連絡網
「あ、アンナロッテさんちーっす」
「えろえろえろろろろろろろ!」
いきなり吐いたよこの人!本当に王女様?
「落ち着いて下さい。今日は別に怖いことないですよ?」
なるだけ丁寧に、優しく言ってみる。
「各国の首脳陣を拉致した挙句、その目の前で一国を更地にしてから、『自国がこうなりたくなけりゃ、喧嘩売るんじゃネーゾ?』って脅した双子がいましたよね!」
「王様拉致ったんでスか…」
「その上その場で『こいつ等隣の国に嗾けりゃ、俺等勝つるんじゃね?』ってチラッと思った王様を、大地に刺して埋めましたよね?」
「王様埋めたんでスね…」
「あと用が済んだら残った王様放置して、自分らだけ帰りましたよね!」
「王様置いてったんでスね…」
何だろう、ヨッカの親愛度が最低を限界突破した気がする。フラグ立て間違えたかな。まあアルのだから取らないけど。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃないですか。」
「ベイズの番頭巫女なんか、未だに貴方達の映像見ただけでおしっこ漏らすのよ!?」
「「それは黙っていてあげて下さい。」」
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「あ、セントラさん、ひさぶりっす」
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
番頭巫女さん崩れ落ちる。あ、アンナロッテさんの言ったとおりみたい。
「落ち着いて下さい。今日は別に怖いことないですよ?」
なるだけ丁寧に、優しく言ってみる。
「ぐすっ…ぐすっ…ホントですか?」
「ホントです。」
ソフィ姉が獣耳と尻尾をなでる。
「あっそれだめええええええええええぇ」
あ、違う意味で漏らしてる。涎とうれし涙でもう何がなんだか。連絡内容覚えてくれるかな?
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「エクス先輩お疲れ様ーっす」
「……こっちは今忙しい。用件は簡潔に頼む。」
「落ち着いて下さい。今日は別に怖いことないですよ?」
なるだけ丁寧に、優しく言ってみる。
ずいぶん不機嫌なようだ。まあ自国の男爵の屋敷が更地になってたら、びっくりするだろうけど。
自業自得だしね。簡単に用件を伝える。
「…用件はわかった。万が一の瑕疵については、どれだけ情状酌量の余地があるんだ?」
「「ごちゃごちゃ言うな、慈悲はない。」」
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「クレティアーゼ様、ご無沙汰しております。」
「あら、まあまあ、アルちゃんにウルドちゃんソフィちゃん。あんまり逢いに来てくれないから寂しかったのよ。あとアルはお母さんて呼んで頂戴。」
「落ち着いて下さい。今日はお願いがあって来たので。」
なるだけ丁寧に、優しく言ってみる。
「なに?なになに?お母さん張り切っちゃうわよ?他の人も馬車馬のように働かせてやるから何でも言ってね。」
「ありがとう、お母さん。」
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これより各国は、文字通り死に物狂いで千年エルフの保護を通達する。
ひとつ、人より悪行三昧