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三題噺もどき3

隅にやる

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくろくじゅうなな。

 


 今日はあいにくの曇り空だった。


 天気が悪いと、私の部屋はいつも以上に暗くなるので電気をつけないと細かい作業ができない。何もしなければ、暗くても何も問題ないのだけど……何かをするには明るさがいる。ただでさえ目がそこまでよくないのだ。これ以上酷使をするような真似をしてはいけないだろう。まぁ、そこまで疲れるような事をするつもりもないのだけど。

「……」

 ちょっとした。

 気分転換がてらの、モノの整理をしているだけだ。

 少し前にあった母からの言葉を頭の中で反芻しながら、意識をそこから外すように別のことに集中する。個人的には、集中する作業がしたいなら、読書をした方が気分も落ち着くし、楽しいのだけど、残念ながら体調が芳しくない。この状態では読書には集中できない。

「……」

 だからと言って、何もしないままだと、永遠にいろんなことを引きずり出してくるので、何かをしていた方がいいのだ。

 その結果、ちょっとしたモノの整理でもしてみようとなった。

 引きこもっているばかりもよくないだろうと、午前中のうちに百円ショップにいって色々と買って来たので早速手を付けるとしよう。

「……」

 とりあえず、本棚の上に飾ってあるこまごまとしたものを片付けよう。

 そこには、ジャンル問わずのガチャガチャで得た景品が置かれている。

 キャラ物は少なくて、動物系が多い。

「……」

 それも、犬とか猫とか可愛らしい感じのモノではなくて。

 深海魚とか昆虫とか爬虫類とかの、フィギュアのようなものが並んでいる。

 こっちの方が多少値は張るが、好みで、たまに見かけて気に入れば回していた時期があったのだ。最近はめったに回さないけど。

「……」

 この辺りを見ると、妹にはその趣味は分からないと言われる。

 妹はどちらかというと、キャラ物だったり、エコバックとかポーチだったりを回している印象がある。いつだったか、レモンモチーフのミニポーチみたいなものを持ってきたことがあった。他に欲しいものがあったけど、これがダブったから上げると言って。ガチャの景品の割には使い勝手がいいので、それなりに重宝していた気がする。そのうち中身が破れて捨てたけれど。使い方が悪かったのかもな。

「……」

 しかし、この辺りも可愛いと思うんだけどな。リアリティがあって、とても好きだ。結構精巧に作られているから、もっていて気分がいいような気がする。本格的なものまではいらないが、この値段でこの精巧さのものが並べられるのだから、いい時代になった。……なんて思ってみる。

「……」

 並んでいるその生き物の中から、1つを手に取り、軽くホコリをはたく。

 あまり被らないようにと、定期的に掃除をしていたつもりだったが、案外汚れてしまっていた。やっぱりこういうのは、ケースとかに入れた方がきれいに保てるのだろう。

「……」

 そのために買ってきたケースがあるが、あまり数は入らなさそうだ。

 まぁ、そんなにあるわけじゃないから大丈夫だろう。最悪買い足せばいいのだ。

「……」

 買い物袋に入れたままのケースを出す前に、とりあえず全部いったんホコリを落としておこう。軽く掃う程度で良いだろう。とにかく汚れてさえいなければ、汚れが目立ちさえしなければ。それでいい。

「……」

 それが終われば、あとは並べるだけだ。

 買い物袋からケースを取り出し、値段がついているプラを外して。

 蓋を開けて、中に入れる。

「……」

 こう……うまい感じに入ってくれるといいが。

 なんとなく、そこまでこだわりはなくても綺麗に並んでいる方が気分はいい。

 ざっくりと種類分けをしたうえで、1つ1つ並べていく。

 最後に蓋をして、重ねられるタイプを買ったので、棚の上で重ねる。

「……」

 うん。

 これだけで、なんだか綺麗になった感じがする。

 他にも、ガチャを回したものはあるから、これで終わりではないけど。

「……」

 他のはほとんど、魚類。

 ……魚類ってなんかかわいくないな。魚系?なんていうんだろう。いろんな魚をモチーフにした何かって感じなんだけど。あぁ違う、逆か?食べ物をモデルにした魚……ん?

「……」

 まぁ、とにかく魚と食べものの合体からできたモノ。

 結構可愛いのでお気に入り。何個か机の上に置いておきたいけど。

 そのペースはあったかな。割と私の机は狭い。

「……」

 ま、今日も特に何もしないし。

 良い感じに気分が乗ってきたので。

 この辺りは全部整理してしまおう。

 母の言葉なんて、知らない。







 お題:分からない・深海魚・レモン

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