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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ルドルフのドレス

作者:木谷日向子
 ドイツのしずかな土地で生まれた双子の弟、リヒトとルドルフ。ふたりは互いがいなければ成り立たないほど仲の良い兄弟だった。

 ある日の晩、目覚めてしまったリヒトは、いつも隣りで眠っているルドルフがいないことに気付く。心配して邸の中を探すリヒトは、灯りの漏れた部屋に気付き、中を覗く。そこにいたのは、女物のドレスを着ていた弟・ルドルフの姿だった。
 リヒトは弟の思いもよらない趣味を知ってしまい、戸惑う。そんなリヒトに自分のありのままの姿を受け入れてほしいというルドルフ。だがリヒトは拒絶する。
 朝食の席で、いつもリヒトの隣に座るルドルフの姿が見えないと騒ぎになる。リヒトは嫌な予感がしていた。
 焦りを肌に覚えながら、ルドルフを探すリヒトであったが、中庭のみどりの池の中で、浮かんでいるひとつの影を見つける。
 それは、弟のルドルフが手首を切って自殺している遺体であった。着ている衣服は美しいドレスだった。
 リヒトは池の中に体を浸け、ルドルフを抱きしめる。そして弟に謝る。君は西洋のどんな女の子よりも綺麗だったのに、と。
 だが、どれほど後悔しても、許しの言葉を述べても、弟は帰ってこない。
 月日はめぐり、リヒトは18歳の大学生になっていた。
 2年次から彼の通うエリカ大学に入学してきた日本人の西園寺輝。朗らかで人好きのする輝に、リヒトは嫌悪感を覚える。一方、輝はうつくしいリヒトに不思議な魅力を感じつつも、どう接すれば良いのか、彼のことがわからなくなっていた。
 友人のクルトに誘われ、ふたりで学校終わりに映画を見に行く輝。
 そこで目にしたのは、男性同士がキスをするBL映画だった。
 クルトもそういった内容の映画だとは思っていなかったので、ふたりで戸惑ってしまう。
 別の日に、クルトに昼食に誘われた輝は、映画のことを改めて聞かれる。クルトは男に惚れる気持ちも、まぁわからんでもない、とリヒトのことを話題に出す。リヒトについて男女問わずだらしがないという黒い噂をクルトから聞かされる輝であったが、輝は気にはしなかった。
 このままリヒトとの関係にも進展が見えないと思っていた矢先、ある雨の日に小教室に忘れ物をした輝は、取りに戻ると、あかりもつけない教室にひとり残っていたリヒトとふたりになってしまう。
第一章 リヒトとルドルフ
第一話 リヒトとルドルフ
2025/01/10 14:58
第二話 夜の屋敷
2025/01/13 17:44
第ニ章 輝とリヒト
第一話 輝の新しい朝
2025/01/17 11:40
第三話 茜色の街灯
2025/01/20 08:54
第五話 リヒトのドレス
2025/01/23 00:27
第三章 ドレスにさよならを
第一話 九月と自転車
2025/01/24 20:20
第三話 ライトブルーの爪
2025/01/30 13:09
第四話 冬枯れる時
2025/02/01 12:55
第五話 あきらめきらきら
2025/02/04 14:15
第六話 月から降る雪
2025/02/05 15:29
第九話 並行な白
2025/02/11 08:16
第十話 彼らだけの蜜月 
2025/02/11 13:45
終章 ルドルフのドレス
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