第十四話「葵夜酉フウリの悪友」
飛鳥たち元赤点カルテットは、苦難の末、ようやく赤点地獄から抜け出すことに成功した。
そして、マリアもまた、恋愛成就に一歩前進することが出来た。
しかし、人間が学年1位をとることによって、よくないと思っているものもちらほらいて・・・。
第十四話「葵夜酉フウリの悪友」
フウリ(俺の名は葵夜酉フウリ。樹芽羅学園1年F組、猫と鶏・・・今は子供だから、まだひよこだけれども、れっきとしたキメラだ。今、俺は学食にいる。昼休みで、友人達と一緒に食事している・・・はずだったけれども・・・。)
ヒロオ「うりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
コゴロウタ「ぬるりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
メイイチ「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
ハルキ「ミリりりりりりりりりりりりりりりりりい!!!!」
フウリ「にゃぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
フウリ(というか、どうしてこんなことになったのか・・・。)
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フウリ(話はテスト1週間前にさかのぼる。俺はその日の夜偶然、用を足しにトイレにいた。)
フウリ「はあ~。」
フウリ(そして、偶然あの声を聞いた。)
???「血が・・・・、血がほしい・・・・。」
フウリ「?またヒロオが血がほしくて、俺を呼んでいるのか?ったく、人騒がせなやつだ。」
フウリ(そう思って、トイレの外に出た。そして・・・。)
マリア「鼓舞象様・・・、血が・・・。」
フウリ(彼女を見た。彼女は俺の前を偶然横切った。ほんの一瞬、それだけのはずなのに、なぜか彼女のことが、頭から離れなくなった。長い黒髪、左右で違う瞳、薔薇の髪飾り、そして聖キメラフィーネの制服。彼女は多分、お嬢様か何かだろう。あの制服は、俺の双子の妹が着ているものと、色は違うが一緒だ。だから、そう感じたのかもしれない。)
フウリ「何なんだ?あの人は。・・・きれいだった。」
フウリ(それ以来、彼女は毎晩のようにこの寮に来るようになった。その際、俺は彼女の姿を何回も目撃するようになった。そしてついに・・・。)
パシャっ
フウリ(初めて目撃して3日後、俺は彼女の姿を、写メに収めてしまった。その後、俺はその画像を見つめながら、部屋に帰った。)
ヒロオ「よぉ、遅かったじゃねーの。どこへ行っていたんだァ?」
フウリ「ち、ちょっと外の空気を吸いに、出かけてたんです!ヒロオ君には関係ないです!」
ヒロオ「ン?お前、なんか隠してないか?見せられねーのかァ?このヒロオ様に。」
フウリ「べ、別に隠しているわけではなくて・・・これはその・・・、あまりにも風景、そう風景がきれいだから、残しておきたくて、写真に収めたわけで・・・。」
ヒロオ「違うね、その顔は絶対何かとんでもないことを隠しているって言う顔だ。見せてもらうぞ!その写メ!!」
フウリ「い、いやだ!見せたくないっ!」
ヒロオ「見せろ!」
フウリ「見せない!」
ヒロオ「見せろ!」
フウリ「見せない!」
ヒロオ「見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろ見せろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
フウリ「見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せない見せないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
フウリ(俺の写真を見たがっているのは、ルームメートの蓬莱ヒロオ君。1年D組・化学クラスで、チスイヤマビルとホッキョクグマのキメラだ。常に自分が№1を目指して、日夜頑張っているらしいけれども、どうしてもクラス委員長・尼公に負けてしまうらしい。俺はそんな彼に振り回されている立場なわけで・・・。)
ヒロオ「うりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
フウリ「にゃぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
がしっ!!
フウリ(そして右手首を捕まえられついに、それを見られてしまった。)
フウリ「くぅっ!」
ヒロオ「ほぉ~、お前、こんな美少女が好みだったんだなあ。でもなあ、今はこんな女に現を抜かしてる時期じゃあないよなあ。」
フウリ「あああああああ。」
ヒロオ「ところでそいつとお前はどこまで行ったんだ?キスはしたのか?」
フウリ「するわけがないでしょう!彼女とは付き合っていないんですから!そう、彼女は俺にとっては関係ありません!」
ヒロオ「じゃあなぜ、彼女を写真に収めた?おかしいんじゃないのか?関係ないなら、写メしないんじゃないのか?」
フウリ「そ、それは・・・。」
ヒロオ「それじゃ、その写真消してもいいんだな。関係ないんだったらッ!」
フウリ「や、やめ・・・。」
ピッ
フウリ(結局、その写真はヒロオ君に消されてしまった。消された後、ヒロオ君は俺の携帯を、ぽいっとなげてよこした。)
ヒロオ「女の写真を取る暇があるんだったら、今はテスト勉強したほうがいいんじゃねーのか?まあ、俺はしなくても分かるから、しないけどなぁ。」
フウリ「・・・。」
フウリ(そして俺は、しばらく彼女のことを忘れることにした。テストの結果は、彼女を忘れた甲斐もあって、まあまあいい成績になった。そして順位発表の日・・・。)
ヒロオ「うりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!なぜだ、なぜこのヒロオ様が、尼公の野郎に、また負けなくてはならないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
コゴロウタ「ほーらい、大丈夫だよ。次のテストでまた、頑張ればいいじゃない。」
フウリ(ヒロオ君の悪友、幾時コゴロウタ君。1年C組で、イカとナメクジのキメラ。ぬるぬるした物を好む変なやつだ。)
メイイチ「テスト当日まで、勉強しないからだよ。俺だって勉強はするさ。」
フウリ(同じく悪友の日庭メイイチ君。1年A組で、マントヒヒとニワシドリのキメラ。薄幸そうな顔をしているが、実は腹黒い。)
ハルキ「さっすが、メイちゃんはコメントが厳しいですねぇ。」
フウリ(同じく悪友の鈴海ハルキ君。1年H組で、鈴虫とわかめのキメラ。優しそうだけど、ドS。)
フウリ「尼公君だけじゃない、人間にも負けてる・・・。しかも学年1位っ!」
ヒロオ「マジで言ってるのか、貴様!」
フウリ「本当ですって、ほら!」
コゴロウタ「おーーーーーー、これは本物だねぇ。」
メイイチ「ははは、やるじゃないか。人間の癖に。」
ハルキ「あーらら、委員長達よりも上とは。」
フウリ(俺達は、すぐ近くで結果をみに来ていた人間、神谷飛鳥をぎろりとにらんだ。それと同時に、俺はあの女の姿を目撃した。)
フウリ「あ・・・。」
ヒロオ「あの女・・・。」
マリア「次のテストも、気合を入れないといけませんね、私も応援します。」
飛鳥「ありがとう。お前のおかげだ。」
5人「な、なんだってぇ!!!!!」
フウリ「彼女があの人間に、勉強を教えていたのか・・・!!」
ヒロオ「認めない・・・俺は認めないぞぉ!!!キメラが人間に勉学など教えてなる物かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フウリ(しかもその女は、会長の首を噛んで、血を吸い取っていた。一体どんな関係なんだ?まさか、会長と付き合っているとか?)
どすっ!
フウリ「うッ!」
フウリ(すると、俺の首にものすごい痛みが走ったかと思うと、一気に体中の血が吸い上げられていく感覚に襲われた。)
ヒロオ「うりぃ・・・。」
フウリ(ヒロオ君が自分の指を俺の首の根元にぶっさして、そこから血を吸い取っているのだ。その血の量といったら、俺が貧血寸前になるくらいだった。なぜ彼が、そうしたかは分からない。ただ確かなのは、彼女への宣戦布告であることだった。)
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フウリ(その後、彼女の名前が鏑木だと分かり、俺はなぜか知り合う機会をうかがっていた。暑くなってきた今日この頃、次第に毎年恒例の球技大会の話題が出るようにになってきた。そして今の昼休みの話になるわけだ。)
フウリ「球技大会、1年はキックベースらしいですね。楽しみです。」
コゴロウタ「おいらもだよ、早くボールを蹴ってみたいよ。」
ハルキ「まあまあ、焦ることはありませんよ、本番まで日にちはあるんですから。」
メイイチ「幾時よりもあせっている男が、ここにいるよ。ふふふっ。」
ヒロオ「うりぃ・・・。あのにっくき人間を、この手でッ!倒してやる!」
フウリ(すると、ヒロオ君は立ち上がり、そこにいるみんなを促した。)
ヒロオ「ここにいる俺たちで、あの人間をぶったおそうぜ!クラスなんか関係ねぇ、当日E組と当たったやつが、やつを倒す!協力してくれるよなぁ!?」
フウリ以外「おう!」
ヒロオ「フウリ、お前は俺に協力するよなあ?」
フウリ「は、はい。」
ヒロオ「うりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
コゴロウタ「ぬるりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
メイイチ「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
ハルキ「ミリりりりりりりりりりりりりりりりりい!!!!」
フウリ「にゃぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
フウリ(俺達は雄たけびを上げた。すべてはあの人間に、借りを返すため・・・そしてあの人を自分の物にするため・・・。)
飛鳥「何だあいつら。」
トロ「ほっとけ。かかわるな。」
←続く
いかがでしたか?
新キャラ大量投入ですが、新キャララッシュは止まりません。
次回も新キャラが出ますのでお楽しみに。