そのビー玉は私にとって大切な宝物
大切な物に値段なんて関係ない。
たとえ、人から見たら安っぽいものでも、その人にとって宝物ならそうなのだ。
「有名なお店のものでもないし、高級な素材を使ってるわけでもないのに、どうしてそんな物が宝物なの?」
「ヒビが入ってるし、珍しい色でも模様でもない、そんなもの宝物にする価値なんてないよ」
値段とか、あと珍しさとか、評判とか。
そんなもので皆は、価値を決めたがる。
「ちよちゃんには、おばあちゃんからとっておきの宝物をあげようね」
「ありがとう、おばあちゃん!」
「おばあちゃんと遊んだこのビー玉があれば、どこにいてもさみしくならないよ」
田舎のおばあちゃんの家に遊びに行った。その後。
帰りたくないとだだをこねる私に、おばあちゃがくれたビー玉。
小さなその球体には、たくさんの思い出が詰まってるから、離れていてもいつも思い出せた。
おばあちゃんと一緒に遊んだ思い出があるから、さみしくなんてならなかった。
「何が大切かは私が決めるわ。それを決めるのはあなたたちじゃない」
だから誰に何を言われても、私はそのビー玉を大切にし続ける。
ほかの人にはそうでなくても、わたしにとっては、大事な宝物だから。