表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すべてはハルヒから  作者: まっつん
6/8

あの自己紹介

 とにかくパソコンを触ることが好きだった私は高校ではパソコンの勉強をしたいと思っていた。

 ハルヒの影響か、私のもともとの性格かはわからないが普通科で普通の勉強をするのだけはいやだった。そこで選んだのは「情報処理科」のある高校だった。

 ハルヒを通して高校生活というものを見ていた私は、ハルヒみたいな女子がいたらいいな。まあいないだろうけど。と少し期待していた。

 ところが、私が進学したのは男子校だったのである。しかもめちゃくちゃ体育会系。さらに、それに気づいたのは入学式の時というマヌケっぷりだ。まずハルヒみたいな女子に出会うという夢はここで打ち砕かれたのだ。

 しかし今となってはこれも「普通ではない貴重な体験」だったのでこの道は決して間違いではなかったと思う。

 ともかく、ここでは「高校デビュー」をしたいと思っていた。そこで鍵となってくるのはなんと言ってもクラスメイトとの初顔合わせ時に行われる自己紹介だろう。

 自己紹介……。私の頭にはあの自己紹介しかなかった。

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら私のところに来なさい。以上!」

 自分の番になり立ち上がり、第一声を発するまでギリギリまで迷っていた。自己紹介にこれを使うか。

 そして、ついに私は中学と名前を自分のものに変えてそれを実行した。担任の先生は口をあんぐりと開け、前の席のやつはびっくりして振り向いていた。そして、クラスメイトたちのざわつきが笑い声に変わっていった。

 

 結果的にそれは大反響を呼んだ。

 ハルヒを知っている人が話しかけてくれたり、「俺宇宙人だよ」とか「俺未来人だよ」とか話しかけてくれる人もいた。更に言うと、とんでもない自己紹介をした奴がいるということで学年中にその名が轟いた。

 この自己紹介の時は普通の精神状態ではなかったのでまともな思考ができていなかったが、今思えばこれは恐ろしく危険な行為だと思う。こんな自己紹介をする奴など、一歩間違えればクラス中から総スカンをくらう可能性もあっただろう。まさに紙一重、綱渡り的なリスクのある自己紹介だった。

 ハイリスクハイリターンな行為ではあったものの、こういうことができたのもハルヒという存在と出会ったからこそである。私はますますハルヒに感謝することになる。


 あとから気づいたことだが、実はハルヒと同じ1年5組であり、席の位置もアニメ版のハルヒと同じ位置取りだった。私はこの自己紹介をする運命にあったのかもしれない。

次回

 いざ文芸部へ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ