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第五話「馬鹿」

第五話「馬鹿」


飛鳥「話って何だ?兎影?」


飛鳥(ここは校舎の裏の誰もいない場所。俺は兎影に呼び出されてここに来ていた。一体なぜ?)


キョウカ「神谷君、君に・・・話さなきゃいけないことがあったんだ。」


飛鳥「・・・。」


キョウカ「実は僕・・・、僕・・・、女の子だったんだ!」


飛鳥「!?嘘だろ!そんなこと!だって、風呂に入るときも一緒で、お前の・・・ナニも見ているんだ。いまさらそんな子といわれても信じられるわけ・・・。」


キョウカ「これでも信じられないって言うの?」


飛鳥(そういうと、兎影はおもむろにパンツを下ろし、俺に股間を見せた。・・・無い。そこにあった男の象徴がすっかりなくなっている!かわりに、割れ目みたいな物があった。それってつまり・・・)


飛鳥「ま、マジか。というかそんな物俺に見せて恥ずかしくないのか?」


キョウカ「本当は恥ずかしいよ。でも、僕達恋人同士じゃない。だから神谷君、君だけに見せたんだよ。僕のこの気持ち、わかるよね?」


飛鳥(ちょっと待った。俺たちいつ付き合い始めたっけ?そもそも俺たちってそんな関係だっけ?なんか記憶がごちゃ混ぜになってきた。というか、恋人だったらどこまで行ったんだ俺達は・・・。)


飛鳥「あ、ああ。分かる、分かるよ。ところでその・・・。キスしてもいいか?兎影。」


キョウカ「うん。もうこれで10回目だよ。やっとキスにも慣れてきたし、他の刺激もほしいな。」


飛鳥(というか、俺たち9回もキスしてるのかよ!聞いてないしやったこともない!・・・あれ?なんかまた記憶が・・・。そんなことはどうでもいい!俺は、まっすぐ兎影の唇に自分の唇を重ねた・・・はずだった。)





##################################







??「・・・・・・谷!神谷!おい、神谷!起きろ!」


飛鳥「んっつくちゅちゅっれろれろ・・・!?臭っ!!!!何だ兎影、歯磨いたのか?臭いぞ!」


熊田「歯を磨くのはお前なんじゃないか?神谷。授業中は寝るな!あと、キメラ(ひと)の尻をなめるな。」


飛鳥「え?!!!!!!!!!!!!!!!!!////す、済みませんでした!」


飛鳥(そうなのだ。俺が今まで見ていたのは全部夢だったのだ。兎影が女だったのも、キスしたのも全部、俺の幻。俺が実際にキスしたのは、兎影の唇ではなく、英語教師、ピッギー熊田先生(男)の尻だったのだ。当然周りから笑いが起きた。兎影も笑ってる。屈辱だった。)


熊田「どうせ彼女とキスしていた夢でも見ていたんだろ?彼女がいたらの話だな。Do you have a girl friend?」


周りの生徒達(笑っている)


飛鳥「ノーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


飛鳥(すっげー恥ずかしかった。)


熊田「だが、のんびり昼寝している暇は無いぞ、もうすぐ期末試験だからな。死ぬ気で勉強しないと、赤点を取ることになる。お前はもう、赤点と追試の経験はあるからな。次はそうならないように気をつけろ。」


飛鳥「・・・はい。」


熊田「では授業の続き。定冠詞からだな。」


飛鳥(そうなのだ。俺は前回の中間試験で、赤点を経験していた。しかも全教科。現代文、古文、数学、地理、歴史、化学、生物学、英語、英会話←当然人間と同じ教科だ。しかし、地理と歴史、生物学が違う。キメラの世界の地理、キメラの歴史、キメラの生態。俺が学んでも意味が無い教科ぱっかりだ。でもテストはテスト、いい点を取らないと追試が待っている。これは人間の世界と同じだ。キメラの世界に来ても、テストの呪縛には逃げられないのか、俺は。)


##################################



飛鳥(放課後。俺達人研部1年生は早速、赤点対策に乗り出した。)


オトワ「でも信じられないよな、前回の試験でクラスで赤点取ったのって俺たち4人しかいないなんてよ。これはなんか運命じゃね?特に神谷は。」


トロ「俺じゃないのかよ!」


飛鳥「兎影はどうして?赤点取るのなんて想像できないのに・・・。」


キョウカ「組の内輪もめがひどくてね、勉強する暇が無かったんだ。ごめん。」


トロ「というか、赤点を取っている俺たちが集まったところで、勉強がはかどるのか?むしろだめになる気がしてならないのだが。」


オトワ「何で俺を見るんだ?」


トロ「お前が勉強を見る振りして、何かしでかすんじゃないかって思うとなあ・・・。」


オトワ「何もしやしないさ、あ、もしかして焼いてるのか?」


トロ「べ、別にソンなんじゃねぇよ。お前が心配なだけだ。こういう性格だからな、お前。」


飛鳥「・・・ますます勉強がしづらい環境になった・・・。」


キョウカ「そうだ、先輩に勉強を教わったら?そのほうが効率いいし、監視とかも・・・。」


飛鳥「さすがだな、そういうところに頭が回るから、他のところにも生かしてほしいんだがな。」


キョウカ「ごめん。」


オトワ「ところで、どの先輩に見てもらう?俺の知ってる先輩なら、どれも最悪なんじゃないか?」


他の3人「確かに。」


飛鳥(ちょうどそこへ金印部長が通りかかった。)


カオル「あら~、みんなそろって何やってるの?もしかして、今度の期末試験の勉強の計画を立てていたりとか?」


キョウカ「部長、部長は意外と成績がいいって聞いたんですが、どうやって勉強しているんですか?」


カオル「そりゃ決まってるじゃない!い・ち・や・づ・け・よ!」


4人「え?」


カオル「テスト前日に一気に勉強する。それが私流よ!」


飛鳥「それじゃだめなんです!俺達はじっくり勉強して、分かるまでやってみたいんです。そうしなければまた追試受けないといけませんし。」


カオル「そうね、私のやり方じゃあなた達の参考になるはずも無いもんね。それじゃ、生徒会長に相談してみたら?」


オトワ「生徒会長に?でも生徒会長って、人研部とは敵対していたはずじゃ・・・。」


カオル「テスト勉強なら、部活関係ないから快く勉強を教えてくれるんじゃないかしら。私の考えだけど。」


シハク「話は聞かせてもらいました。」


全員「か、会長!いつの間に!」


飛鳥(金印部長の後ろに立った人物・・・いや、キメラこそ樹芽羅学園生徒会長、鼓舞象シハク先輩だった。彼は規律と風紀に厳しく、学園を統率しているすごい(キメラ)だ。ちなみに象とコブラのキメラらしい。発動したところは俺はまだ見ていないが・・・。)


シハク「あなた方が望むのならば、私は快く勉強を見てあげましょう。」


飛鳥「ありがとうございます!助かりまし・・・。」


シハク「ただし、神谷飛鳥君!アナタはだめです!」


飛鳥「何でですか!」


シハク「勘違いしないでください。私はキメラの生徒の勉強を見てあげるといったのです。人間のアナタには関係ありません!」


飛鳥「・・・どうして・・・。」


シハク「あなたみたいな人間は、この学園には要らないんです!」


飛鳥(何でだ?何で会長は人間のことが嫌いなんだ?俺は、どうしてキメラと仲良くしちゃいけないんだ!?)








←続く

今回はテスト編の第1回目です。次回、このシリーズでもうヒトリのヒロインが登場します。

お楽しみに。

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