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ヨッカさんのひみつ

ヨッカは朝、日課にしている体重計に乗る。


「また、全然増えてないでス…。」


ため息とともに体重計から降りる。

朝ご飯のために全員とともに食堂に集まるが、無意識にまたため息をつく。


「どうしたの?ヨッカ。」


アルが心配そうに聞く。

何でも無い、そう言おうとしたら、ウルドに先に言われる。


「体重が増えないのが悩みみたいだよ。」


「見てたんでスか!?見てたんでスか!?乙女の秘密ををををををををををををお!!」


思わず襟元を掴んでわっさわっさと揺さぶる。


いつの間に?いや誰もいないのは確認してましたし!大体ウルドとソフィは庭で鍛錬してたはず!


「この屋敷の全てはぁ、ウルドの使い魔によって防犯のために監視されてるのよぅ。」


「えっ何処までですか?」


「全部ぅ。」


「えっ。」


「全部よぅ。トイレもお風呂も屋根裏も全部ぅ。漏れがあったら、警備にならないでしょぅ?」


「そそそそれはそうでスが、アルもソフィもそんな恥ずかしく無いんですか?」


「まあ、昔っからだしぃ、慣れもあるわねぇ。ちょっとでも邪な感情があったらわかるしぃ、その時は容赦しないしぃ?」


ウルドがちょっと遠い目をしてる。嫌なことでも思い出したらしい。


ていうか弟君がちょっと淡白な感じなのってお姉さんのせいじゃないの?


「濡れ衣よぅ?」


「読まないで下サい。その使い魔って何なんでスか?全部ってことはたくさんいるんでシょうが、私の耳にも引っ掛からなかったんでスよ?あ、防犯上言えないなら無理に聞きまセんけど。」


「んーまあ、聞いたところでどうしようもないから別にいいよ。」


そう言って手を振ると、赤い霧(・・・)が手の周りに現れる。


「魔霧って言う人工の魔法生物だよ。普段は透明になってて、屋敷全体を覆ってる。」


「それで一匹の生物なんでスか?」


「いや、水滴のひとつひとつ(・・・・・・・・・)が一体の生物だね。まあ一体だと大したことは出来ないけど。」


「なっ」


水滴一粒が一体の生き物!?屋敷を覆うくらいって何体になるの?億?兆?わからない。そんな数の生成と制御なんてどうやったら出来るの?


そこまで考えて、ミスリードされた事に気付いた。


「言い足りてまセんね?魔霧の展開範囲はこの屋敷だけじゃない(・・・・・・・・・・)、あのミモザの森の索敵をやったのが同じものなら、もっと広範囲に展開出来るはずでス。本当の監視範囲は何処までなんでスか?」


意外そうな顔をしてソフィと顔を見合わせるウルド。肩を竦めてこう言った。


「帝都全部だよ。」


背中がぞくり、となった。超越者、殲滅者。なるほど世界くらいあっという間に滅ぼせそうだ。


里の襲撃の犯人探しが早かったはずだ。この都市で秘密なんて持てない。全て把握されるのだから。


「て事は、セクシー入浴シーンも、しどけない就寝シーンも、全部見てくれているんデすね!今日からもっとくぱぁっとサービスします!くぱぁっと!どんどん悶々しテ、我慢出来なくなってくダさい!」


相変わらずお姉ちゃんが天才だった…っ。

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