世界を守ります」


「そして、調和破壊者の人たちも救ってみせます」


僕の決意表明に、住民のみなさんが驚いた。


「救う?敵を?」


「はい。彼らも元々は統合世界を愛していた人たちなんです。きっと救えるはずです」


「そうですね」


ウィルさんが温かく微笑む。


「それが本当の統合というものかもしれませんね。敵も味方もない、みんなが幸せになれる世界」


「その通りです」


ソーンさんが賛同する。


「真の統合とは、誰一人排除しない社会のことだ」


「......みんなで一緒に」


エリックの静かな言葉が、その場の全員の心に響いた。


「そうだな。みんなで一緒に、新しい統合世界を作っていこう」


カイルの力強い声に、住民のみなさんが大きく頷いた。


夜になり、住民のみなさんが帰った後、僕たちは今日の成果を振り返った。


「素晴らしい一日でしたね」


フィンが満足そうに言う。


「住民のみなさんの真の気持ちを確認できました。そして、分裂術の理論的弱点も発見できました」


「分裂術は心の絆までは切れない、か」


ソーンさんが総括する。


「これは重要な発見だな。ディスコードに伝えるべき情報かもしれない」


「そうですね。彼の分裂術が根本的な解決にならないことを、理論的に証明できます」


「......でも、一番大切なのは」


エリックが振り返る。


「......みんなの気持ち。子供たちの『一緒にいたい』って想い」


「ああ。あれが統合世界の真実だ」


カイルが力強く言った。


「理屈じゃない、心からの絆。これに勝る証拠はないよな」


僕も深く同感だった。今日見た光景は、どんな理論よりも雄弁に統合世界の価値を証明していた。


「明日、ディスコードさんたちが攻撃してくるかもしれません」


「ああ。でも今日の住民のみなさんの結束を見て、確信が持てた」


ソーンさんが希望に満ちた表情で言う。


「統合世界は本物だ。そして、その本物の力があれば、きっとディスコードの心も救えるはずだ」


「はい。必ず救ってみせます」


僕の決意に、小石が温かく応えてくれた。今日一日で、住民のみなさんとの絆はさらに深まった。そして、その絆が僕の調和術をより強力なものにしてくれているのを感じる。


統合世界の真の力。それは魔法や技術ではなく、人々の心の結束なのだ。


明日からの戦いは、その力を証明する戦いになるだろう。そして、ディスコードさんの分裂した心を、みんなの結束で癒やしてみせる。


それが僕たちの新たな使命だった。


━━━ 【キャラクターステータス更新】 ━━━━━━━━━━━


【名前】レイ・ストーン 【レベル】34

【称号】小石の魔術師・絆の証明者


【ステータス】

HP: 430/430 MP: 330/330

攻撃力: 26 防御力: 38

魔力: 95 素早さ: 29

命中率: 28 運: 25


【スキル】

・小石生成 Lv.9: 1日3個制限(住民絆共鳴で威力安定強化)

・投擲 Lv.4

・鉱物知識 Lv.6

・魔力操作 Lv.10

・身体調和術 Lv.3

・古代文字理解 Lv.4

・空間移動術 Lv.1

・聖なる障壁 Lv.2

・深癒の光 Lv.5


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※執筆にはAIも相談相手として活用しています✨

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