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第27話「最終対決の始まり」

三カ国連合軍による要塞制圧作戦は、完璧とも言える成功を収めていた。外郭防御システムの突破から内部制圧まで、被害を最小限に抑えながらの電撃的な進攻。そして僕の制圧技術による組織機能の完全停止。


しかし、要塞最上階から漂ってくる魔力は、全く変化していなかった。


「レイ、準備はいいか?」カイルが僕の肩に手を置く。「今日で決着をつけるぞ」


「ええ、分析結果を見る限り、ソーンの魔力パターンに変化はありません」フィンが眼鏡を調整しながら報告する。「制圧技術の効果が及んでいない可能性が高いです」


エリックが静かに頷く。「……みんなが無事に帰れるように、最後まで気をつけよう」


仲間たちの言葉に力をもらいながら、僕は最上階への扉の前に立った。エルドラさんからの通信魔法が響く。


『レイ、三カ国連合軍は包囲を完了した。ソーンに逃げ道はない。しかし、最も重要なのは君たちの安全よ。無理はするな』


「分かりました、エルドラさん」僕は深呼吸をする。「それでは、行かせていただきます」


扉を開くと、そこは予想以上に広い空間だった。古代魔法陣が床一面に刻まれ、壁には無数の魔法石が埋め込まれている。そして部屋の中央に、ソーン・ブラックウッドが立っていた。


「やはり来たか、レイ・ストーン」ソーンが振り返る。その顔には、疲労と決意が混在していた。


改めて緊張が走る。しかし、今は怯んでいる場合ではない。


「ソーンさん、まだ対話の余地はあります」僕は手を広げて平和的姿勢を示す。「影の研究会の皆さんも、調和の大円環によって協力的になってくれました。きっとソーンさんも—」


「無駄だ」ソーンが手を振る。すると、僕の調和の大円環の魔力が完全に無効化された。「君の技術は確かに優秀だが、対策を講じるのに15年もの時間があったのだ」


ソーンの足元に刻まれた魔法陣が青白く光る。それは僕が見たことのない複雑な構造で、明らかに僕の技術を打ち消すためのものだった。


「15年前から...?」


「転生者の存在は理論的に予測可能だった。そして君のような存在が現れることも」ソーンの声に感情が宿る。「だからこそ、世界が混乱する前に技術を管理する必要があったのだ」


カイルが前に出る。「レイ、下がれ!」


炎の魔法がソーンに向かって放たれるが、部屋の魔法陣が自動的に防御システムを起動させる。炎は魔法障壁に阻まれ、逆にカイルに向かって反射された。


「カイル!」僕は咄嗟に小石を—いや、今日はもう3個使い切っている。魔力操作で防御陣を展開しようとするが、間に合わない。


エリックの植物魔法がカイルを包み込み、炎の直撃を防ぐ。しかし、エリックも反動で壁に叩きつけられる。


「くっ...」カイルが立ち上がりながら呻く。「なんて防御力だ」


フィンが素早く分析する。「この部屋全体が一つの巨大な魔法陣になっています。恐らく古代魔法の技術を応用して—」


「その通りだ」ソーンが頷く。「古代魔法の防御技術に、現代の対魔法理論を組み合わせた。君たちの攻撃は全て無効化される」


僕は拳を握る。戦闘能力では仲間たちに遠く及ばない自分が、どうすればこの状況を打開できるのか。


「ソーンさん、なぜそこまでして技術を独占しようとするのですか?」僕は必死に対話を試みる。「僕の技術で、多くの人が救われているんです」


「救われている?」ソーンが笑う。しかしその笑いには苦痛が混じっていた。「君は知らないのだ。転生者の技術がもたらす真の脅威を」


ソーンが手を上げると、部屋の魔法石が一斉に光り、巨大な映像が空中に浮かんだ。それは見たことのない光景—空が裂け、大地が崩れ、無数の人々が逃げ惑う様子だった。


「これは...?」


「君のような転生者が現れた別の世界の末路だ」ソーンの声が震える。「転生者の技術は確かに素晴らしい。しかし、それを巡って争いが始まり、最終的に世界そのものが破綻した」


僕は息を呑む。映像の中で、僕の技術に似た魔法陣が暴走し、現実を歪めている様子が映し出されていた。


「だからこそ、管理が必要なのだ」ソーンが僕を見つめる。「君個人に悪意はない。しかし、君の技術が拡散すれば、必ず争いの種となる」


「でも、それは...」僕が言いかけた時、カイルが再び炎を放つ。


「議論は後だ!まずはこいつを止めないと、みんなが危険に晒される!」


しかし、やはり炎は防御障壁に阻まれる。フィンの風魔法、エリックの植物魔法も同様だった。そして反撃の魔法が仲間たちに向かう。


僕は魔力操作で防御陣を展開するが、ソーンの攻撃は強力で、僕の技術では完全に防ぎきれない。カイルの腕に傷が走り、フィンの眼鏡が割れる。


「くそっ...」僕は自分の非力さに歯噛みする。仲間たちが傷つくのを見ているしかできない自分が情けなかった。


「レイ、君は後ろに下がっていろ!」カイルが叫ぶ。「俺たちで何とかする!」


しかし、魔法戦においてソーンの優位は揺るがなかった。彼の魔力は僕たちを遥かに上回り、部屋の防御システムは完璧に機能している。


「君たちでは私は止められない」ソーンが悲しそうに言う。「しかし、私も君たちを傷つけたくはないのだ」


ソーンが詠唱を始める。それは僕が聞いたことのない古代言語で、部屋の魔法陣がさらに複雑な光を放ち始めた。


『レイ』古代魔法使いの残留思念が心に響く。『彼もまた、平和を願っている。しかし、その方法が間違っているのです』


「どうすればいいんですか?」僕は心の中で問いかける。


『対話を諦めてはいけません。しかし、時には相手の行動を物理的に止める必要もあります。今がその時です』


僕は決意を固める。戦闘能力では仲間たちに及ばない。魔力でもソーンには遠く劣る。しかし、それでも僕にしかできないことがある。


「みんな、僕を信じてください」僕は仲間たちに声をかける。「僕が何とかソーンさんの注意を引きます。その隙に—」


「無茶するな、レイ!」カイルが止めようとするが、僕はすでに前に出ていた。


「ソーンさん、あなたの心配は分かります」僕は両手を広げてソーンに向かって歩く。「でも、技術を独占することで平和は生まれません」


ソーンの魔法が僕に向かって放たれる。僕は魔力操作で防御しようとするが、やはり威力が違いすぎる。魔法が僕の防御を破り、胸を直撃する。


「レイ!」仲間たちの叫び声が響く中、僕は床に倒れる。しかし、まだ諦めるわけにはいかない。


「僕は...諦めません」僕は血を吐きながら立ち上がる。「あなたが見せてくれた映像...それは確かに恐ろしいものでした。でも、だからといって技術を隠すことが正解だとは思えません」


「君は分かっていない」ソーンが苦悩に満ちた表情を見せる。「私は...私も転生者なのだ」


その告白に、部屋の空気が凍りつく。しかし、なぜか僕はそれを聞いても驚かなかった。心の奥で、薄々感じていたことだったから。


「あなたも...」


「昔にこの世界に転生した。そして自分が元居た世界で、転生者の技術が引き起こした破滅を目の当たりにした」ソーンの声が震える。「だからこそ、同じ過ちを繰り返させるわけにはいかないのだ」


ソーンが最後の詠唱を始める。それは今までで最も強力な魔法のようで、部屋全体が激しく光り始めた。床の魔法陣が複雑な模様を描きながら回転し、壁の魔法石が共鳴する。


「この魔法で、君の記憶を封印する」ソーンが涙を流しながら言う。「転生者としての記憶と、技術への理解を全て消去すれば、世界は平和を保てる」


「それは...」僕は愕然とする。記憶を失えば、僕は僕でなくなってしまう。仲間たちとの絆も、これまでの全ても失われてしまう。


カイルが必死に僕を庇おうとするが、ソーンの魔法は圧倒的で、僕たちを押し返す。フィンとエリックも限界が近い。


しかし、その時だった。ソーンの詠唱が一瞬途切れる。彼の足元の魔法陣に、異変が生じていた。


「何...?」ソーンが困惑する。


僕は気づいた。ソーンが使っている魔法陣の一部に、僕のアズライトと共鳴する古代魔法の回路があることを。そして、その共鳴が予期しない現象を引き起こしている。


「ソーンさん、その魔法陣...危険です!」僕は必死に叫ぶ。「アズライトと古代魔法の共鳴が—」


しかし、もう遅かった。ソーンが持っていた転移石と僕のアズライトの魔力が共鳴し、部屋の古代魔法陣が制御を失って暴走を始める。


「止まらない...」ソーンが焦る。「これは想定外だ」


空間が歪み始める。まるで現実に亀裂が入ったかのように、部屋の一部が別の景色に置き換わっていく。それは古代都市のような、見たことのない光景だった。


「みんな、離れて!」僕は仲間たちに叫ぶ。


カイルたちは必死に後退しようとするが、空間の歪みは僕とソーンの周りに集中している。まるで僕たちだけを狙っているかのように。


「これは...転移魔法?」フィンが分析しようとするが、現象は彼の理解を超えていた。


ソーンが最後の制御を試みるが、もはや魔法陣は暴走状態で、彼の意思では止められない。


「すまない...レイ」ソーンが謝罪の言葉を口にする。「私の研究が...こんなことになるとは」


光が僕たちを包み込む。仲間たちの叫び声が遠ざかっていく中、僕は最後にカイルたちの姿を見た。彼らは必死に僕たちを救おうと手を伸ばしているが、空間の歪みに阻まれて近づけない。


「みんな...すみません」僕は心の中で謝る。「また必ず戻ります」


そして意識が途切れる前に、僕は古代都市の幻影を見た。そこは美しく、しかし何かが根本的に間違っている場所だった。


光が消えた時、要塞の最上階には虚無だけが残されていた。レイとソーンの姿は完全に消失し、暴走していた魔法陣も静寂を取り戻している。


「レイ!レイ!」


━━━━━━━━━━━ 【キャラクターステータス更新】 ━━━━━━━━━━━

【名前】レイ・ストーン 【レベル】13

【称号】小石の魔術師・村の救世主・特別研修生・選ばれし創造者候補・古代魔法継承者・協力の導き手・調和の指導者・国際協力推進者・文化架橋者・対話の導師・平和の守護者・平和の戦士・制圧作戦指揮官

【種族】人間(転生者) 【年齢】16歳

【職業/クラス】冒険者/古代魔法継承者


【ステータス】

HP: 85/170(ソーンの攻撃で重傷) MP: 15/55

攻撃力: 8 防御力: 10

魔力: 28 素早さ: 11

命中率: 12 運: 11


【スキル】

・小石生成 Lv.8: 1日3個まで

・投擲 Lv.4: 投擲精度向上

・鉱物知識 Lv.5: 錬金術的鉱物理解

・魔力操作 Lv.8: 古代魔法陣統合制御、制圧技術実戦運用完了


【重要な関係性】

・仲間3人:古代都市転移により分離(信頼MAX+++)

・ソーン・ブラックウッド:同時転移、転生者同士の対立継続


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※執筆にはAIも相談相手として活用しています✨

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