表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/30

第三話「事件」

これまでのあらすじ。

ひょんなことから飛鳥はカオルから買い物を頼まれてしまった。

そして成り行きで、ウニと買い物へ行くことに。そして怪しい影も・・・。

第三話「事件」


飛鳥(金印部長の無茶振りな指令で、俺は真城先輩と一緒に、お使いに行くことになってしまった。で、ここは学園の近くのスーパー「カタツムリチェーン」。俺の世界でもあるスーパーで、後で聞いた話だが、実はキメラの世界が発祥のちなんだそうだ。知らなかった・・・。夕方なので、たくさんの女性が買い物に来ている。)


飛鳥「なんだ、キメラだっていっても、買っている風景は人間とあまり変わらない・・・!?え?」


ウニ「そんなことはない。みてみろ。」


飛鳥「あああ、足!足がタコの足に!そして商品を片っ端から入れてる!で、首が後ろ向いた!うわあっ!あっちは舌で舐め採ってかごに入れてるし!って、お尻からなんか糸が出てるし!」


ウニ「これがキメラ流の買い物の仕方だ。見るのも嫌になる。」


飛鳥「相当嫌いなんだな、キメラのこと。あの、先輩はどうしてキメラのこと・・・」


ウニ「訊かないでくれ!迷惑なんだよ。俺は、それを訊かれるのが大嫌いなんだ。例えそれが、神谷君であっても。」


飛鳥「先輩・・・。」


飛鳥(そして何とか言われた物を買った俺達は、スーパーを後にした。そして、その帰り道・・・。)


ウニ「すまないね。会計やらせてしまって。」


飛鳥「いいんすよ、先輩の頼みですから。後輩の俺が先輩を助けてやらないと。」


ウニ「ありがとう。一つ借りが出来てしまったな。」


飛鳥「そうですね。あっ!」


ケンスケ「あいってぇ!」


飛鳥(不意に俺は、誰かとぶつかってしまった。)


飛鳥「すみません・・・!?」


ケンスケ「何がすみませんだあ?痛かったじゃねーか!」


飛鳥(なんか見るからにチンピラな男キターーーーー!!リーゼントにアロハシャツ、グラサンにタバコなんて、典型的チンピラじゃないかーーーーー!!!)


飛鳥「ひいいいいいいいいいい!!!!!ごめんなさいごめんなさい!」


ケンスケ「ごめんなさいじゃ済まさねーんだよ!どう落とし前つけてやろうか、ああ?ん?よく見たらお前・・・人間だな?じゃあなおさらゆるさねぇ!」


飛鳥「あばばばばばばばばばばばばば!!!!!」


ウニ「神谷君、こっちへ。」


飛鳥「先輩?」


飛鳥(すると先輩が俺を抱きしめて後ろを向いた。次の瞬間、先輩はくるっと団子虫みたいに丸まった。先輩の体は、硬い甲羅みたいな物に包まれてしまっている。正面は除いて。俺は正面で抱きしめられているので、ごつごつした感触はしなかった。つまり・・・。)


ケンスケ「ん?キメラの能力を使ったな。かめかアルマジロだな、甲羅で身を守るのは。馬鹿にするんじゃねぇ、このケンスケ様のパンチは甲羅よりも固いんだぜ!」


飛鳥「わあああああああ!」


飛鳥(ケンスケと名乗ったチンピラのパンチが来る!と!?)


グサッ!!!


飛鳥(何かが刺さる音がした。)


ケンスケ「ぐああああああああっ!!甲羅からとげが生えた!もう一つの能力だな。おもしれぇ、サブ、ハチ、こいつのとげを全部切り落とせ!」


サブ・ハチ「へい、兄貴!」


ウニ「いけない!神谷君、逃げるよ!」


飛鳥「逃げるっていってもどうやって?」


飛鳥(そういっているうち、ケンスケの子分はキメラ能力を発動したらしく、一人はカマキリの腕とイグアナの尻尾、もう一人はカニの腕とイグアナの尻尾が生えた。明らかに真城先輩を狙っている。)


ウニ「この状態だから、転がって逃げるに決まってるじゃないか!」


飛鳥「ええええ!!?俺はどうなるんすか!?」


ウニ「耐えてくれ。できれば吐かないでほしい。」


飛鳥「無茶言わないでくださいよ!ってわっ!」


飛鳥(俺が言ってる最中に、先輩は転がり始めた。)


ケンスケ「あ、こいつら逃げやがった!追いかけるぞ!」


サブ・ハチ「へい、兄貴!」


飛鳥(チンピラたちは執拗に俺達を追いかけてくる。しかし、先輩が転がって逃げているので、こちらのほうが断然早い。)


飛鳥「ちょっと眼が回りますけど、余裕で逃げられるじゃないですか?このまま学園まで逃げましょう!」


ウニ「・・・そうしたいんだけどなあ、実はこの方法、あまりよくないんだ。」


飛鳥「なぜっすか?」


ウニ「まっすぐしか進めない。」


飛鳥「マジで!?」


ドカッ!!!


飛鳥(その後、俺達はT字路にぶつかってしまい、チンピラたちに追いつかれてしまった。)


ケンスケ「はぁ、はぁ。やっと追いついたぜ、坊ちゃんよぉ。落とし前の続きやろうや。この俺に抵抗するんならなあ、ただじゃ返さねぇぞ。やっちまえ!」


サブ・ハチ「へい、兄貴!」


飛鳥(そういって、ケンスケの子分は、キメラ能力を発動したまま、俺達に襲い掛かってきた!)


飛鳥「今度こそもうだめだ!」


ウニ「・・・・!」


飛鳥(と、そのとき・・・)


サブ・ハチ「うわああああああああああ!!!」


飛鳥(子分たちがなんか触手のような物に巻かれて、宙に浮いてしまった!)


ケンスケ「ど、どうしたんだお前ら!?」


サブ「あ、兄貴ぃ、助けてくれぇ!」


ハチ「なんか触手のような物がああああああ!!!」


ケンスケ「くそったれぇ、何者だ!?」


飛鳥「あ・・・。」


ウニ「ホロ君!」


飛鳥(その先輩は、何もないところからスーッと現れた。いつも縛ってある銀色のロングヘアはほどけて、触手のように伸びて、その子分たちを捕まえてくれていたのだ。先輩のキメラ能力だ。)


ホロ「何者って・・・ただの高校生だけど。キメラの。」


飛鳥(亀貝ホロ先輩。2年生で、真城先輩のルームメイト。同じ人間研究部で、かなり影が薄く、出席しているのかしていないのか、よく分からない。ただ怒らせると、かなり怖い。俺でも殺されそうになったくらいだから。)


ホロ「ウニ君を傷つけるようなやつは、僕が許さない!この場でシメる!」


飛鳥(その顔は、普段から想像が付かないくらいの形相だった。って、俺は?俺はこれからどうなるんだぁ?)






←続く。

いかがでしたか?

今回の内容は、オリジナル版をちょっとだけ改変したバージョンになっています。

いろいろ後で加えましたので、追加設定なども兼ねています。

内容は変化していませんがね。

どう変化したのかは、オリジナル版を合わせてみれば分かります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ