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第12話 校外学習の計画 その2


今日の3時限目は校外学習のグループとそれぞれのグループがどこに行くかのプラン決めをするようだ。


もう今週の金曜日に行くというのに、まだグループが決まっていなかった。

担任のリュウ先生はグループ決めは揉めるからと言って、種族ごとにグループを組むようにと指示し、すぐにグループは決まった。

私とイブキくんは何故かヴァンパイア族の皆さんと一緒に行動するように言われ、イブキくんとシュウヤくんが同じグループになってしまったけど大丈夫なのだろうかと不安になった。


グループごとに席を固めて、話し合う。

ヴァンパイア族の皆さんと面と向かい合うとやっぱり緊張する。


「ヒマリさんと同じグループになれて本当に嬉しいわ!よろしくお願いします」


そう言って私に握手を求めてきた。なんかの外交的なノリだなと思いながらも握手する。


「それでシブヤでは何をしましょうか?」


ユアさんはシブヤでやりたいことはないのかな?と思った時、シュウヤくんが話を回してくれる。


「ユアはやりたいことはないのか?」


「ワタクシは前にヒマリさんと話したのだけど、シブヤとは流行の最先端だと言われていたので、今流行しているものを見てみたいわ」


「シブヤってそういうところなんだね」


ヒナタくんが相槌する。


「ええ、ヒマリさんがそうおっしゃっていたのよ」


(ユアさんよ、お願いだから私の言葉を鵜呑みにしないでくれ)


私の知識はすべて正しい訳はないとは決して言えなかった。


「タクトは何か行きたいところはあるか?」


「特にはないかな」


「それじゃあ、ヒマリはどうだ?」


「私はユアさんと同じで流行しているものを見たいかな」


「ユイトは?」


シュウヤくんは一応イブキくんにも話を振った。


「ヒマリのやりたいことについていく」


「あら、ユイトさんはヒマリさんのこと好きなのかしら?」


私は思わず目を丸くする。

みんなも驚いたのか、顔を見合わせていたが、ユアさんは本気で聞いているようだ。


「だって、まるで従者みたいなことをするのって何かしら相手に好意がないと出来ないじゃない?


だからワタクシたちの関係だって、そんな感じよ。ワタクシは3人のこと大好きだから、一緒にいるの。

あなた達だってワタクシのこと好きですわよね?」


3人はユアさんの問いかけにほぼ同時にこくりと頷いた。


「ほら、そういうことよ」


(なるほど、友愛の方か。てっきり勘違いをしてしまった。こういう風に勘違いする言い方するのもなんかお嬢様っぽくて可愛い)


「ユアさんたちは素敵な関係性ですね」


私はユアちゃん全肯定オタクな発言をする。


「そうでしょう?」


「はい、本当に素敵です!流石ユアさんですね!」


ユアさんはとびっきりの笑顔を向けてくれる。

この顔を見るために私はユアさんを喜ばせたいんだ。


「ワタクシ、やっぱりヒマリさんのこと好きですわ。ワタクシの家族になって欲しいぐらい好きです」


「ユア、言いすぎだ」


シュウヤくんがユアさんのことを注意しているが、その言葉が入ってこないぐらい私は動揺している。


私は今プロポーズをされたのか?

ネタだとしても嬉しい。

もちろん可愛い女の子と付き合えるならOKするしかないと、私の男心がそう言っている。

だが、これを本気でOKと捉えられてしまったら困るので、丁寧にお断りする。


「そんな風に言って貰えるなんて嬉しいです。残念ですが、私たちじゃ家族にはなれないんです。

これからも"友達"のままでいましょう?」


「あら、残念!振られてしまいましたわ」


「私が男だったら付き合えたんですけどね」


「そうね!でも、ワタクシには婚約者がいるから結婚自体は難しいものなの」


「え!?婚約者がいるんですか!?」


驚愕の事実だ。

まあよくお嬢様は婚約者がいると聞くが(漫画やアニメ情報)、現実で婚約者がいる人とは初めて出会った。


「ご存知なくて?」


「はい。知りませんでした。

口説いてすみません」


「いいえ!この寸劇楽しかったわ。

またやりましょう」


これって寸劇だったんだ。

私は演技じゃなくてマジの反応だったんだけど、演技と捉えられてよかったのかもしれない。


4人は何を見せられたんだと呆れた顔をしてる。その反応は当たり前である。この世界に百合という概念は存在しなさそうだ。

すると、授業が終わってしまう。


「今日の放課後、カフェでお茶でもしながらもう少しお話しましょう?」


「そうですね!グループのみんなで話しましょう!」


イブキくんはその提案に嫌な顔をしたが断れず、残りの3人もユアさんの提案は拒否することは不可能なので、放課後は以前行ったユアさんのカフェで校外学習会議のお茶会が開かれることになった。

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