第53話 ビーチバレー
みんなの元に戻ると、砂浜に線が書かれて、真ん中にいつの間にかネットも立てられていて、しっかりとコートが作られていた。
「少しは休めたかな?」
チアキくんは私を気にかけてくれた。
「うん!休めたから、応援出来るよ!!」
「よかった。それじゃあ、チーム分けをしようか!」
すると、みんなは私を見た。おそらくグッとパーの号令係は私のようだ。
「グッとパーで分かれましょ!」
すると、チーム分けはイブキくん、シュウヤくん、チアキくん、ユアさんがグーを出し、残りのヒナタくん、タクトくん、私はパーを出して、チーム分けができた。
ヒナタくんの提案で、せっかくならとチーム名を考えることになった。
「僕はね、この3人といえば、明るい感じがするから、チームサンはどう?太陽のサンと3人の3をかけたんだ!」
自信満々に言う彼を見て、私とタクトくんは目を合わせて笑った。
「何で2人とも笑ったの!?凄く良いチーム名じゃない?」
「ああ、ヒナタらしくて良いと思うよ」
「私も!!ヒナタくんらしくて面白いって思った!」
「だよね!
ーーじゃあ、僕たちのチーム名はチームサンで決定!!」
コートの反対側にいるあっちのチームの様子を見ると、決まっていたのかこちらが終わるのを待っていたようだ。
すると、チアキくんが口を開く。
「その様子は決まったようだね!」
3人でほぼ同時に返事をした。
「それじゃあ、まずは僕らのチーム名から発表するね!
僕たちはチームエレガント!自分たちで言うのは恥ずかしいけど、みんな気品があるメンバーが集まったなって思って、決まった名前だよ」
私は思わず納得して頷く。確かにこのメンバーは優雅だから、チームエレガントっていう名前なのもしっくりくる。
すると、次は自分たちの番と言わんばかりにヒナタくんは挙手をし、名乗りを上げる。
「僕たちはチームサン!太陽みたいに明るい3人組ってことでこの名前になったよ!」
あっちのチームの反応を見ると、4人は小さい子供を見るような優しい眼差しでこちらを見た。
「とても素敵な名前ですわね!チームエレガントとチームサン、どちらもチームの個性が現れててチーム名勝負はドローですわね!」
まさかのここから勝負が始まっていたことに驚きつつ、ユアさんらしいなとも思った。
「ユア、まだ勝負は始まっていないだろう?」
そのようにツッコミをするシュウヤくん。
「そうでしたわ!でも、それぐらい両チームとも良い名前でしたのよ!そこから勝負が始まっていても面白くてはなくて?」
みんなに問いかけるユアさんに私は便乗する。
「確かに、ユアさんの言う通りそういうところから勝負するのも面白いと思います!」
「ヒマリまでそういうなら、まあそういうのもありか」
彼は何故か納得してくれた。
「話は少しそれちゃったけど、ビーチバレーのルールはコート内は2人でプレイするよ。僕たちチームエレガントは試合ごとにメンバーチェンジする。
3試合先取で、1試合10点取った方が勝ち。サーブミスは1試合辺り両チームとも2回まで。審判はユアの執事さんに頼んでいるよ」
執事さんは審判をするために、首にホイッスルをかけ、手には旗を持ってネットの前でスタンバイしていた。
「それじゃあ、両チームはコート内に入って、準備しよう」
そう言って、男子たちはコート内に入っていつた。
まず、1試合目はチアキくんとシュウヤくんペアVSヒナタくんとタクトくんペアだ。
どんな試合になるのか、楽しみにしつつ、私とユアさんはテントの下の日陰で試合を応援する。
「ヒナタくんとタクトくんファイト!!」
私は2人にエールを送ると、もちろんと言う感じこちらを見てグッドポーズをした。
ユアさんも私のようにコート内の2人に声をかけた。
「チアキさん、シュウヤ、あなたたちの力を信じているわ」
ユアさんらしい言葉に私は素敵だなと思いつつ、2人とも返事をし、コート内にいる4人は真剣な顔になった。
じゃんけんの結果、先攻はチームエレガント。サーブはチアキくんから始まるようだ。
チアキくんは綺麗なサーブを打ち、ヒナタくんとタクトくんの間に狙ったように落とし、2人は拾えず、早速1点を取られてしまう。
チアキくんってビーチバレーの経験者なのかと疑う。まだまぐれかもしれないので2本目のサーブも見る。
すると、さっきと同じようなコース取りでボールは落下するが、タクトくんが何とか拾ってボールを上げるが、ヒナタくんは上手く取れずまた相手チームにポイントが入る。
すると、ヒナタくんが手を挙げた。
「チアキくんってビーチバレー経験者なの!?」
そう尋ねた彼に、チアキくんは少し照れながら、「実は急遽が人より得意なんだ」と話した。
なるほど。でも、球技が得意だからと言って、バレーも上手なのは凄くないかと思った。
「なるほどね!教えてくれてありがとう!
試合を中断してごめんなさい!続きをやろう!」
中断していた試合が再び動き出す。
その後もチアキくんのサーブに手こずりながらも慣れてきたのか、だんだんボールを上げられるようになったタクトくん。その上げたボールでアタックを決めるヒナタくん。そのボールをしなやかに上げてトスをするシュウヤくん。トスされたボールを自分の狙った場所に打ち込むチアキくんと試合は白熱したものになったが、まずはチームエレガントが1試合目は勝利した。最初のサーブを取られたのが敗因だが、取れなくてもしょうがないと思う。
5分間休憩と作戦会議をする。
2人は水分補給と汗を拭く。
「チアキくんが思っていたよりも強いから注意だね」
チアキくんを警戒するヒナタくん。
「ホントに強かったね!あんなに上手いなんて予想外だったよ」
2人にびっくりしたことを伝えた。
「俺も驚いた。チアキくんはスポーツも万能とは噂で聞いていたけど、学年が違うから見た事がなかったけど、これだけの運動能力の持ち主だと考えて戦わないとだな」
「確かに!僕たちの役割を決めた方がいいね。
とりあえずタクトがボールを上げて、僕が打つって感じでいいかな?」
「もちろん。俺もそれがいいと思ってた」
「おっけー!次の試合もそんな感じでやろう!」
5分間の休憩は終わり、2人に頑張れと声をけて、コートに戻っていった。
2試合目はイブキくんとシュウヤくんペアが相手のようだ。チアキくんを温存させて、3試合目は確実な勝利を狙っているように思えた。
じゃんけんの結果、こちらのチームサンが先攻のようだ。
ヒナタくんのサーブから始まり、イブキくんの元にボールは落ちるが、上手くトスを上げて、シュウヤくんがアタックするが、タクトくんは読んでいたのか正面で待ち構えて綺麗にトスを上げて、再びヒナタくんは力強くアタックを決めた。シュウヤくんとイブキくんの間に通し、2人はボールが取れなかった。
まずは1点先取した。だが、安心できる相手ではないので、2人ともあまり嬉しそうにしていない。
その後もかなりラリーが続くことが多く、お互いリードは許さず、9対9まできた。ここはドローで1点のびることはなく、次先取した方が勝利となる。
両チームの覇気を感じる。
私も思わず前のめりになり力が入る。
サーブはイブキくんからだ。イブキくんはシンプルなサーブをし、ヒナタくんの崩そうとそっちの方にボールを送るが、ヒナタくんはそれに動揺せずトスをし、タクトくんがボールを相手ゾーンに送った。シュウヤくんがボールを上げて、イブキくんがアタックするも、タクトくんが上げて、ヒナタくんが2人の間にアタックするもシュウヤくんが読んでいたのか、なんとか拾うがトスが不安定なため、イブキくんは相手の方にボールを送った。再びチャンスが来て、タクトくんが綺麗なトスを上げて、ヒナタくんがアタックをし、イブキくんの腕に当たったが弾けて、ボールはコート外に出ていった。
2試合目はチームサンが勝利した。
再び5分間休憩を挟み、3人で作戦会議をする。
「次はおそらく、イブキくんとチアキくんペアだよね」
私は2人に尋ねると、2人とももちろんと言うように強く頷いた。
「僕に考えがあるんだけど、聞いてくれる?」
ヒナタくんの提案はこうだった。
先程から基本的にはヒナタくんが攻撃で、タクトくんが守備をしていたが、後半の方はその状況にもよるが、タクトくんが攻撃でヒナタくんが守備をするターンもあってもいいのではと話した。
「もちろん、タクトがいけるのではあればの話だけどね?」
「俺も良いと思った。ずっとワンパターンの動きだと勝ち目はないからな」
「ヒマリちゃんもどうかな?」
「うん!良いと思う!チアキくんが強いから意識してしまうと思うけど、イブキくんにも警戒することは忘れないでね!」
「おっけー!それじゃあ、そういう感じで次の試合も勝つぞ〜!」
3人でハイタッチをして、気合いを入れた。
3試合目はチアキくんとイブキくんペアだ。
チアキくんは先程休んでいたから、体力は全然ありそうだ。
ヒナタくんとタクトくんの体力が心配になりつつも、応援をする。
サーブはまずはチームサンが取れたので、先程のようなことにはならずに済んだ。
ヒナタくんはチアキくんの真似をして、サーブを打つがミスをする。まだサーブはしていなかったので、もう一度サーブする。
今度はサーブが入り、イブキくんはトスをあげて、チアキくんが打つ。タクトくんはボールを受けるが威力があり、横に飛んでいってしまった。先に1点を先取したのはチームエレガントだった。
その後も良い試合をするが、ヒナタくんとタクトくんの体力が限界なのか、今まで拾えていたボールさえも上手く返せなかったりとミスが続き、チームエレガントが勝利をおさめた。
「3連続で試合するのはキツかったね」
「ああ。流石に思うように動けなかった」
「2人ともお疲れ様!!負けちゃったけど、凄く良い試合だったよ!」
2人に水とタオルを渡した。
「ありがとう!でも、すごく楽しかった!!」
「そうだな。俺も楽しかった」
「私も応援してて、凄く楽しかった」
「そういえば、僕たち罰ゲームで何か1品作らないとだね」
「そうだったな」
「2人は頑張ってくれたから、私が作るよ!!」
「本当?でも僕たちも考えるし、手伝うからね!」
「ああ。みんなで作ろう」
「ありがとう」
するとチームエレガントのみんながこちらに来て合流し、とりあえず一旦別荘に戻り、汗を流してから、リビングに集合することになった。




