表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/80

第1話「最弱スキルと新たな人生」

はじめまして、久遠セイジです!

転生した主人公が得たスキルは「小石生成」。チートとは程遠いけれど、そこから始まる逆転の物語をお楽しみください。

応援や感想いただけると、とても励みになります!

死ぬはずじゃなかった。


会社からの帰り道、たまたま通りかかった工事現場から落下してきた鉄骨が、私——佐倉一樹の頭上に降ってきたのは、完全に運命の悪戯としか言いようがない。


「痛みはなかったな…」


真っ暗な空間で意識を取り戻した私は、自分が確かに死んだことを理解していた。しかし不思議なことに、恐怖も悲しみもなかった。ただ、27年間の人生があまりにも平凡で、何の成果も残せなかったことへの後悔だけが胸に残っていた。


「よく来たな、異世界からの魂よ」


突然、神々しい光とともに現れた白髪の老人が話しかけてきた。


「あなたは…神様ですか?」


「まあ、そう呼んでもらって構わん。お前は不運な事故で命を落としたが、まだ本来の寿命ではなかった。だから特別に異世界での第二の人生をプレゼントしよう」


これが、いわゆる「転生」というやつか。漫画やアニメでよく見た展開が現実になるとは。


「ありがとうございます!」思わず頭を下げる。「その…チート能力とかもらえるんですか?」


老人は苦笑した。「みんなそれを期待するんだが、能力付与は抽選制でな。お前に与えられるのは…」


老人が空中に手をかざすと、光の粒子が集まって一つの文字列を形成した。


『小石生成:手のひらに小石(直径1cm以下)を1日3個まで生成できる』


「…は?」


思わず声が漏れる。チートどころか、これはただの石ころじゃないか。


「すまんな、運がなかったようだ」老人は申し訳なさそうに笑った。「だが、どんな能力も使い方次第だ。さあ、新しい人生を始めるがいい」


反論する間もなく、私の意識は急速に薄れていった。


***


「うぅ…」


柔らかい草の感触と共に目を覚ました。頭上には見知らぬ空。周囲には鬱蒼とした森が広がっている。


体を起こして自分を確認すると、見知らぬ少年の姿になっていた。見た目は15、6歳くらいだろうか。服装は粗末な麻の衣服で、足元には革製のサンダル。腰には小さな水筒と布袋がぶら下がっている。


「本当に転生したのか…」


念のため、右手のひらを上に向け、スキルを発動してみる。使い方なんて教えてもらっていないが、とりあえず「石を作りたい」と強く念じた。


すると、


「おっ!」


手のひらに小さな石ころが現れた。灰色で丸みを帯びた、川で拾えそうな普通の小石。これが私の能力か…。


「まぁ、何もないよりはマシか」


しかし、この能力でどう生きていけばいいのだろう。拾った方が早そうな石を生成する能力なんて、どう考えても最弱クラスだ。


とりあえず周囲を探索してみよう。布袋の中を確認すると、少量の干し肉とパン、それに地図らしき羊皮紙が入っていた。


地図には「メイプルウッド村」と「ストーンヘブン都市」の名前が記されている。どうやら現在地は二つの間の森の中らしい。


「村に向かおう」


歩き始めて間もなく、森の中で唸り声が聞こえた。振り向くと、一匹の灰色の狼が牙をむき出しにしていた。


「嘘だろ…武器もないのに」


私は思わず後ずさりした。腰に下げた布袋を探るが、武器になりそうなものは何もない。


狼が飛びかかってくる。


とっさに手の平に二つ目の石を生成し、力の限り投げつけた。


「当たれ!」


石は狼の鼻先を直撃し、一瞬怯ませることに成功した。しかし、すぐに態勢を立て直した狼が再び襲いかかってくる。


「くそっ!」


三つ目の石を生成し、今度は全力で狼の目を狙った。


パシン!


見事に狼の右目に命中。狼は痛みに悶え、一旦後退した。


「これで今日の三個は使い切ったか…」


チャンスとばかりに全力で逃げ出す。しばらく走り続けると、森の向こうに開けた場所が見えてきた。村だ!


走りながら考える。


「小石三個じゃ、武器にもならないな…でも、狙いを定めて投げればダメージは与えられる」


村に着く直前、ふと立ち止まった。手のひらを見つめる。


「待てよ…この能力、もしかして石の種類は選べるんじゃ…」


試しに、「より硬い石を」と念じながら能力を使おうとした。しかし、今日の三個はすでに使い切っている。明日試してみるしかない。


「佐倉一樹」という名前は過去のものだ。この世界では…そうだな、「レイ・ストーン」。石に関わる名前も悪くない。新たな人生の始まりだ。


村の入り口に立ち、レイは深呼吸した。


「最弱スキルかもしれないけど、きっと使い道がある。この能力を極限まで活かしてやる」


そう決意して、レイは村へと足を踏み入れた。


━━━━━━━━━━━ 【キャラクターステータス】 ━━━━━━━━━━━

【名前】レイ・ストーン 【レベル】1

【称号】なし

【種族】人間(転生者) 【年齢】16歳

【職業/クラス】無職


【ステータス】

HP: 100/100 MP: 10/10

攻撃力: 5 防御力: 5

魔力: 3 素早さ: 7

命中率: 6 運: 2


【スキル】

・小石生成 Lv.1: 手のひらに小石(直径1cm以下)を1日3個まで生成できる(New!)

・投擲 Lv.1: 物を投げる基本的な技能


【関係性】

・なし(これから構築)


最後まで読んでくださりありがとうございます!

小石スキル、正直ハズレ感がすごいですが…果たしてどう活かすのか、ぜひ見守っていただけたら嬉しいです。

次回は村での新たな出会いが…? お楽しみに!

※執筆にはAIも相談相手として活用しています✨

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
小石の概念というものを考えさせられる物語ですね。主人公もそこを突き詰めていくのだろうと、思いつつどう進めていくのか楽しみになる設定でした。石でさえあれば、ワンチャン、生きていてもいいんですかね。楽しみ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ