表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/69

第46話 ユアさんの別荘 パート2


扉を抜けると、真っ正面には大きな日の当たり良さそうな窓が奥にあり、左右の壁にはユアさんの幼少期と思われる写真や幼い頃に描いたと思われる絵が飾られていた。海外スタイルなのか、靴を脱がずに、そのまま中に入るようだ。

2人のあとについて行くと、広めのリビングに着く。リビングルームは白と黒で統一感あるような作りになっている。まず目に入ったのは、大きなコの字型のフカフカそうな黒いソファーに丸いテーブル、アイランドキッチンに、4人用のカウンターテーブル、大きな冷蔵庫や立派な家電たち、8人も食事ができるダイニングテーブルと椅子、他にもおしゃれな棚や装飾品、ライトも全てこだわりを感じるようなリビングである。

別荘でこのレベルなのかと感心しつつ、安易に触れたりしないように気をつけないとと気を引き締める。


「あら、4人はここにはいないようね?」


「そうみたいだね。部屋で休んでいるのかも」


「そうですわね!チアキさん、呼んできてくださいますか?」


「もちろん」


チアキくんはここの内装を把握しているのか、みんながいる部屋に向かって行った。


「ヒマリさんの部屋に案内しますわね!」


そう言われて、ユアさんのあとについて行く。

途中にも何部屋かあって、別荘なのに普通に住めそうだなと思った。


「ここですわ!」


ドアを開くと、自分の部屋よりも広い空間が目に入る。

ベッドはおそらくダブルサイズで、ふわふわしていそうだ。勉強用のデスクと椅子、大きなクローゼットに、窓側にも小さな丸いテーブルと椅子が2つあり、誰かと会話できたり、ちょっとしたカードゲームができそうだ。

荷物も運んでおいてくれてあって、ありがたい。


「素敵な部屋ですね!」


「気に入ってもらえてよかったわ!でもね、実はここは狭い部屋なのですわ。ヒマリさんを私の隣の部屋にしたいと思っていて、私の前後の部屋は使用人用の部屋として作られたものだから、狭いって言われるかと思っていたのだけど、ヒマリさんが心の広い方でよかったですわ」


ここでも狭い部屋ってことは隣のユアさんの部屋はどんだけ広いんだよと気になった。


「もしよかったら、ユアさんのお部屋にも行きたいです!」


「もちろん!次に案内しようと思っていましたの!行きましょう!」


ちょっと歩いたらすぐにユアさんの部屋に着く。ドアはどの部屋も一緒のようだ。

開かれると、私の部屋の2倍近くありそうで広い部屋である。

ベッドはキングサイズ、中にはソファーやクローゼット、可愛くて立派なドレッサーと椅子、私の部屋と置いてあるものはほとんど変わらないが、グレードアップしてあるかつ空間が広く取ってあるため、ゆったりとした部屋に見える。

横にある扉をなんだろうと思い、聞いてみる。


「ここは何の部屋ですか?」


「そこはシャワールームとレストルームよ」


ドアを開けてもらうと、真ん中に綺麗な洗面台があり、右側にトイレ、左側にシャワールームが完備されており、もはやホテルだ。


「全部屋にシャワールームとレストルームはあるから安心してくださいね!」


「全部屋にですか!?」


「ええ!」


当然だと言うように話す彼女にやっぱりお金持ちは凄いなと思いつつ、部屋にトイレとシャワーがあるのは最高だと思った。


「ヒマリさんも何か困ったことがすぐに私の部屋に来てくださいね!」


「わかりました!」


「ちなみに2階の部屋を男子たちの部屋にしましたわ!シュウヤたちの部屋もヒマリさんのお部屋と同じ作りになっていますわ!

2階には談話スペースがあるので、4人はそこで話して待ってるのだと思いますわ!

私たちもそこに行きましょうか!」


私は彼女の提案に頷き、2階へ行くためにリビングの近くにあった階段に行き、上がる。


何部屋か通り過ぎた先にちょっとしたスペースとちょうど4人座れる椅子と真ん中に長方形のテーブルが置いてあるところに、みんながいた。


「2人とも待ってたよ!」


ヒナタくんは相変わらず明るく私たちを出迎えてくれる。


「お待たせしましたわ!でも、みんなでリビングではなく、何故ここにいたのですか?」


「つい、色々話し込んでいたら、チアキ先輩が来ていて、降りようと思ったらまたちょっと話してしまっていた」


そう話したシュウヤくん、それに頷く4人だった。話が弾んでいたようだ。どんなことを話していたのかと気になるが、内容を聞くのは野暮だと思い、とりあえず黙っておく。


「一旦リビングに向かいましょうか?」


ユアさんの提案にみんな賛成し、移動する。


すると、キッチンにはシェフのような人が降り、良い香りが部屋中に充満していた。そして、ウエイトレスさんたちがテーブルに食事を運んでいた。

いつの間にこんな料理を作っていたのかと驚く。魔法でも使ったのかと、まじまじと見つめる。


「こちらのシェフはワタクシの家の料理長に来てもらいましたの!

みなさんのお口に合うものを作って下さっているので、楽しみにしてください!」


その言葉を聞き、思わずお腹が鳴りそうになる。


「皆さん、席につきましょう」


そう言われて、適当に目の前の椅子に座ろうとすると、ユアさんに隣の席に来てとお願いされて、ユアさんの隣となった。左隣はいないのでちょっと安心して食べれるが、目の前の席にイブキくんが座っているので、緊張する。


グラスに赤いトマトジュースのような飲み物が注がれる。ユアさんがみんなにグラスを持つように指示をし、乾杯をする。

一口飲んだが、トマトジュースなのに甘くてフルーティーでとても美味しい。初めてこんなに美味しいトマトジュースを飲んだ。

トマトジュースに感動していると、前菜だと思われる彩りが美しいサラダがやってきた。

左右には綺麗に並べられたカトラリーがあり、どこから取っていいのか、分からなかった。これはもしや俗に言う、テーブルマナーというやつが必要なのではと気が付き、焦る。

テーブルマナーが必要な機会なんてなかったので、当然分からない。

とりあえず、周りの様子を見てみると、みんな当たり前の如く食事をしていて、育ちの良さを感じる。

1番左側のフォークを持っていると思い、私もみんなの見よう見まねをし、食べてみる。


野菜が新鮮で、サラダソースがあっさりめではあるが存在感もある不思議なソースでとても美味しい。


「美味しい」


みんなは静かに食べていたが、私は思わず口に出していた。

これはマナー的にアウトなのではと思い、冷や汗が出る。


「喜んでもらえて嬉しいわ!でも、ここからもっと美味しいものが出てくるから楽しみにしててください!」


ユアさんの言葉により期待が高まりつつ、その後に出てきたスープや魚料理もとても美味であった。

次はメインと思われるステーキがやってきた。

添えてある野菜もおしゃれに盛り付けてあり、もはや芸術品のようだ。

だが、ステーキ系の肉料理を食べるのが、結構難しい記憶があるので、みんなが一口食べる様子を見てからにしようとすぐに食べたいが我慢する。


ユアさんは私の変な様子に気が付いたのか、手を止めてこちらをみる。


「ヒマリさん、どうされたの?」


「いえ、何でもないです!」


本当に何でもないので、そう答える。ただテーブルマナーが分からないだけだから。


「いや、いつもよりヒマリが食事を楽しんでいないと俺も思う。どうしたんだ?」


シュウヤくんにも指摘をされて、私のことをよく見ているなと驚く。

ここは正直に話すべきなんだろうけど、なんだか恥ずかしいと思う。


「ヒマリ、何か苦手なものでもあった?」


前の席に座るイブキくんが質問してきた。


「なかったよ!むしろ、美味しすぎて感動してたよ」


「それじゃあ、何で、いつもみたいに美味しそうに食べてないの?」


イブキくんにもシュウヤくんと同じようなことを言われて、私はそんなに顔に出ていたのかと思う。彼らに隠し事は出来ないなと思い、ここは潔く話す。


「あのさ、私ね、全然庶民だからさ、こういうテーブルマナーが必要な雰囲気の場所で食べたことがなくて、どうやって食べたらいいか悩んでたんだ」


みんなは私の言葉に優しく頷いてくれる。


「なんだ!よかった!!

ヒマリちゃんが体調悪いのかなって少し心配だったから、何ともなくてよかったよ!

分からなかったなら、僕たちに聞いてくれればいいんだよ!」


ヒナタくんは明るく話してくれる。こういう風に場を和ませてくれる存在はとてもありがたい。


「そうだよ。俺たちは友達だから、何でも頼ってきて欲しい」


タクトくんも欲しい言葉をかけてくれる。


「そうですわ!ワタクシたちはヒマリさんが美味しそうに食べる姿が好きなのですから、もっと楽しそうに食事して欲しいの!だから、そういうテーブルマナーに囚われすぎずに、楽しくいただきましょう?」


「はい!そうですね!それでは、みんなのお言葉に甘えて、普段通りに食べますね!」


いつもよりは所作を綺麗に食べるように意識はしつつも、緊張感がなくなり、先ほどよりも食べ物が美味しく感じる。


「これも凄く美味しいです!!こんなに美味しいステーキは初めて食べました!」


「ヒマリさんは本当に美味しそうに食べますわね!そこまで言ってくださる方は初めてですわ!」


そのあともデザートと紅茶が出てきて、豪華な昼食は終了となった。

夕食もこのレベルのものが出てくると思うと、ちょっと緊張というか、私みたいな庶民が食べてもいいのかと思ってしまう。また、みんな普段からこんなにも美味しいものを食べてるのかと貴族だなと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ