第十七話「ヒヨリとフウリ」
前回までのあらすじ
飛鳥、マリア、フウリは偶然ながらも出会ってしまった。
飛鳥に嫉妬したフウリは、彼を攻撃するが、マリアに制裁される。
傷ついた飛鳥と入れ替わりに、フウリの悪友、ヒロオたちがマリアの前に現れるのだった。
その頃・・・?
第十七話「ヒヨリとフウリ」
ヒヨリ「今日もとなりの学園に、遊びに行こうかな~?」
ヒヨリ(私は葵夜酉ヒヨリといいます。聖キメラフィーネ女学院に通う、高等部1年生です。ちなみに双子で、兄のフウリ兄さんは、となりの樹芽羅学園に通っています。今私が、樹芽羅学園に行こうとしているのは、兄さんの様子を見に行くのではなく、もっと別の目的があったからです。それは・・・。)
シスター峰岸「あら?あなたは確か、1年の葵夜酉さん。これからどこへ行こうとしているのですか?」
ヒヨリ(私に話しかけてきたこのシスターは、峰岸ルミ学院長。学院を統率している女帝で、規律に厳しいタカとチーターのキメラです。ココは何とかやり過ごさないと・・・。)
ヒヨリ「ああ、シスター峰岸、ごきげんよう。兄に用事があって、これから会いに行くんです。二人で最近の学園生活について、話し合ったりするんですよ。」
シスター峰岸「シスター・セシリアから聞きましたが、あなた、ココ最近理由を話さずに、学院の外へ行くらしいですわね。副会長の鏑木さんは、ちゃんと理由を話した上で、外出をしているというのに・・・。」
ヒヨリ「すみません!これから実行します。これからは、理由を述べた上で、外出します!」
ヒヨリ(私はそういって、学院長に背を向けて去ろうとしました。すると、)
シスター峰岸「くれぐれも、嘘の理由で外出はしないようにね。嘘をつかれて勝手に出歩かれるのは、言語道断です!」
ヒヨリ「はい!」
ヒヨリ(しょうがない。ついでに兄さんのところへも挨拶に行くか・・・。)
ヒヨリ(私の別の目的。それは、片思いの相手の様子を見に行くという物でした。いつも登校するときに、彼の姿を見かけ、一気に一目ぼれしてしまった私。他のキメラとは明らかに違う雰囲気で、どことなく優しい空気に包まれた彼・・・。私はそんな名も知らない彼をしつこく追いかける癖がついてしまったのです。)
ヒヨリ「というわけなので、キメラ学園のほうに行ってきます!」
シスター・セシリア「そう、何かトラブルを起こさないように。それから、キメラ学園では今年、人間の新入生を採ったらしいです。くれぐれも人間と恋愛をしないこと!いいですね。」
ヒヨリ(面会所警備員のシスター、セシリア・エレンフィール(スズメバチとイノシシのキメラ)に許可をもらい、私はキメラ学園に向かいました。)
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ヒヨリ「あの人は決まって、この保健室に来るんだよね・・・。今日も来るかなあ?」
ヒヨリ(私は保健室の壁に隠れ、あの人が来るのを待っていました。が、今日は待っても待っても、彼は来ませんでした。)
ヒヨリ「あれ?おかしいな。今日はお休みなのかな?」
ヒヨリ(と、そこへ・・・。)
キョウカ「何してるの、君?・・・キメラフィーネ!!鏑木さんと同じ!」
ヒヨリ(他の生徒に、私の姿を見られてしまいました!どうしよう!?って、何でこの人、鏑木さんのこと知っているの?まさか、彼女のボーイフレンドとか?)
キョウカ「あ、あの・・・君は?」
ヒヨリ「あ、私は聖キメラフィーネ女学院1年、葵夜酉ヒヨリです。あなたは?」
キョウカ「僕は兎影キョウカ。今、保健室に向かうところだったんだ。君も保健室に用事があったの?」
ヒヨリ「え?あの、私は別に・・・用事なんて」
キョウカ「じゃあどうして保健室の前にいたの?誰かを待っているとか?」
ヒヨリ「・・・///。」
ヒヨリ(すると、保健室の扉がガラッと開いて、)
飛鳥「失礼しました!」
ヒヨリ(彼が出てきたのです!先に保健室にいたとは・・・、骨折り損の何とやらです。)
飛鳥「ん?キョウカ、どうしたんだ?」
キョウカ「飛鳥、実は保健室の前で、この子に会ってね・・・誰か人を待ってたみたいだけど、誰を待っていたのか、教えてくれないんだ。」
ヒヨリ「・・・。」
飛鳥「あ、お前は葵夜酉!お前よくも俺の顔に傷をつけてくれたな!!!まだ俺が憎いか!人間だから、鏑木さんとお付き合いがあるから!!」
キョウカ「ええええええええ!!彼女がそんなことを!?」
ヒヨリ「ひっキメラ(ひと)違いです!」
飛鳥「彼女って、女ああああああ!?葵夜酉フウリじゃないのか!?」
ヒヨリ「彼は私の兄です!私は何もしてません!」
飛鳥「まさか変装して、声色とか変えていたりしないか?」
ヒヨリ「違います、私達は正真正銘双子です!ほ、ほらっ!!」
ヒヨリ(そういって、私は恥ずかしいけれど、女であることを証明するため、胸元を見せました。)
キョウカ「作り物じゃないよね?本物の女の子だ。」
飛鳥「星型のほくろがある・・・。どこかの未来人みたいだな。大きさは、鏑木さんほどじゃないけど。彼女のほうが大きい。」
ヒヨリ「信じてくれましたか?」
飛鳥「ああ、誤解して悪かった。素直に謝るぜ。って、いつまで見せてるんだ、さっさとしまえよ!///」
ヒヨリ「あ、ごめんなさい。ところでなぜ、鏑木さんをご存知なのですか?あと、お付き合いがあるとかいってましたけど。」
キョウカ「鏑木さんは、ここにいる神谷飛鳥君の命の恩人なんだよ。彼女のおかげで、彼の今があるというか。」
飛鳥「命の恩人は大げさだろ!テスト期間の間、勉強を教えてくれた、それだけのお付き合いだ。でもな、どう勘違いしたのか、お前の兄さんが、俺に恨みを持って、攻撃してきたんだ。人間の癖にキメラの上に立つな都とかいってさ。」
ヒヨリ「ということは、神谷君!?あなたはその、人間?」
キョウカ「うん、飛鳥は人間だよ。」
ヒヨリ(そんな・・・人間と交際はするなって言われたばかりなのに、私は、私は、私は人間に恋してしまったの!!!!!!!?)
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ヒロオ「お前、人間に勉強を教えたそうじゃあないか。なぜだ?なぜ人間に勉強を教えるッ!?」
マリア「かわいそうだったからです。人間もキメラも困っていたら私は、わけ隔てなく勉強を教えるつもりです。」
ヒロオ「人間なんて、キメラよりは下の生き物じゃないか!」
マリア「人間は、キメラよりすばらしい能力をたくさん持っています!キメラ能力を持っていなくても、私は人間の味方をします!」
ヒロオ「お前は馬鹿か!?俺は絶対人間を見捨てるね、人間がキメラの上に立ってたまる物か!」
コゴロウタ「どうするほーらい?この子わからずやだよ。」
メイイチ「お仕置きの一つや二つ、やらないといけないよね。」
ハルキ「だって、人間の肩を持ったんだもん、当然やらないといけないよね。でも相手は女の子だよ。」
ヒロオ「女だろうと、構う物かッ!こいつは俺たちを侮辱して、人間の肩を持ったんだ!許すわけには行かないんだよぉ!」
フウリ「ヒロオ君が、鏑木さんの肩をつかんで、指を立てた!ま、まさか!」
マリア「!!」
コゴロウタ「女のほうが、ほーらいの肩をつかんだ!」
ブスッ!
ガブッ!
フウリ「こ、これは・・・、」
メイイチ「互いに」
ハルキ「血を・・・」
全員「吸いあってる!!!!!!!!」
←続く
いかがでしたか?
次回は、マリアたちに救いのキャラが訪れる?