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第47話 ユアさんの別荘 パート3


この後、みんなは部屋に戻るのかなと思い、周囲の様子を見ていると、リビングのソファーのところに集まっていたので、私も空いてるところに腰をかける。


「今から、これからの3日間をどのように過ごすのか決めていきましょうか?」


ユアさんがここでMCをするようだ。


「まずは意見がある人はいますか?」


私はみんなの様子を伺う。

すると、チアキくんが挙手をした。さすがは生徒会長というところだ。積極性がある。


「みんなも予め言われていた通り、やりたいことを考えてきてはいたと思うんだけど、まずは僕から意見を言わせてもらうね。


僕がやりたいことは正直、もう叶ってしまっているんだよね。みんなで食事をして、こうやって集まって会話するだけで僕は満足しているよ。

あとはユアと2人っきりで過ごす時間もあれば、僕は幸せかな」


幸せとか口に出せるチアキくんが凄いなと思いつつ、一人っ子が故にみんなで過ごすことだけで楽しいと思えるのはわかる。私も一人っ子なので、みんなで過ごせるだけでいいのだ。でも、これはチアキくんの人柄で成り立っているものであり、私がこんなこと言ったら、考えてくるの忘れてきたでしょとか言われると思うので、しっかりと提案するつもりだ。


「チアキさんはもう満足しているのですか??

まだ始まったばかりだというのに??


ワタクシたちはまだまだ楽しむためにここに来たのですよ??」


彼女の口から正論が飛んできて、もはや清々しいぐらいハッキリと口にしていた。彼の言ってることはツッコミどころはあったが、私はチアキくん派の意見も理解できたため、特におかしいとかは思わなかった。


「他にやりたいことを考えて来た人いますか?」


次にヒナタくんが挙手した。


「はーい!

僕がやりたいことは、プライベートビーチで遊びたい!!

みんなでビーチボールとかしたら楽しそうじゃない?」


ヒナタくんらしい陽気な提案だった。

私はあまり運動は得意ではないので、あまり気乗りしないが、みんなの表情を見る限り嫌そうな人はいなさそうだ。


「いいですわね!明日やりましょうか!!


明日はビーチで遊びましょう!!


そしたら、今の時間はこの家の中で出来ることがやりたいのですが、ヒマリさんは意見がありますか?」


いきなり指名されてびっくりしつつも、私が考えてきていたものは家の中で出来るゲームだったので、提案しやすい状況だった。


「私のやりたいことはゲームです!

用意してきたゲームがあって、それをみんなでやりたいなと思っています!

今から取ってきてもいいですか?」


「はい!もちろんですわ!!さすがはヒマリさん!準備が良いですわね!」


みんなも良いと頷いてくれたので、早歩きで部屋に向かい、カバンの中からこの前貸してもらったゲームを探す。

だが、入れたはずのボードゲームが入っていない。どうしてだろう。絶対に入れたはずなのに。少し考えるが、全く見当もつかない。

だが、ゲームを持って来たと行ってしまったばかりに何か準備しないとならない。

ひらめいた。ここは王様ゲームをやろうではないか。トランプでも紙でも何か印のあるものがあれば出来る。


とりあえず、リビングに戻ることにした。


「ヒマリさん、準備は終わりましたか?」


「ユアさん、トランプってありますか?」


「はい、ありますよ」


すると、ユアさんの専属の執事さんがトランプを準備してくれた。すぐにサッといなくなった。本当に忍者のようだ。


「これで何をするんですか?」


彼女は不思議そうに尋ねてきた。


「王様ゲームをやりましょう!」


「王様ゲーム??」


みんなからほぼ同時におうむ返しされた。

やはり、この世界にはまだ王様ゲームはないようだ。


「王様ゲームとは、とある番号の人を2名選び、自分の好きなことを命令することが出来ます。

例えばですけど、私がエースのカードを持っているとします。ユアさんが2のカードで、王様の人に、エースと2のカードを持った人はお互いに見つめ合うとか命令されたら、それ通りにやらなきゃいけないということです!

今回はジョーカーを持った人が王様になり、1〜6までの数字の人を2人好きに指名できます!

なんとなく分かりました?」


みんな頷き、早速ゲームを始めてみる。


カードを1〜6とジョーカーをよくシャッフルして、みんなに引いてもらう。

私は1番最後に残ったカードをもらった。

カードを見ると、5番だった。


「ここで、みんなで王様だーれだ?と掛け声します?

ーーでは、せーの!」


『王様だーれだ?』


「王様の人は名乗り出てください!」


手を挙げたのはシュウヤくんだった。


「俺はどうすればいい?」


「まず、1〜6の好きな番号を2つ選んで!」


「それなら、1と3だ」


「その人たちに何をして欲しい?」


「そうだな……?

腕立て伏せを20回やってもらおうか?」


「それじゃあ、1と3番の人は腕立て伏せをやってください!」


「え!腕立て伏せやりたくないよ!」


ヒナタくんは1番だったようで、やりたくないと発言した。

3番はイブキくんのようで、そっちはやる気満々だった。


「王様の言うことは絶対なので、ヒナタくん諦めてやってください!」


ヒナタくんは口を尖らせながらも、諦めて腕立て伏せの姿勢になった。


シュウヤくんの号令で腕立て伏せが始まり、少しでもゆるくやろうとするヒナタくんを見逃さず、20回のはずが30回もやらされていた。

少し鬼教官みのあるシュウヤくんに私じゃなくてよかったとヒナタくんを見て、最低だが安堵した。


「まあこんな感じで、本当に好きなことを命令出来るので、王様が有利な運ゲームとなっています!もう一回やってみましょうか?」


みんなからカードを回収し、再びシャッフルを行う。次はユアさんにもカードをきってもらう。


みんなにカードを選んでもらい、みんな確認し終えたら、また掛け声をする。


『王様だ〜れだ?』


「僕みたいだね?」


チアキくんが今回の王様のようだ。


「それでは、チアキくん。何番と何番の人に何をやらせたいですか?」


「うーん。そうだな。それじゃあ、4と6番の人はさっき冷蔵庫にあった、大きなプリンを食べてください」


最悪にも6番を引いてしまっているので、食べなきゃならない。あと、一体そのプリンの大きさはどれぐらいなんなのだろうと思い、冷蔵庫の方を見る。執事さんが大きなプリンを綺麗に運んできてくれた。


「これはワタクシが、みなさんのために用意しておいたプリンですわ!

ヒマリさんやヒナタは甘いものが好きなので、縦横約30cmほどのプリンを作ってもらっていましたの!よくチアキさんは見ていましたね!」


「ちなみに、4と6番は誰かな?」


私とヒナタくんが一緒に手を挙げた。


「やった!ヒマリちゃんとだ!!」


「ヒナタくんとなら食べられる気がする!!」


私たちはハイタッチをし、各々スプーンと受け皿を手に持ち、一口食べる。

たまごの味もしっかりとするが、クリーミーな味わいもして、カラメルは甘すぎず食べやすいプリンである。


「美味しい!!」


「これ美味しいね!!」


「喜んでもらえてよかったわ!

お二人は引き続きプリンを楽しみつつ、ゲームをしましょうか!」


みんなもわかってきたようだ。

カードをシュウヤくんにシャッフルしてもらい、カードを受け取る。私が王様のようだ。そして、掛け声をする。


『王様だーれだ?』


「はい!私です!」


せっかくなら、ユアさんとチアキくんを当ててラブラブな方に仕向けてあげたいが、肝心な番号が分からない。

ユアさんとアイコンタクトすると、何故かウインクされている。これはもしや番号を伝えようとしているのではと予測する。

ウインクは一回のみなので、1番だとする。

あとは運で言ってみよう。


「それじゃあ、1番と5番の人はこのプリンを食べさせあってください」


「ええ!?」


ほぼ同時に声を上げたのは、ユアさんとチアキくんだった。

私はどうやら運良く当てたようだ。2人ともなんだが、嬉しそうだが、恥ずかしそうにも見えるが、やってもらう。


「ユアさんとチアキくん、プリンを食べさせあってください!」


「まず、僕からユアに食べさせてあげるよ」


チアキくんはプリンを綺麗にすくい、徐々にユアさんの口に運ぶ。

私もドキドキしながら、その様子を見守る。

ユアさんは恥ずかしいのか、頬を赤らめながらも、プリンが口にゴールした。


「美味しいですわ。

次はワタクシの番ですわね」


今度はユアさんが新しいスプーンを持ち、一口すくって、チアキくんの口元に運び、入れる。

彼は味わってから飲み込む。


「とても美味しいね!ありがとう」


私はこれが見たかったんだよと自分とユアさんに感謝する。こういうカップルのイチャイチャを見るのは好きなので、思わずニヤニヤしてしまう。


イブキくんがカードをシャッフルし、掛け声をする。


『王様だーれだ?』


「俺だ!」


今度はタクトくんが王様のようだ。ここまで王様が被らずに来てるのは結構流れが良い。


「何番にしようかな?


……それじゃあ、2と3番が、この夏休みであった出来事を話す」


すると、2番と3番が当たったのはイブキくんとシュウヤくんのようだ。


「俺たちはほぼ一緒にいたから、出来事はほとんど同じになってしまうな。それでもよければ俺から話してもいいか?」


イブキくんはどうぞと言うように頷く。


「俺たちがユアとチアキくんのデートについて行ったときに、ヒマリとも遭遇したのは印象深かったな」


「確かに。まさか、またあのカフェで会えるなんて夢にも思わなかったな」


「それは私もだよ!あの時、ホントにびっくりしたもの」


「そういうのを運命って言うのではありませんか?」


ユアさんはとてもロマンティックなことを言う。


「ワタクシたちはいつどこにいても繋がっている運命の赤い糸のように!

赤い糸は恋人の例えで使われる言葉ですけれど、ワタクシは性別問わず使いますわ!

これからもよろしくお願いしますわね」


この話はユアさんにおかげで壮大な方に脱線しながらも綺麗に締められた。


「このゲーム楽しかったですわね!また機会があればやりましょうか!」


ユアさんは満足そうな顔で話した。

私はあんまりやりたくないが、それをハッキリとは言えない。


「そうですね」


その後はみんなでわいわいと雑談をしていたら、あっという間に夕食の時間になり、豪華な夕食を食べ終えた後は各自の部屋で休むことになり、解散となった。

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