第46話「古代文明最後の王との決戦」
地下最深部の光が収束すると、アルカディウス王の姿が一変していた。
王冠が金色に輝き、王の全身を光の鎧が包み込む。右手に現れた光の剣は、他の封印存在とは比較にならない圧倒的な魔力を放っていた。
「24時間の対話を終えて、君への評価は変わった」王の声に威厳が戻る。「だが、それでも私の決意は変わらない。この世界に安らぎを与えるのが王の責任だ」
空間全体が振動し、世界調和器の光がさらに激しく明滅する。
「王アルカディウス」僕は小石を手に構えながら、4つの継承意志を感じていた。「あなたが部下たちを想う気持ちも、文明の責任を背負う覚悟も理解しました。でも、破滅じゃなくて調和を選んでください」
「調和か」王が光の剣を振り上げる。「では君がその調和とやらを証明してみせろ。私を救済できるなら、やってみるがいい」
戦闘が始まった。
王の一撃が空間を切り裂き、僕は間一髪で空間移動術で回避する。しかし、その威力は今まで相手にした封印存在の10倍以上だった。
「レイ!」ソーンさんが構造解析眼で王の動きを読み上げる。「魔力の流れが他とは全く違う。正面から受けるな!」
「分かりました!」
僕は小石を投擲し、アズライト純度90%の光で王を包み込む。しかし、王の光の鎧がその光を弾き返してしまう。
「やはり並大抵ではいかないか」王が光の剣を振るい、衝撃波が僕を襲う。「私は古代文明の全てを背負っている。その重さが君に理解できるか?」
防御が間に合わず、僕は壁に叩きつけられる。体力が一気に削られていく。
「レイ様!」ヴィラさんが即座に治癒魔法をかけてくれるが、王の攻撃は休むことなく続く。
その時、胸の奥で4つの継承意志が反応した。
『諦めるな、継承者よ』ガロンさんの声が響く。『王もまた、一人で戦い続けてきた戦士だ』
『彼の心に歌いかけるのです』シリウスさんの声が重なる。『絶望の奥に眠る希望を』
『正義を貫け』ザンドールさんの雷光が僕の意志を強くする。『王の真の正義を呼び覚ませ』
『優しさで包み込むのです』イセリアさんの叡智が僕の心を清める。『その魂の奥底にある優しさを』
僕は立ち上がり、深癒の光を発動させる。しかし、それまでとは異なる光だった。4つの継承意志が完全に統合され、新たな力となって現れる。
「これは……」王が驚いた表情を見せる。「4つの意志が統合されている。まさか、あの者たちの力を……」
「はい」僕は涙を流しながら答える。「ガロンさんの守護の心、シリウスさんの希望の歌声、ザンドールさんの正義の意志、イセリアさんの優しい叡智。みんな、王様を救いたがっています」
王の光の剣が微かに震える。
「あの者たちが……私を?」
「王アルカディウスが一人で責任を背負い続けて、どれだけ苦しかったか。みんな分かっています。だから、僕に託してくれたんです。あなたを救済する力を」
僕は2個目の小石を生成し、投擲する。4つの継承意志と統合された光が王を包み込む。今度は光の鎧に阻まれることなく、王の魂の深層に届いていく。
「あ……ああ……」王の体が震え始める。「なぜだ。なぜ私を……私は彼らを犠牲にした。文明を滅ぼした。なぜ許そうとするのだ?」
「王様は間違っていません」僕は3個目の小石を生成しながら答える。「文明を救おうとした。部下たちを救おうとした。世界を救おうとした。すべて正しい選択でした」
王の光の剣が地面に落ちる。
「だが、結果は……」
「結果じゃありません。王様の心が大切なんです」
僕は3個目の小石を投擲し、完全な調和の光で王を包み込む。深癒の光が4つの継承意志と完全に統合され、王の魂の最深部に到達する。
「王様、もう一人で背負わなくていいんです。僕たちがいます。みんながいます」
王の光の鎧が崩れ落ち、王冠が消失する。そこにいたのは、疲れ果てた一人の男性だった。
「私は……私は何をしていたのだ」王が膝をつく。「部下たちを救おうとして、君たちまで巻き込もうとして……」
「大丈夫です」僕は王に近づき、手を差し伸べる。「まだ間に合います。一緒に世界調和器を止めましょう」
王が僕の手を取ろうとした時、突然世界調和器が激しく光った。
「何だ?まだ王の救済は完了していないはずだが……」セルヴィンさんが装置の分析を始める。
その時、王の表情が絶望に染まる。
「ダメだ……もう遅い」王が立ち上がり、僕を押し倒す。「君たちを巻き込むわけにはいかない。最後の王命だ。私が世界調和器と一体化し、せめて被害を最小限にとどめる」
「王様、ダメです!」
しかし、王は世界調和器に向かって走り出す。その瞬間、装置が完全に暴走を始めた。
「くそっ!」ソーンさんが叫ぶ。「王の精神的混乱が装置に伝わった。もう誰にも止められない」
世界調和器から放たれる光が空間全体を包み込む。現代世界との境界が完全に消失し、二つの世界が重なり合い始める。
「レイさん!小石で何とかできませんか?」エルディス長老が必死に叫ぶ。
僕は残されたMP全てを使って深癒の光を発動させるが、暴走した世界調和器の力は規格外だった。
「足りない……このままじゃ……」
仲間たちの顔が頭に浮かぶ。カイル、フィン、エリック。みんなが危険にさらされる。
その時、僕の体が勝手に動いた。
4つ目の小石を生成する。そして5つ目も。その時だった。突然視界が暗闇に飲み込まれ、足元がふらつくほど体から力が激流のように流れ出していくのを感じた。
「レイ、やめろ!限界を超えている!」ソーンさんが止めようとするが、僕の手は止まらない。
生命力が急激に削られていく。しかし、世界を守りたい一心で、僕は4,5個目の小石を投擲した。
巨大な光が世界調和器を包み込む。しかし、それでも装置の暴走は止まらない。
「ダメだ……間に合わない……」
最後に見えたのは、空間が歪み、古代文明と現代世界が完全に融合していく光景だった。
二つの世界が重なり合い、新たな統合世界が形成されていく。古代の建物と現代の建築物が混在し、空に二つの太陽が昇る。
「ごめん……みんな……」
意識が途切れる直前、僕は仲間たちに謝罪の言葉を向けていた。
—
王は僕の倒れた姿を見て、全てを理解した。
「私のせいで……この少年を……」王が僕を抱き上げる。「君は最後まで救済を諦めなかった。私こそが救われたのだ」
王の涙が僕の頬に落ちる。
「すまない……すまない……」
世界調和器の光が収束し、統合世界が完成する。古代文明の技術と現代の科学が混在した、全く新しい世界が誕生していた。
アクアリスが僕に治癒魔法をかけるが、生命力の消耗が激し過ぎる。
「継承者の命に別状はありません」アクアリスさんがほっと息をつく。「しかし、しばらく目を覚まさないでしょう」
王が僕を抱いたまま立ち上がる。
「私は最後まで王としての責任から逃げようとした。だが、この少年は最後まで諦めずに私を救おうとしてくれた」王の声に深い敬意が込められる。「彼こそが真の王だ」
ソーンさんが統合世界を見回す。
「古代文明と現代世界が完全に融合している。これから大変なことになるぞ」
エルディス長老がうなずく。
「世界の再構築が必要です。しかし、レイさんが切り開いてくれた道があります。きっと解決できるでしょう」
統合世界の空に、二つの太陽が昇る。古代の光と現代の光が調和し、新たな世界の始まりを告げていた。
王が僕を見下ろしながら静かに語る。
「君が目を覚ました時、私は真の王として君を迎えよう。この統合世界を、君と共に導いていきたい」
古代文明最後の王は、ついに真の救済を受け入れた。しかし、それは新たな世界の始まりでもあった。
統合世界で僕が再び目を覚ますまで、どれほどの時間が流れるのだろうか。
そして、仲間たちとの再会は……。
世界は大きく変わってしまったが、それでも希望の光は消えていなかった。
━━━━━━━━━━━ 【キャラクターステータス更新】 ━━━━━━━━━━━
【名前】レイ・ストーン 【レベル】25
【称号】小石の魔術師・古代都市の来訪者・生命の核修復者・古代技術発見者・空間術習得者・実戦経験者・実戦訓練生・初勝利達成者・守護戦士・英知の探求者・試練突破者・真実の受容者・協力の達人・世界調和の守護者・調和の戦士・魂の救済者・守護者の継承者・希望の歌声継承者・雷光の意志継承者・氷雪の叡智継承者・世界統合の導者
【ステータス】※生命力限界超過により一時的低下
HP: 1/320(重度疲労状態) MP: 0/220(魔力消耗状態)
攻撃力: 19 防御力: 30
魔力: 70 素早さ: 22
命中率: 21 運: 18
【スキル】
・小石生成 Lv.9: 1日3個制限(限界超過により一時的制限強化)
・投擲 Lv.4: 精密攻撃精度向上
・鉱物知識 Lv.6: 古代アズライト理論完全理解
・魔力操作 Lv.10: 古代文明技術統合制御
・身体調和術 Lv.2: 持久力30分維持
・古代文字理解 Lv.4: 古代文明全知識習得
・空間移動術 Lv.1: 実戦での精密運用可能
・聖なる障壁 Lv.2: 協力者保護・古代防御術融合・都市規模防御
・深癒の光 Lv.5: 調和促進・精神安定・魂の浄化・全封印存在救済完了・4つの継承意志統合
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