第二十話「嵐の前に」
続きです。
第二十話「嵐の前に」
レヱロ「お前も研究熱心だね。今度は何の研究をしてるのかな?」
ハクビ「ふたなりキメラの研究だ。」
レヱロ「ふたなり?あの伝説の?記録があんまり残っていないから、無駄だと思うよ。」
ハクビ「いや、俺は諦めないね。研究は遂行する!何があってもな。」
バン!!!
二人「!!!!何だ?扉がひとりでに・・・。」
ホロ「僕が開けたんだ・・・。そのキメラを調べるの、やめてくれない!?」
ホロ(すべては、僕とウニ君の秘密を守るため・・・。)
ハクビ「E組の亀貝、何でそんなことをお前が言いに来たんだ!?」
ホロ「なぜって、もちろん・・・僕が「ふたなり」だからさ。」
レヱロ「何だって?それじゃ、本当に・・・。」
ホロ「僕には男性器も女性器もある。」
ハクビ「そうか、なら書籍で調べる手間が省けたな。こっちへ来い、亀貝!!!」
ホロ「断る。君達は、僕たちを調べようとしていた。でも僕らはそんなの、絶対許さない。君達は僕らの気持ちを全然知らない。これまで、僕たちがどれだけひどい目にあってきたのかを知らない。そして今、また僕たちを陥れようとしている。」
レヱロ「佐藤は何もお前を陥れることなんてしないよ。ただ、調べたいだけで。」
ホロ「調べないでほしい!僕らにとって迷惑だ。」
ハクビ「おい、僕らって言わなかったか?まさか、他にもふたなりがいるのか?」
ホロ「・・・(頷く)」
ハクビ「まさか、お前と同室の真城とか?」
レヱロ「この学園に2人もふたなりがいるってことになったら、ちょっとした話題になるよ!!」
ハクビ「そこのところどうなんだ!?はっきりしゃべれよ!!」
ホロ「僕はただ、研究をやめさせるためにきたわけで、公表するために来たわけじゃない。だから今はしゃべらない。それ以上は言わない。」
ハクビ「そうか、それなら仕方がないな・・・。」
にょき
レヱロ「佐藤から蟻のあごが生えた!そして、亀貝をそれで捕まえた!」
ハクビ「お前だけを調べ上げてやる!いわゆる人質ってわけ・・・!?触手!?」
ホロ「シメルよ。」
レヱロ「意外!それは髪の毛(ツキヒの影響)!今度は佐藤がぐるぐる巻きになった!」
ハクビ「形勢逆転したつもりか?惜しかったな。お前は俺から逃げられない、このあごからは簡単に逃れられない。つまり、この触手攻撃はやっても意味ないってことだ。」
ホロ「締め上げるよ。」
レヱロ「亀貝も負けていない!どっちが勝つんだ?」
2年生ほぼ全員「何の騒ぎだ?」
ホロ「!しまった、ドアが開けっ放しで、話し声がまる聞こえだった!!!」
ハクビ「おお、みんな聞いてくれ、話したいことがあるんだ。とりあえず、全員談話室に来てくれ。あと、真城もついでに呼んできてくれ。」
ホロ「大変なことになってきた・・・。」
ホロ(そのまま僕とウニ君は連行され、2年生寮の談話室に2年生全員が集まる事態になってしまった。ちなみに談話室は食堂を兼ねていて、結構広い。)
A組委員長…光代ヨシミ(みつだいよしみ)(グレートデーンとミツバチのキメラ。)「それで、僕たちをココに集めた用件は何だい?」
B組委員長…倉塚ヨチジ(くらつかよちじ)(蓑虫と蜘蛛のキメラ。)「くだらない話だったら、乗らないね。そして千田、お前は「なぜ俺も付き合わなければならないんだ?」という。」
C組委員長…千田タスロウ(ちだたすろう)(チーターとヒトデのキメラ。)「まったく、なぜ俺も付き合わなければならないんだ?・・・ハッ!」
D組委員長…笹江川ベタ(ささえがわべた)(サザエとベタのキメラ。)「ワンパターンなんすよ、口癖。って佐藤、お前また変な研究を始めやがったな。」
ハクビ「変じゃない!俺は真面目だ。」
E組委員長…小森レッド(こもりれっど)(コモリガエルとテントウムシのキメラ。)「それから真城に亀貝、何で君達はそいつに捕まっているんですか?」
ホロ「ごめんウニ君、守ってあげられなかった。」
ウニ「いいんだ、こうなることは分かっていた。」
F組委員長…奄美イマ(あまみいま)(ヤドクガエルとカタツムリのキメラ。)「さっさと本題に入ってくれ。」
G組委員長…夜爪マワル(よづめまわる)(モグラとサラブレッドのキメラ。)「ZZZZZZZZZ・・・・・。」
H組委員長…臼井カナメ(うすいかなめ)(オオイヌノフグリとシベリアンハスキーのキメラ。)「始まってますよ。」
マワル「え?」
ハクビ「えー、2年生を全員呼び出したのは他でもない。ここにいるE組の真城ウニ、亀貝ホロ。この二人はキメラ生態学において、超貴重な存在だというのが発覚した。それを知らせたいからだ。」
ベタ「生態学において超貴重だと?それは聞き捨てならないっすね。」
D組副委員長…狭間ソラ(はざまそら)「俺にも教えろ、佐藤!」
ハクビ「この二人は、「ふたなり」キメラだ。」
全員「な、何だって!!!」
ヨシミ「そんなわけないよ、ふたなりなんてただの伝説に過ぎない。」
ヨチジ「いや、紳士の坊ちゃん、世の中には俺たちキメラよりも不思議なことが起こってもおかしくない事だってあるんだぜ。多分。」
B組副委員長…淡島リアス(あわしまりあす)「根拠はないのか。」
イマ「そういえば、この二人のいずれかが何か黒い袋を買ってきたところを見たことがある。」
F組副委員長…水野カイト(みずのかいと)「中身はまさか、あれか。あれに違いない。」
マワル「それじゃ、彼らは本当に・・・。」
G組副委員長…鉄野シカク(てつのしかく)「ああ、間違いない。本物のふたなりだ。」
A組副委員長…玉殿イリヤ(たまとのいりや)「事態は深刻になってきたのぅ。」
一同
ハクビ「静かにしろ!そこで俺は、たまたまふたなりキメラの研究をしていたから、都合がいいと思い、この二人を研究材料にしたいと考えた。」
ウニ「馬鹿を言うな!俺らはお前の材料になりたくない!俺らはもうこれ以上、いじめや罵りを受けたくないんだ!ふたなりというだけで、こうやって見世物にされたり、馬鹿にされたり、暴力を受けたり・・・。」
ホロ「僕たちはそうやって今まで生きてきたんだ、どんなに苦しかったことか。ウニ君はキメラ不振になり、小学校高学年から引きこもるようになった。僕だって悪くないのにいじめっ子にされて攻められた。やりすぎも原因だけど。」
ウニ「佐藤、これでもお前は俺らを材料にしたいのか?」
ハクビ「もちろんだ。お前達の過去なんて関係ない、俺の研究のために役立てる貴重な存在だからな。という訳で、こいつらを材料にしていいかどうか、決を採りたい。」
ヒャクエ「あの~それは生徒会の僕の台詞です。」
カネム「いまさら遅いんじゃないかい?今まで前に立たなかったからね。」
ヒャクエ「そんなああああああああ!!!」
ウニ(そういうわけで、決を採った結果、A、C、E、G組は反対、B、D、F、H組は賛成だった。)
カナメ「研究のためなら、仕方ないです。」
ヨチジ「面白いから賛成で。」
ベタ「同じ組だから、協力するっす。」
ハクビ「ありがとうな。」
ヨシミ「キメラ人権の侵害になる、僕は賛成できないな。」
レッド「同じ組として、放っては置けません。」
タスロウ「これ以上、つらい目にはあわせないぜ。」
ウニ「ありがとう。」
カネム「またばらばらだね、ヒャクエ君。」
ヒャクエ「・・・・見事に2分の1になってしまったので、決着は球技大会で付けたらどうでしょうか?」
ハクビ「あ、その手があった。」
ホロ「それじゃ、球技大会で反対派が勝ったら、この話は白紙ってことでいいね。」
ハクビ「絶対に負けないからな!覚悟しておけ!」
レヱロ「賛成派になっちゃったけど、まあ、どうでもいいや。なるようになれ。」
ウニ(球技大会という嵐の前に、こうして俺たちは変な因縁をつけられてしまった。3年生は、因縁とかないんでしょうか?)
シハク(実は、3年生でも、負けられない因縁があったんです。)
←続く。
いかがでしたか?
ウニとホロの秘密が明らかになりました。因縁のための後付設定のように思われますが、実は最初から考えていたりします。
あと、2年生の委員長達も出しました。詳しいキャラ設定は私のブログのほうにも載せていますが、いずれこちらのほうにも書くつもりです。お楽しみに。