第七話「少女」
前回までのあらすじ
期末テスト勉強をシハクに教われない飛鳥は、ものすごく悩んでいた。
そんな時、寮に鳴り響いた謎の声。様子を見に行った飛鳥が遭遇したのは・・・?
第七話「少女」
飛鳥「お、俺は神谷飛鳥。君、名前は?」
マリア「マリア・・・鏑木マリアと申します・・・。」
飛鳥(鏑木マリアと名乗った少女は、腰までの黒髪で、青い薔薇の髪留めをしていた。青と深紅のオッドアイ。おっぱいは大きいほうだ。白いセーラー服に金のセーラーカラーと黒いマントといういでたちだった。俺は一瞬、彼女の美少女ぶりについ見とれてしまっていた。)
飛鳥「ところで、君・・・鏑木さんはここでいったい何をしていたの?」
マリア「鼓舞象シハク様の血をもらいに来たのです。」
飛鳥「は?」
マリア「鼓舞象様はどちらにいらっしゃるのですか?どうやら迷ってしまったようなので、教えてくださるといいのですが。」
飛鳥「いやいや、そうじゃなくて、何で鏑木さんは、生徒会長の血がほしいんだ?まさか、彼を抹殺に来たとか・・・・!」
飛鳥(どうしよう!俺、幽霊よりももっとやばいやつに出会っちゃったかもしれない!こんなにかわいい顔をして、殺人鬼だったら、俺もそのうち殺されるかもしれない!)
マリア「殺しはしません。血をもらうだけなので。」
飛鳥「じゃあ、献血か何か?」
飛鳥(すると鏑木さんは、俺の後ろに回ると、襟を肩のほうに引っ張って、首の付け根をむき出しにさせた。一体何が始まるんだ?)
マリア「つまりこうするんです。」
カプッ!
飛鳥(次の瞬間、俺は何かにかまれた。そして、自分の血が吸引機か何かで、吸い取られていくのを感じた。これって、鏑木さんがやったことなのか?そんなことを考えるまもなく、それは終わった。そして鏑木さんは、俺の首の付け根を軽くぺろりと舐めて、襟を元に戻した。)
マリア「うーん。やっぱり、好きな人の血のほうがいいですね。でも、人間の血は初めてでした。ご馳走様でした。」
飛鳥「鏑木さん、君は・・・?」
マリア「言うのがまだでしたね。私はチスイコウモリとカナリアのキメラです。主食は生き血です。あ、勘違いしないでください、主食だからといって、血しか食べられないわけではないのです。ちゃんと他の食べ物も食べられますよ!ザッハトルテとか。」
飛鳥「また変なキメラと遭遇してしまった!」
マリア「何か言いましたか?」
飛鳥「な、なんでもない。実は俺も、生徒会長の部屋、知らないんだ。あまり行かないし。今日の勉強だって、見てもらえなかったし。」
マリア「そうですか、残念です。」
飛鳥「と、とりあえず俺たちの部屋へ行こうか?道に迷ってるんなら。」
マリア「俺たちって・・・・相部屋なのですか?」
飛鳥「キメラ学園の寮は、みんな相部屋だぜ。一人部屋は無いんだ。」
マリア「まあうらやましい・・・私は一人部屋なのに・・・。一人・・・。」
飛鳥「?どうしたんだ?」
マリア「何でもありません。部屋に案内してください。」
飛鳥「お、おう。」
飛鳥(一人部屋か・・・。それに、一人ぼっちによく反応するな。何かあったのか?何なのか分からないが・・・。俺はそんなことを考えながらも、彼女を俺たちの部屋に連れ帰った。)
飛鳥「ただいま。」
オトワ「神谷!無事だったか!幽霊は?」
飛鳥(獅音はまだ、布団をかぶってベッドにいた。)
飛鳥「幽霊なんていなかったぜ、みたいなやつはいたけど。」
マリア「私は幽霊ではありません。」
オトワ「!?」
飛鳥「獅音!?どうした?」
飛鳥(すると獅音は、いきなりキメラ能力を発動した。髪が長くなり、グラデーションのようにさまざまな色に変わっていく。ライオンの耳が生えたと思うと、舌を伸ばして鏑木さんを捕らえて、自分のいるベッドへ引き寄せた!そして肩を抱き、彼女の顔を獲物を捕らえた猛獣のごとく見つめた。)
飛鳥「あ、これって・・・。」
飛鳥(俺は獅音に初めて出会ったときの事を思い出した。この寮のルームメートになる際、同じことをやられたのだ。そしてそのままにしておくと・・・。)
飛鳥「俺のファーストキッスをこいつに奪われたんだった!
しかも、森勝ともしていたみたいだから、あいつとも間接キスしたことになるんだし、まさかこの子も巻き込まれたら、俺とも間接キスすることになるから、すごく複雑なことになる!
やめろ!獅音!」
←続く
いかがでしたか?
次回はマリアを掘り下げます。