第六話「幽霊」
前回までのあらすじ
飛鳥たち中間テストで赤点を取ってしまったいつもの4人は、期末テストでいい点数をとるために、生徒会長であるシハクに勉強を教わることになった。
が、飛鳥はキメラではないためにのけ者にされてしまった。
第六話「幽霊」
「下等な人間は、キメラによって倒されるべきなんです!
あなたみたいな人間は、この学園には要らないんです!」
飛鳥(ココは寮の俺と獅音の部屋。俺は今、悩んでいた。)
飛鳥(何でだ?何で人間とキメラは、仲良くしてはならないんだ?共存してはならないんだ!?わからねぇ、わからねぇよ!ちなみに今解いている問題の答えもわからねぇよ!ああちくしょう!ここに居てはならないのに、どうして俺はこの学校に、この世界にやってきてしまったんだ?ただ願書出して、試験受けて、合格しただけなのに・・・。滑り止めとしてだけど。志望校に受からなかった結果がこれだよ。俺はただ、気が向いて受けただけなのに、それなのにどうしてこんな異世界にやってくるかなあ?わからねぇ、わからねぇ!!?ちょっと待て!俺がココに来る前に、人間はこの世界にやってきたことがあるのか?歴史もろくにやってないから、よくわからねぇ!結局何も俺はわかってねーじゃねーか!)
飛鳥「はぁ、頭がなんか混乱して、勉強も身につかない。これじゃ俺だけ、今度のテスト、赤点じゃねーか!何とかしないと!そうだ、高得点をとって、会長を見返してやるんだ!そうすれば会長は人間も悪くないって思って、俺のこと認めてくれるに違いない!・・・。でもなあ、分からない物は分からないんだよなあ。」
オトワ「ただいまー。」
飛鳥「お帰り獅音。どうだった?会長の教え方は、分かりやすかったか?」
オトワ「分かりやすいも何も、分かり安すぎてどうしようと思ったよ。親切に解説してくれるから、感謝しまくったさ。もうドキドキがとまらなかった。」
飛鳥「お前、下心あったんじゃないのか?」
オトワ「そんなことは無いさ、先輩だし。手を出したら、怒られそうだったし。」
飛鳥「馬鹿か。やっぱりあったんじゃないか、下心。」
オトワ「それは勉強のために必死で抑えた。今の俺は下心が無い。お前がそばにいても、舌を伸ばすことなんてしない。」
飛鳥「マジかよ。本当に手は出さないのか?」
オトワ「もちろんさ。で、お前は勉強はかどってたか?」
飛鳥「全然。会長に拒否られたショックで、頭が混乱して、勉強も身につかないんだ。」
オトワ「お気の毒に・・・。」
飛鳥「何とかしてくれよ、この状況をよ。何にもわかんないんだ。」
オトワ「俺に言われてもなあ・・・。」
飛鳥(そのとき・・・。)
血が・・・・血がほしい・・・・。
オトワ「うわああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
飛鳥「だ、誰かいる!っていうか、何でしがみついてるんだ?」
オトワ「俺は、こういうの苦手なんだ!神谷、お前も分かってるだろ?」
飛鳥「そういえば亀貝先輩が始めて現れたときも、おびえったなお前。」
オトワ「この寮には幽霊は出ないはずだ!何だよあの声は!」
飛鳥「しらねーよ!俺は幽霊なんて信じないけど・・・。あああの声聞いてしまったら、信じてしまうかもしれないじゃねーか!」
どこ・・・私の求める物は・・・どこ・・・?
飛鳥・オトワ「ぎゃ嗚呼ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
飛鳥「あ、お前先に寝るな!」
オトワ「おおおおおお前、幽霊の正体、突き止めて来い!」
飛鳥「はぁ?何で俺が!」
オトワ「俺が怖いからだよ!それに俺は女に興味が無い!だからお前が行って来い!」
飛鳥「そんな無茶な!嫌だ!」
オトワ「嫌でも行って来い!」
飛鳥「お前キメラだろ!!!お前が行って来いよ!」
オトワ「キメラでも怖い物は怖いんだ!行って来い!」
飛鳥「わからずや!帰ってこなくたってもしらねーよ!」
飛鳥(という訳で、俺は幽霊の正体を突き止めるため、部屋を出た。)
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飛鳥「夜の寮はなんか、不気味で怖いな・・・。」
??「誰?」
飛鳥「で、出た!!」
??「その声、鼓舞象さん・・・ではないですよね。」
飛鳥「・・・?」
飛鳥(俺はその声のしたほうへ、懐中電灯を向けた。そこに映ったのは・・・)
飛鳥「!!!!コウモリの羽!お前、キメラか?」
??「アナタ、もしかして、キメラではないんですか?」
飛鳥「あ、ああ。俺は人間だ。でも、襲わないでくれよ!俺はココで死ぬわけではないからな。」
飛鳥(・・・なんだよ俺、なに歯の浮くような台詞言ってるんだよ!)
??「人間・・・・。はじめてみた・・・。」
飛鳥「羽が消えた!能力が切れたのか。って、何で俺の手をつかむんだ!」
??「人間だからです。私、人間が好きなので。しかし、生で見たのは生まれて初めてなんですよ。」
飛鳥(!!!うわぁ、美少女・・・!しかも瞳の色が左右で違う・・・。オッドアイってやつか・・・?)
飛鳥「お、俺は神谷飛鳥。君、名前は?」
「マリア・・・鏑木マリアと申します・・・。」
←続く
いかがでしたか?
この新キャラ、マリアは今後重要なキャラクターになって行きます。お楽しみに。