ぶつける
掲載日:2014/03/31
200文字小説コンテスト応募作。2作目。
ぶつける。
加速して。踏み込む力を、もっと。
目の前に白い壁が。迫る怖さ、隠して。震える体、こらえて。
「――好きです。あなたのことが好きなんです」
壁にひびが入って、粉々にくだけた。その先にあなたがいた。
驚いた表情でこっちを見ている。その顔も好き。
でも、あなたの返事なんて、もうどうだっていいの。
あなたに爪あとを残せなくても。笑って済まされても。
わたしは、もう、ぶつけたから。
さよなら、さっきまでのわたし。




