1/1
「第1話 こうして俺は病人になった」
「俺と付き合って下さい」
こう俺は勇気を出して、一世一代の賭けをした。
「はぁ?」とその女。「な、何でしょうか?」と俺。
「初対面の女性にそんなこと言うか普通?」「え?」
「自己紹介するだろ、名前とクラス!」と女。
「あのー、同じクラスの桜木 しゅ」
「あー!桜木 はる君ね!」と女は納得しているが、
「いや、春って書いて 『しゅん』って読みます」
「・・・ん?、しゅん君?」「はい、春です」
「では、春君」「はい」「無理だわ、付き合えない」
「・・・・・・えぇー!」「だって、ダサいし」
「ぐっ」「賢くないし」「っ!」「運動も駄目だし」
「・・・」
俺は絶句した。俺のメンタルは、ボロボロになった。
そして、この日から俺はある病気になった。
治療困難な病気。
『異性恐怖症』である。