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アンリアル

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

狂ってないよ。普通だよ。


幼少期から言われ続けた言葉。変わっている。不思議ちゃん。まぁ、要は『普通とは異なる子』という言葉である。

最初の頃は嫌がって、気にしたものだが今はもう慣れた。人間の感覚は嫌なものは虚無へと落とす習性があるらしい。今はもう、何も感じない。


ニュースで有名人が不倫をしたらしい。SNSを開けば売春の話が流れ込んでくる。関係の無い第三者が、怒り、悲しみ、絶望の渦へと叩き落とされる。けれども。

「私は別に、誰が不倫しようが、体売ろうがぶっちゃけどうでも良いんだよ。少し変わっていると思うけれど」

不倫するなら最後まで騙し通せ。売春するなら相互に納得した状態でやれ。それが露呈したとしても、無関係の第三者が避難するのは論外である。それを態々報道して、拡散して、火が広がるのは、皆それ程に退屈なのか。

「まぁ、そんな事言うと『だから頭おかしいんだよ』とか言われるから黙るけど」

凝った体を伸ばすように筋肉を解す。態々争いの火種を自ら撒き散らす様な真似はしない。収集の付く場所でなら言うけれど。そう、今のように。

すると後ろから穏やかな声が飛んできた。

「君はやっぱり、アンリアルだと思う」

この『アンリアル』という言葉。どうにも彼は気に入っている様で、私を形容する時によく使う。意味的には、変わっているとか、不思議ちゃんとかの部類に入るのだと思う。

私は隣に腰掛けた彼に顔を向けると、一つの問いを投げかけた。

「率直に『頭おかしい』でいいよ。実際頭おかしいしね」

長らく付き合ってきて、彼はただの一度も私に対して『頭おかしい』、『イカれている』という言葉を使わなかった。気を使っているのだと思う。けれども、もう私達はそんな関係じゃない。

「僕がこの言葉を使うのは結構な拘りがあってね。昔聞いた曲が元なんだ。

その曲はね、狂人とその恋人の話。周りから後ろ指を刺される行いをしたけれど、彼女だけは受け入れてくれた。そして彼のことをこう形容したんだ。『アンリアル』って」

彼はそう言って、イヤホンの片割れを私に渡した。耳に差すと、爽やかなメロディが流れてくる。どろりとした物悲しい歌詞を、曲調の優しさで包み込む。まるで二人の関係のように。

「良い言葉だと思ったんだ。万人から外れた人間を、皆は『変人』やら『狂人』と定義するけれども、本当は大衆の意識がそうさせているだけだと思った。意識を変えてくれた歌だよ」

今まで私を大事にしない人と付き合って捨てられてたけれど、今は金貰ってるから最高。

という文言を目にしたんですよ。


この言葉を見た時に、昔聞いた曲を思い出したんです。

中々に悲しい歌詞なのですが、相手に対しての罵倒が一切ないんです。そして曲調がずっと優しい。

狂ってないよって。少し変わっているだけ。って。

そしてそれを纏めた言葉が『アンリアル』なんです。

※著作権に引っかかるので、変えてます。


頭おかしい って定義するのは簡単なんですけど、価値観が違うからという理由だけで、変人、狂人扱いさせない。という視点を与えてくれた曲です。


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