番外編「キメラフィーネ生徒会総選挙」 文:ベアトリーチェ 編集:せお
今回はマリアがどのように生徒会に入ったのかを語る番外編です。
キメラサンクチュアリの一員、ベアトリーチェさんが文を書いています。
ではどうぞ。
「キメラフィーネ生徒会総選挙」
マリア(私は鏑木マリアと申します・・・高等部の入学式から、1週間が経過したある日・・・生徒会が、会長以外を入れ替える為選抜総選挙を開くという情報を耳にしましたが、私は中等部の頃に生徒会在籍していたので、別に気にしていません)
-キメラフィーネ女学院・生徒会室-
白蠍ルキア「私以外は、私が生徒の中から選抜致しますよ・・・各生徒の日頃の行いなどを観察し、それを元に選抜致します」
峰岸ルミ「左様でございますか・・・白蠍さんは、昔から洞察力がありますね」
ルキア「シスター峰岸・・・私に3日間、時間を下さい」
峰岸「ええ・・・では、よろしくお願い致します」
ルキアは早速、放課後に生徒の観察を行った
すると、礼拝堂の清掃をしている生徒がいた
ルキアは礼拝堂の陰から観察した
ルキア(あれは確か・・・鏑木マリアさんね・・・でも確か本日の礼拝堂清掃の当番は埜城さんのはず・・・あとで埜城さんを問い詰めないと)
ルキアは埜城メリルを探しに温室に行った
すると、優雅にティータイムをしている彼女がいたので声をかけた
ルキア「埜城さん」
埜城メリル「あら生徒会長、ごきげんよう・・・」
ルキア「本日の礼拝堂清掃は・・・確かあなたのはずよ・・・また押し付けたの?」
メリル「うっ・・・」
濱那須チカ「ありゃりゃ・・・だからチカの忠告を聞いた方がよかったのに・・・」
メリル「チカ、いちいちうるさいわよ!!」
チカ「おっと・・・やれやれですなぁ」
南里オリエ「わ・・・私も注意したのですが・・・聞く耳を持たなくて」
ルキア「今私は、生徒会総選挙の為に日頃の行いを観察しているの・・・メリルさんはマイナス20点ね」
メリル「ちなみに・・・最もマイナス点がないのはどなた?」
ルキア「それを教えたらネタバレになるから、伏せさせていただくわ・・・ではごきげんよう」
ルキアは温室から出た後つぶやいた
ルキア(・・・副会長は決まったわ♪あとは書記・会計・庶務ね)
-C組教室-
蛍岸サキ「清掃終わった?」
黒麻シャナ「ええ・・・」
サキ「あなたのクラスの委員長・・・埜城さんに逆らえないようだ」
シャナ「南里さんは・・・埜城さんに恩があるからこそ、いつも行動を共にしているのよ」
サキ「でも・・・埜城さんって結構ワガママなのよ」
シャナ「おまけにプライドが高いので、誰に対しても高圧的な態度をとりますが・・・オーケストラ部のある先輩に対しては低姿勢なのよ・・・それがどなたかは知らないけれど」
サキ「わらわは知ってる・・・埜城さんが副会長の椅子を狙ってるのを」
シャナ「あんな方ではなくて、われわれ1年のトップであるマリア姫に・・・副会長を任せるべきだわ」
サキ「人間に対しても友好的だもの・・・当然でしてよ!」
-キメラ学園校門前-
羽生イズミ「兄様、遊びに来ましたよ~♪」
羽生ミキヒサ「おい・・・またからかいに来たのか?」
イズミ「むー・・・次のロードワークをどうするか聞きに来ただけなのに!」
ミキヒサ「んな事言って・・・本当はからかいに来たんだろ?あまり頻繁に来るなよな」
イズミ「はーい・・・それよりも、キメラ学園に人間の方がいらっしゃるんですって?私会ってみたいです♪」
ミキヒサ「ああ・・・金印に散々遊ばれてるみたいだがな」
イズミ「それは・・・何ともはやです」
ミキヒサ「っと・・・そろそろ獅音のところに行かねぇと・・・またな」
イズミ「はい、兄様」
-生徒会室-
ルキア「決まりました」
峰岸「随分と早いですね・・・では、3日後には発表できますね」
ルキア「シスター峰岸、埜城さんに関してなのですが・・・彼女、礼拝堂清掃を鏑木さんに押し付けたようです」
峰岸「埜城さんに関してなら・・・匿名で報告がありましたよ」
ルキア「本当ですか?」
峰岸「ええ・・・確か私の部屋に来たのは、南里さんだったのよ。けれど埜城さんに知られたら大変だからと、あえて匿名にしたのです」
ルキア「礼拝サボリ常習犯の濱那須さんは・・・」
峰岸「今後も続くようであれば、クラス委員長の資格を剥奪する事も検討しております」
ルキア「なるほど・・・南里さんは、あの3人の中で唯一礼儀正しいと言えますわね」
峰岸「そうですね・・・あとはやはり、人間に友好的にならなければ、このキメラフィーネはただの世間知らずの集まりになってしまいます・・・シスターセシリアだけは、人間に対して敵対心を抱いてますからね・・・あの方も少しは人間の事を理解したらと思うのですが・・・」
ルキア「シスター峰岸とシスターセシリアは、付き合いが長いんですね」
峰岸「キメラフィーネ時代の先輩後輩ですからね・・・さて白蠍さん、そろそろ寮にお戻りなさい。第2下校時刻過ぎてますし」
ルキア「はい、ではごきげんよう」
-3日後・キメラフィーネ女学院講堂-
この日は、緊急集会が行われた
ルキア「3日間に及ぶ観察期間で、生徒会の残りのメンバーを全生徒の中から選抜しました・・・」
メリル「いよいよ発表ね・・・まあ、私が当然副会長でしょうね」
チカ「占いによると・・・意外な方が選ばれると出ております」
メリル「・・・・・・」
ルキア「では、発表致します・・・まず庶務、2年F組・羽生イズミ」
イズミ「ふえぇ!?嘘・・・希望のポジションだ・・・」
秋桜カノン「おめでとう!イズミさん!」
聖川ティアマト「頑張ってくださいね!」
ルキア「次に会計、1年H組・蛍岸サキ」
サキ「わらわが・・・会計?信じられない・・・」
古手シャノン「すごいじゃないですか、私でもなれなかったのに・・・」
八枝ミアキ「むにゃ・・・あれ?誰か当たった?」
葵夜酉ヒヨリ「1年生なのに・・・すごいです」
ルキア「次に書記、1年C組・黒麻シャナ」
シャナ「!! 私が書記・・・うれしいわ」
小野塚ラーチェル「学院の模範になる忍びにならないといけないわね。」
ルキア「最後に副会長、1年A組・鏑木マリア」
マリア「!! えっ・・・私が・・・副会長?」
メリル「なっ・・・何ですって!?」
古儀マアサ「あーあ、結局選ばれなかったです。ルキアお姉さまにお近づきになる最後のチャンスだと思ったのに・・・」
東郷アヤメ「欲を言えば私も・・・」
ジャンヌカルティエ・ブルボン・デル・モンテ「運は働かなかったか・・・」
野々村ククリ「お姉さま~、そりゃないよー」
ルキア「私の人選に、異論はありませんね?」
メリル「異議あり!!」
ルキア「埜城さん・・・あなたは人間に友好的な鏑木さんに、掃除当番を押し付けた・・・だから、あなたみたいな方は生徒会にふさわしくないわ」
「えっ・・・そうなのかしら?」
「ひどいですわ・・・」
「埜城さんが?」
シスター達がどよめいた
メリル「うぅ・・・」
ルキア「さて、先ほど任命された4人は生徒会室にいらして下さい・・・生徒会の制服をお渡しします」
-生徒会室-
ルキア「あなた達は、本日から生徒会の一員です・・・生徒会の白いセーラー服とマントがよく似合うわ♪」
イズミ「白蠍会長、兄様にこの姿を見せに行きたいです♪」
ルキア「気持ちはわかるけれど・・・あとにして下さいな」
サキ「ああ・・・またシャナと一緒に生徒会に入れるなんて・・・わらわはうれしいわ♪」
シャナ「ちょっ、サキ・・・くっつき過ぎでしてよ」
マリア「えーと・・・私は何故副会長に?」
ルキア「あなたは私の誇りよ・・・マリアさん。これから私の事は「お姉様」と呼びなさい・・・」
マリア「はい・・・ルキアお姉様」
ルキア「では・・・キメラフィーネ新生徒会、ここに発足!!」
-その日の夜・キメラ学園校門前-
ミキヒサ「つーわけだ・・・将来はお前とシェアハウス暮らしがしたい」
オトワ「学園のアスリートである羽生先輩と、同居ですか・・・身に余る光栄です」
イズミ「ミキヒサ兄様~見て下さいよ!ほら、かわいいでしょ?」
ミキヒサ「何だよ・・・ってお前・・・その格好、何があったんだ?」
イズミ「生徒会庶務に任命されました~♪」
オトワ「・・・先輩、誰ですかこの女は?」
(オトワ半径10メートル以内まで逃げる)
ミキヒサ「俺の妹・イズミだ・・・獅音の1年先輩だ」
イズミ「初めまして、妹のイズミと申します♪いつも兄様がお世話になってます♪」
オトワ「はぁ・・・よろしくお願いします(女には興味ねぇけど・・・先輩だし挨拶はしとくか)」
ミキヒサ「ったく・・・いきなり来るなと、あれほど釘を刺したはずだが?」
イズミ「だって・・・嬉しかったんですもの♪兄様に最初に報告したかったんですもの!」
ミキヒサ「・・・はぁ」
オトワ「先輩・・・ドンマイです!」
琳堂レイナ「あら、イズミちゃんおめでとう♪」
イズミ「レイナさん!」
オトワ「・・・また女か」
ミキヒサ「俺とイズミの従姉妹・琳堂レイナだ」
オトワ「なるほど・・・」
レイナ「イズミちゃん・・・本当によかったね♪生徒会頑張ってね♪」
イズミ「は~い♪頑張ります!!」
-キメラフィーネ寮・サキの部屋-
シャナ「ふぅ・・・まさか・・・また2人そろって生徒会に籍を置く事になるなんて夢にも思ってなかった」
サキ「わらわだって驚いているわ・・・まさか再び生徒会役員をやる事になろうとは」
シャナ「まあ・・・任命された以上は、最後まで職務を全うしましょう」
サキ「そうねぇ・・・」
シャナ「・・・頑張りましょうね」
サキ「ええ・・・」
-メリルの部屋(通称・イジメっ子ルーム)-
メリル「納得行かないわ!鏑木さんが副会長だなんて・・・」
チカ「まあ・・・ほとんどのシスターは人間に友好的ですし・・・仕方ありませんよ、メリル様」
メリル「それに・・・一体誰が私の事密告したのかしら?」
チカ「さぁ?メリル様は心当たりありませんか?」
メリル「ないわよ・・・」
チカ「やれやれ・・・(まぁ・・・チカは密告した方知ってるけど、言ったら身の危険が降りかかるから・・・言わないでおこう)」
-キメラ学園上空-
(マリア、散歩中)
マリア「はぁ・・・また生徒会ですか・・・ですが、任命された以上は頑張らなくては・・・ん?」
マリアは上空で、ある男子生徒を見つけた・・・
ロックオンしたのは・・・スチールメガネをかけている、典型的な優等生タイプの男子生徒であった
同行者が彼の名前を呼んだのを、彼女は聞き逃さなかった
マリア「確か・・・キメラ学園も、生徒会は白い制服なんですよね・・・あの方が会長さんのようね・・・鼓舞像様ですか・・・ちゅふふふ♪今夜はあのお方の血をいただくとしましょう・・・」
マリアは妖しく瞳を光らせると、キメラ学園上空を縦横無尽に飛び回った
マリア「血が・・・血がほしい・・・」
完
今回編集するに当たって、生徒の数を増やしました。
最初に描かれた次点では、未登場だったキャラを登場させて、こんなことをいうだろうなと思い、書いてみましたよ。
特に選ばれなかった2年生の雑談に力を入れたつもりです。
今回登場したキャラのプロフィールですが、書いていくつもりなのでお楽しみに。