表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/30

第十六話「二人の出会い」

前回までのあらすじ

飛鳥とフウリはスタメンから落ちてしまった。

第十六話「二人の出会い」


マリア(私は鏑木マリアと申します。今日は球技大会のスターティングメンバーが決まるというわけで、放課後、シハク様の様子を見に来たわけだったのですが、そこへ行く途中で、神谷さんと出会うことになってしまいました。その出会いは、こんな風に訪れました。)


飛鳥(スタメンから俺は落ちてしまった、くじ引きだから運がよかったら入るだろうと軽い気持ちでひいてしまったが、結果は外れ・・・俺はキョウカと一緒にプレイすることが出来なくなってしまった。俺だけ仲間はずれか・・・。)


フウリ(屈辱のスタメン落ち・・・、これで俺は、あの人間に復讐することができなくなってしまった・・・。ヒロオ君たちはスタメン落ちてないよな?いや、絶対に入ってる。あいつらなら絶対。)


マリア(そして私達は曲がり角で偶然出会いました。私から向かって正面に来たのは、神谷さん。そして、右の曲がり角から、もう一人の方が来たのでした。)


マリア「あ。」


飛鳥「あ。」


フウリ「あ。」


飛鳥「鏑木さん、久しぶり。」


マリア「ごきげんよう、神谷さん。そしてこちらの方は・・・?」


マリア(その方は、なぜか壁の後ろに隠れて、こちらの様子を伺っていたのでした。)


フウリ「う・・・。」


飛鳥「あ!お前はいつかの奇声を発している中にいたやつ!つーか、なんで隠れてるんだ?用がないんだったら、素通りするのによ。」


フウリ「うぐぅ・・・、ぴぃ。」


マリア「何らかの理由がありそうですね。」


フウリ「な、なんでもないです!」


飛鳥「じゃあ、何で隠れるんだ?」


フウリ「・・・。」


マリア「ちょうどいいですわ、この方も交えて、少しお話をしましょう。」


フウリ「な!」


飛鳥「え?いいのか、鏑木さん!こいつは変なやつだぞ。俺もあんたも初対面だろ?そんなやつと話をするって言うのかよ!?」


マリア「ええ、私達に興味があるみたいですし、シハク様と出会うにも、まだ時間がありますし。ちょうどいいじゃありませんか。」


飛鳥(鏑木さんの顔は、輝いていた。学校では孤独に過ごしているから、なおさら人と話すことがうれしいのだろう。まぶしかった。)


フウリ(笑っている・・・鏑木さんが笑っているっ!今までうつろな顔しか見せていなかったのに・・・どうしてこの人間の前では、笑っていられるのだろう?なんか、悔しい。)


マリア(そして私達は、中庭に移動し、話を始めました。ベンチに男2人と女1人。私は真ん中に座りました。右に神谷さんそして左は・・・。)


マリア「あの、あなたは?私は・・・」


フウリ「知ってます。鏑木さんですよね?俺は葵夜酉フウリです。」


飛鳥「何敬語使ってるんだよ、俺たち同じ年だろ?変に改まる必要ないだろ?」


フウリ「でも、相手に失礼ですし・・・。それに」


マリア(その時、葵夜酉さんが少し私のほうを向いて、すぐに正面に向き直りました。)


飛鳥(何だこいつ?まさか、鏑木さんのこと、好きなのか?ちょっと赤くなってたし。)


マリア「今日、球技大会のスターティングメンバー発表だったんですってね。どうだったんですか?」


飛鳥「落ちた。」


フウリ「何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!それじゃ、俺たちの人間への復讐作戦が水の泡じゃねーか!!!」


飛鳥「!!!!!お前・・・。」


マリア「!!!!あなた・・・。」


フウリ「ハッ!!」


飛鳥「復讐するって、どういうことだよ!詳しく話せ!」


マリア(神谷さんは思わず、葵夜酉さんにつかみかかりました。その瞬間、葵夜酉さんはキメラ能力を発動し、神谷さんに襲い掛かりました!右に、左に、パンチを繰り出します!)


飛鳥「痛ッ!!なにするんだ!やめろ!いだっ!!」


フウリ「球技大会で復讐できないのなら、ココでやるしかないだろ!!お前が学年1位取るからいけないんだ!お前がっ!!」


飛鳥「だからっていって、暴力で解決することはないだろう!!やめろ!!」


フウリ「やめろって言われても、この思いは、抑えられない。こうでもしないと、鏑木さんは・・・」


フウリ(俺の物には、ならない・・・。)


マリア「やめてください!」


マリア(思わず私は、彼らの前に立ちはだかり、葵夜酉さんに向かって、キメラ能力を使いました。)


フウリ「!何だ?体の力が抜けて・・・。」


飛鳥「おとなしくなった。鏑木さん、今のは?」


マリア「私のキメラ能力で、一時的に眠らせたのです。怪我はありませんか?」


飛鳥「顔に切り傷がいっぱい出来ちゃった。保健室に行って、手当てしてもらってくる。」


マリア「私の歌で、癒すことが出来ますが。」


飛鳥「いつも鏑木さんの世話になってると悪いから、今日は遠慮しておくよ。」


マリア「そうですか、この方、どうしましょう?」


飛鳥「ほっとけ、ココに寝かせておいたら、しばらくしたら起きるだろう。じゃ、俺はこれで。」


マリア「ごきげんよう。お大事に。」


マリア(しかし、私は放って置けませんでした。結局私は、シハク様のところへ行くのは諦め、しばらく彼のそばにいてあげました。)


フウリ「・・・ヒヨリ・・・。」


マリア「寝言でしょうか?ヒヨリって誰なんでしょうか?そういえば、学院で同じ顔を見かけたような・・・。」


フウリ「ヒヨリ!ッてあれ?あっ!!」


マリア「おはようございます。よく眠れましたか?」


フウリ「あの人間は!?」


マリア「帰りましたわ。あなたを送っていけばよかったのに。でも彼は、それを望みませんでした。」


フウリ「そう、ですか。」


マリア(彼は立ち上がりました。)


フウリ「帰ります。」


マリア「付き添いましょうか?」


???「その必要はない。」


フウリ「!!!ヒロオ君!?それからみんな!」


ヒロオ「うりぃ・・・。ようやく会えたな、人間の味方をしたキメラの女ぁ。」


マリア「!!!!」


マリア(突然、葵夜酉さんの知り合いらしき生徒達が、私を取り囲みました!一体彼らは私に、何の用があってここに来たんでしょうか?)



←続く。


いかがでしたか?

次回は番外編に登場したフウリの妹が登場します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ