第十三話「結果(後編)」
前回までのあらすじ
期末テストも無事に終了し、飛鳥はまさかの学年1位を取ってしまった。
勝負に負けたシハクはマリアに血を与え、次の勝負まで答えを預けることになった。
そしてその後・・・
第十三話「結果(後編)」
飛鳥(テストが無事終わったことと、俺と会長が学年1位を取ったことを祝って、人間研究部の顧問、蜂谷ナコ先生(保険医で、女性。ミツバチとイタチザメのキメラ)と、無機物愛護部の顧問、袋小路ドリュウ先生(現代国語教師で、男。コアラとモグラのキメラ)が、打ち上げ&祝賀パーティを開いてくれた。)
ナコ「今日はお姉さんのおごりよ。みんなたくさん食べて、飲んで、楽しんでいってね!」
ドリュウ「済みませんです、我々も参加しちゃって・・・。まったくどーも。」
ナコ「いいのよー、私達ライバルでしょー?だからたまには、こうやって仲良く同じ場所で無礼講って言うのもいいんじゃないかって思って。」
ドリュウ「我々はいいんですが、なぜ生徒会まで?それに聖キメラフィーネの生徒まで混ざっているのは?」
ナコ「聞くところによれば、会長もキメラフィーネのお嬢様も、家の赤点1年生の点数向上に役立ってくれたって言うのよ。招待しなくてどうするのよ。彼らには十分感謝しないとね。それに会長は家の神谷君と同じく、学年1位とったって言うじゃない。ここは祝ってやらないと。」
ドリュウ「優しいんですね、まったくどーも。」
ナコ「それじゃ、乾杯の音戸を。鼓舞象会長君。」
シハク「・・・分かりました。気が進みませんが・・・乾杯!」
全員「乾杯!」
飛鳥(俺達はそのまま、ご馳走を口にした。)
飛鳥「俺だけじゃなくて、他のみんなもねぎらってくれるなんて、さすが先生、優しいな。ただのドSな先生じゃなかったんだな。」
トロ「何言ってるんだ?俺達にとって、いつも優しいじゃねーか。」
飛鳥「だっていっつも俺に無茶振りしてくるから・・・部長と同じで。」
トロ「そりゃ、お前が人間だから、いじりたくなるんだよ。モテモテだよな、お前。」
飛鳥「俺はみんなから、愛されているのか・・・?」
トロ「当たり前じゃないか。人間だからな。だからこそ、ゆるさねーけど。」
飛鳥「なあ、お前は俺のことすきか?」
オトワ「もちろん、心から愛してるさ。お前は俺の虫けらちゃんだから。」
トロ「お前には訊いてねーよ!というか、神谷をいじるのはやめろ!いじるなら・・・、俺に・・・。」
オトワ「ほぉ~、焼いてるのか?でも、神谷は渡さないからな。」
トロ「ち、違う!そんなことじゃない!」
飛鳥「で、どうなんだ?俺のことは好きか?」
トロ「・・・好き・・・。」
飛鳥「ン?」
トロ「お前のことは、大っ嫌いだっていったんだよ!」
オトワ「きっと嘘だね。あの顔は。俺に大嫌いって言ったときの顔と同じだから。」
トロ「おい、余計なこというなよ!」
オトワ「事実じゃないか。その顔もなかなか、かわいい。」
トロ「うるせぇ!」
飛鳥「ふふふっ。!うわっ!」
飛鳥(するといきなり、後ろから誰かに抱きかかえられた。)
ウニ「俺を忘れちゃ困る。俺もお前のことが好きだ。」
飛鳥「せ、先輩!何するんですか、やめてください!」
ウニ「いや、放さない。俺がいいって思うまで、お前を放さない。」
ホロ「だったら僕が許さない。」
ウニ「!ホロ君!だからこれは違うんだ!」
ホロ「神谷飛鳥、僕はウニ君が好きだ。でもウニ君がお前のことを好きだというなら、好きになってあげてもいい。が、お前がウニ君を傷つけるようなことをしたなら、お前をシメる!」
飛鳥「しない、しないからやめて!!触手はやめて!!」
ウニ「ホロ君、神谷君はそんなことしない!だから神谷君をいじめないで!」
キョウカ「僕も神谷君が好きだ!だからやめて!」
ホロ「・・・。分かった、信じる。信じるから、約束は守ってね。」
飛鳥「亀貝先輩、顔・・・近いです。」
キョウカ「先輩、僕も信じます。神谷君は、誰も傷つけたりしません。」
飛鳥(そういって兎影は、俺の腕をつかんだ。すると獅音も俺の腕をつかんだ。)
オトワ「俺も信じるぜ。」
トロ「悔しいが、俺もだ。」
オトワ「そういって何で神谷じゃなく、俺の腕をつかむんだ、トロ?」
トロ「お前が好きだからだよ。」
飛鳥「なんか俺、もうどうでもよくなってきた・・・。」
カオル「あらあら、神谷君もてもてねぇ。私も混ざろうかしら?」
チュウイ「出遅れたのだから、多分無理であります。」
ギンタ「でも、写メは撮っておいたよー。人間萌え!」
オサン「また、人間撮ってるのか?たまには人間以外の無機物も取れよ。電車とか。」
ギンタ「それはおっさんだけだろ?俺は人間以外のものには興味ないんだよ。」
オサン「それは失礼だったね。はは。」
カネム「部長、こんなパーティでも電車の話っすか?自重してもらいたいですね。」
オサン「お前は電車より、天使の像だからな。あれのどこがいいんだか?」
カネム「電車のどこがいいというのも、同じだと思うんすが?」
ヒラク「まあまあ、どっちでもええやんか。けんかしたら毒やで。」
カネム「とかいいつつ、先輩、ごみを集めないでください。」
ヒラク「ええやん、好きなんやし。なー、フウチ。」
フウチ「すべてのごみはうちがあずかるじゃけぇ。気にせんで食べるじゃけぇのう。」
ヒャクエ「どうでもいいけど、こちらにごみを持ってこさせるの、やめてください!」
フウチ「あ、お前いたの?」
ヒラク「わからんかったわ。」
ヒャクエ「うわああああああああああああん!何とかしてよカネム君!」
カネム「僕は知らないよ。」
トラジ「なら自分が片付けやす。」
ヒャクエ「副会長おおおお!」
マリア「ちゅふふふふふ。皆さん楽しそうですね。」
シハク「すみません、騒がしくて。」
マリア「いいんです、こんな騒がしいの、味わったことありませんから、逆に新鮮で。」
シハク「ならよかったです。」
マリア「あなたも学年1位だったんですね。兎影君たちに勉強を、教えて回ったのに、自分もいい成績が取れるなんて・・。」
シハク「伊達に勉強は怠っていませんからね。当然のことです。」
マリア「シハク様、私も見習わなくちゃなりませんね。」
シハク「私もあなたに見習うところは多々ありますよ、マリアさん。学年1位が取れる教え子の作り方とか。」
マリア「教えません(笑)。」
シハク「そうですか、では私も教えません。」
飛鳥「鏑木さん、会長とライバルとはいえ、うまくいってよかったな。」
キョウカ「そうだね、それでさ、僕も鏑木さんに教わっていいかな?」
飛鳥「え?」
キョウカ「だって、・・・僕、飛鳥が鏑木さんと一緒だと、心配で勉強が出来なくなるから・・・だから。」
飛鳥「兎影・・・お前俺のこと、飛鳥って・・・。」
キョウカ「今から、飛鳥って呼ばせて!僕のこともキョウカでいいから!」
飛鳥「え、え、ええええええ!?」
飛鳥(一瞬俺は、わけがわからなくなった。そしてその時・・・。)
トロ「こら、押すなオトワ!うわあああああああああ!」
飛鳥(森勝が、俺に背中からぶつかってきた!)
飛鳥・キョウカ「うわあああああああああああ!!」
チュッ!
カシャっ!
飛鳥(ン?唇がなんか、柔らかいところに当たってる?)
キョウカ「!!!!!!」
全員「おおおおおおおおおおおおお!!!」
シハク「な!!!!!」
マリア「いやあああああああああああああ!!!!」
ギンタ「ぃよっしゃああああああああ!!!決定的瞬間を収めたぞ!」
飛鳥「え?ああああああああああああ!!!」
飛鳥(俺は思わず、自分の唇を拭いた。兎影・・・キョウカも同じだった。)
キョウカ「先輩・・・まさか、決定的瞬間って・・・。」
ギンタ「これのことだよ!」
飛鳥(そういって鯨井先輩は俺達に写メを見せてくれた。その内容は・・・。)
飛鳥・キョウカ「キ、キスしてる!!!!」
カオル「おめでとう!あなた達の門出に拍手を送るわ。」
飛鳥・キョウカ「ち、違・・・。」
マリア「最低ーーーーーーーーーーーーーーーです!」
飛鳥・キョウカ「鏑木さん!」
オトワ・トロ・ウニ・ホロ「何やってんだ、お前らああああああああああああああああ!!!!」
トラジ「若に何をしてくれたんだ!!!!!」
シハク「これだから人間は・・・・!!!!!!」
飛鳥・キョウカ「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!」
飛鳥(部長と先生達、無機物愛護部、そして一部の生徒会役員以外のみんなは、キメラ能力全開だった!怒りが収まるまで、俺とキョウカは保健室内を逃げ回った!そうしてうやむやのままに、パーティはお開きになった。)
??「鏑木さんって言うのか・・・。って、なぜこんなところまで追いかけてきてるんだ?」
←続く
大変遅くなり申し訳ありませんでした。
さて、次回からは球技大会準備編です。
新たなキャラクターもたくさん登場します。
・・・その前に番外編ですね。