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第八話「孤独」

前回までのあらすじ

寮に響き渡った謎の声。その正体は、鏑木マリアというキメラ少女の声だった。

シハクに会いに来たという彼女は道に迷っていたので、とりあえず飛鳥は自分の部屋へ彼女を案内した。

ところが、オトワがマリアを見て、過剰反応し・・・。

第八話「孤独」



飛鳥「やめろ!獅音!」


飛鳥(と、次の瞬間。)


マリア「ひぁん!」


オトワ「!!!」


飛鳥(鏑木さんが突拍子も無い声を上げたので、獅音のキメラ能力は、まるで空気が抜けるように一気に消えていき、われに返った獅音は、鏑木さんを冷たく突き飛ばした。)


マリア「ああっ!!」


オトワ「何だ、本物じゃないか。本当に女だったのか。一気に萎えたわ。おっぱい、詰め物かと思った・・・。」


飛鳥(俺は突き飛ばされた鏑木さんを、必死で支えた。)


飛鳥「大丈夫か?鏑木さん!」


マリア「ええ、平気です。一体何なんですか、彼は私をくすぐろうとしていましたよ。私はくすぐられるのは苦手なんです。特に鎖骨と背中、へそが弱いんです。」


飛鳥「おい、獅音!鏑木さんになんてことしてくれたんだ!キスしようとしたり、おっぱい揉んだり、うらやま・・・いやいや、彼女が迷惑だろう!」


オトワ「女装した男だと思って、アプローチしたんだ!でも女だったから、萎えたんだ。俺は女には興味ねぇ。」


飛鳥「だからって、突き飛ばすこと無いだろ!ごめんな鏑木さん、こいつはああいうやつなんだ。許してやってくれ。」


マリア「は、はあ。珍しい性癖もあったものですね。」


オトワ「一応謝っておく。ごめん。」


マリア「いいんです、あの・・・。」


オトワ「獅音オトワだ。よろしくな。」


飛鳥(その時。)


キョウカ「何があったんですか!?やめろとか聞こえたけど・・・。って、誰この人!」


トロ「オトワ、お前なんで女の子なんて連れ込んでるんだ?もしかして、女に目覚めたとか?そんなんじゃねーよな!?」


飛鳥(兎影と森勝が部屋に入ってきた!)


飛鳥「兎影!こ、これは誤解だ!俺は彼女が道に迷っていたから助けようと思って部屋につれてきたわけで、別に下心があって連れ込んだわけじゃないんだ!」


オトワ「神谷の言うとおりだ。俺は女に目覚めたわけじゃない、断じて。」


マリア「この人たちは、困ってる私を助けてくれたんです。悪い目で見ないでください。」


キョウカ「そうだったのか、怪しい目で見てごめんね。神谷君、彼女を助けたなんて優しいんだね。あ、僕兎影キョウカといいます。こっちは僕のルームメートの森勝トロ君。」


マリア「鏑木マリアと申します。お世話になります。」


飛鳥(鏑木さんは深々と頭を下げた。)


オトワ「ところでこいつは、一体どこへ向かう途中だったんだ?」


飛鳥「ああ、彼女は・・・。」


飛鳥(会長のところへ行くんだといいかけた時、兎影が何かに気が付いた。)


キョウカ「あれ?彼女の制服・・・、隣の聖キメラフィーネ女学院の制服じゃない?」


トロ「あの名門お嬢様学校のか?」


キョウカ「うん、それに白いセーラー服は生徒会の制服だよ。」


飛鳥「そうなんだ、俺知らなかった。」


キョウカ「この近くじゃ有名だよ。成績優秀のお嬢様たちが通う乙女の花園というべき男性禁猟区!」


飛鳥「でもその子達もキメラなんだろ?なんか怖いな。」


オトワ「お前が人間だから怖いって感じるんだろうな、まあ俺は女に興味ないけどな。」


トロ「そこの生徒会に勤めているのか、すげーなお前!」


マリア「ええ、一応1年A組で、生徒会副会長もやっていますが。」


飛鳥「1年で副会長!?俺なんて赤点組だぜ。うらやましいぜ。鼓舞象会長に惚れるのも判るって気にもなるな。」


オトワ「え、今なんていった?会長に惚れているって?もしかしてこいつが行きたかった場所って、会長の部屋だったのか?」


キョウカ「だったら僕ら知ってるよ、前までそこにいたから道分かるよ。今から連れて行くよ。」


マリア「ありがとうございます。でも、今日は行かないことにします。ここにいる目的も出来ましたし。」


飛鳥「目的?」


マリア「神谷さん、あなた赤点で悩んでいるって言っていましたよね?私が教えてあげてもいいですよ。」


一同「ええええええええええええええ!!!!!」


飛鳥「ま、マジで?」


マリア「ええ、それにここだと孤独が感じられないので、うれしいんです。私は10年前にとある理由で、一族殺害に巻き込まれたのですが、背中に軽いやけどを負っただけで済みました。が、両親と親族全員を失い、天涯孤独の身になったのです。学院でも同級生からは嫌われてばかりで、孤独を感じているのが当たり前になってしまって。だから、こうして皆さんと話しているのがこんなにうれしいと思ったのは久しぶりなんです。」


飛鳥(鏑木さんの顔は、表情にあまり変化は見られなかったが、目に涙か潤んでいた。一人に反応していたのは、このトラウマからだったのかと、俺は思った。)


飛鳥「そうか、ありがとう。これで貸し借りなしになっちまうな。」


マリア「ちゅふふ。」


トロ「変わった笑い方だな、お前。」


キョウカ「じゃあ、神谷君のことよろしくね。僕らは会長と仲良くやってるからね。」


飛鳥・マリア「え?」


飛鳥(その時、俺と鏑木さんは同時にしまった!と思ったのだった。マンツーマンだったら、好きな人と一緒にならないじゃないか!どうしよう・・・・。)












←続く

いかがでしたか?

おかしいところを少しだけ矛盾がないように、書き換えました。

次回は本格的にマリアが飛鳥たちに関わっていきますので、お楽しみに。

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