15.Love Me Dead ~下心ナシ?orアリ?~
ども、お越しいただきありがとうございます~! 第十五話です! 今回はバトル休憩のラブコメになっております。
では、スタート!!
雨田達が退院した次の日、早速始業式が始まる。いまだ包帯の取れない雨田達は、すっかり学園一の有名人になっていた。「新聞読んだぜ~」「すげぇじゃん!」「見直したぜ」など、他の同級生や先輩達から声をかけられる。
その日の帰り道。「う~む……結局は町の半分が破壊されたんだがな」複雑そうに紅雀が呟く。あれから町は早急に復興作業に移り、いまでは殆ど元通りになりつつあった。
「その復興費が尋常ではない額だったらしく、俺たちへの謝礼が雀の涙……」密山は残念そうに口にし、その謝礼が入っていたと思しき袋をヒラヒラさせる。「1万って……凶悪犯捕まえたらもっと出るだろ?」
「まぁまぁ、お金のために戦ったわけじゃないでしょ?」言葉とは裏腹に残念そうな表情を覗かせる犲河。「ところで、このお金の使い道は?」
「私は専用のスパイスでも買い溜めるかな……」紅雀は頭の中で、どのスパイスを買うか悩んでいた。
「俺は、貯金するかな……ベタに」密山がそう言いながらも、別の使い道を考える。
「ふぅん。タツノリは?」
「お? 俺?」雨田は自分を指さし、しばらく黙り込む。
「ど~せ、ゲームソフトでも買うんだろ?」密山が詰まらなそうに呟き、空を見上げる。
「あのさ、ツバキ……その」雨田は俯きながら口元を歪める。「こ、今度の休みさ、一緒に映画でもどうだ?」
「うぉ」「え?」「まじか」3人は驚きながら雨田の方へ頭を向け、目をいっぱいに広げた。
約束の日、雨田は先に待ち合わせ場所である新暮町の駅前にたどり着き、腕時計を見た。「10分前か……ちと早かったか?」と、辺りを見回すと、正面から犲河がダッシュで向かってくる。「お? 来た来た。よぉ!」と、手を振る。
「なんで先にくるんだよぉ!!」犲河は息を切らせ、珍しく怒ったような顔を見せる。
「え? なんで? 先に来るのが男として……」
「あたしは『もう! 遅いよぉ』とか『今来たばかり』とか色々セリフ考えてきたのに! もう、あたしの大切な初デートのイントロをやり直させて!!」すると、雨田は唐突に笑い始め、犲河の肩を叩いた。「な、なによ」
「まるで、初めてツバキに会った時の俺の反応じゃんかよ」と、あの時出会いがしらに犲河に蹴飛ばされた時の事を思い出す。
「ん、そ……そうだね。ごめん」頬を赤くさせ、蒸気を上げながら俯く。
「さ、映画館いこ」と、2人は手を繋ぎ歩き始めた。その背後に怪しい人影が物陰に隠れながら目を光らせていた。
「さて、どうなるか楽しみじゃのう」黒スーツに身を包んだ密山がサングラスを不敵に光らせ、怪しげな笑みを覗かせた。
「で? なに観るの?」犲河は映画館『ムービータワー新暮』の前に張られた映画ポスターを眺めながら目を左右させる。
「正直、何を観るかは決めてないんだ……左から題名読み上げるから興味あるのがあれば言って」と、早速左側にある映画の題名を読む。「『魔法熟女とし子・30年目の愛』」
「そんなの観たくない!!! どんな年齢層狙ってんだよ!!」
「『ヘンリー・ポッチャリーZ 地球丸ごと魔法戦争』は? 元はベストセラー小説だってさ」
「……ロマンスもんはないの?」苦味のある表情を見せる。
「『ファースト・ラブ 続・山岳救助隊マシラ』あ、これダメだって聞いた。主役の男優がイモなんだって」雨田は映画にうるさいのか、勝手に「観ない」と決め、次のポスターを見る。
「うぅ……興味あったのにぃ」
「お、アカデミー外国映画賞ノミネート『はかほりびと』」
「嫌がらせかコラ!!」額に血管を浮き上がらせる犲河。
「えぇ? ……じゃあ、これで最後だ『魔女のバイク便』」
「一番マシそう……これにしよか?」
「でもこれアニメの実写版かぁ……どうだろ? だいたいこーいうのは……」
すると業を煮やしたか犲河は彼の耳を引っ張った。「これを観るぞ!」
「あい……」引っ張られながら彼は学生2人分のチケット、ポップコーンにドリンクを買って劇場へ入って行った。
そんな姿を見た密山はニタニタと笑いながら何やらメモを取っていた。「ふむふむ、出だしは順調そうだな。ひとつひとつデータを採って、明日あたりにでも」とほくそ笑むと、彼の前方にある怪しげな影に気付く。「見るからに怪しい」黒いロングコートに帽子、サングラス、マスクなど密山よりも黒ずくめな格好をしていた。よく見るとその者の髪は深緑色だった。「紅雀さん!!!」
「おぉ密山。いたのか。ははぁ、お前もあいつらが気になる様だなぁ」と、持参のジュースをストローで啜る。「この季節にこの格好はあちぃ」額の汗を拭き、袖をハタハタさせる。
「紅雀さん……警察呼ばれるぞ?」
「ところで密山……中まで追わないのか?」
「……いや、どの映画観るかわからないし……」
「私は『魔法熟女とし子』を観に行った気がするのだが……」
「いや、それはない。絶対ない……ってまさか、奢って欲しいの?」密山が呆れたように尋ねると、紅雀は小さく頷いた。
『きみきみぃ! 規則でバイクではヘルメットを被らねば……』
『私は魔女です。大丈夫、黒魔法でプロテクトしてありますから』
『そーいう問題ではない!!』スクリーン上でのやり取りで客席が一斉に沸く。雨田達は劇場のど真ん中の席を確保し、映画に集中していた。
「……?」犲河は映画そっちのけで映画に集中する雨田の横顔を見ていた。彼はワンシーンひとつひとつをまるで研究でもするかのように凝視し、目を目まぐるしく動かしていた。「ふぅむ……」詰まらなそうに映画に目を戻す犲河。
『免停だってさ、どうしよ。バイク乗れないじゃん……よぉし』
『町中で呪術はダメだよ!!』言葉を流暢に話すカラスのキャラがアップで出てくる度に笑いが巻き起こる。それに引き換え雨田は鼻息を詰まらなそうに鳴らし、頬を歪ませる。
「……ふぅん……」犲河は映画に集中せず、手元のポップコーン(ファミリーサイズ)を永遠と頬張った。「あ、歯に挟まった……」
その頃、隣のシアターでは紅雀がスクリーンで繰り広げられる壮絶なラブシーンを凝視し、目に涙を溜めていた。「うぅ……噂通りいい映画だ」
密山もサングラスを取り、映画に目が釘付けになっていた。「題名に騙された。こりゃいい映画だ……」唾をゴクリと飲み込み、ジュースを啜る。
映画が終わると、雨田たちは伸びをしながら出てきた。「期待はずれだったなぁ……笑いや女優を魅せる事しか考えず、ストーリーがなってない。やっぱ原作超えは無理だったなぁ」と、パンフレットを覗き込み、残念そうな表情を作る。
「あそ……で、次のプランは?」
「歩きながら決めようか」と、再び手を繋いで歩きはじめる2人。あとを遅れて密山たちが出てくる。2人とも鼻水を啜り、目に涙を溜めていた。
「とし子よかった……本当よかった」と、紅雀がハンカチで涙を拭う。「洗って返すね」
「別にいいさ。安物だから」と、目の端の涙を手で拭き取り、サングラスをかける。「そういや雨田達はどこいった?」
「どうでもいいよ、もう」変装着をすべて脇に抱えた、汗を拭う紅雀。「腹減ったね。飯にしよ」
「何しに来たんだよ、あんた」
「で、結局おれん家かい……」雨田達は道中、夕飯はどこで食べるか話し合った結果、彼の家で食べようという結論に達した。「まぁいいけどさ」
「あたしは、やっぱタツノリの家が一番落ち着くな……」
「そういや、ツバキ。あの家はどうしたの?」と、犲河の家の事を訊ねる。彼の記憶では、アヤカに破壊され、更に貯金通帳やキャッシュカードを盗まれたと聞いていた。
「あぁ、あの後すぐに直したよ。以前より頑丈にしてね。で、あの謝礼で冬に向け断熱材を買い込んだり増築したりするつもり」と、自慢げに鼻を高くする。「あと、貯金通帳は生徒会の柳さんが渡しに来てくれたよ」アヤカはあの事件の後、生徒会室へ連行され、生徒会長直々にお説教された、と学園の生徒たちに報告されていた。
「そっか……よかったな」と、自宅の前まで着き、ドアノブをひねる。すると、雨田の背筋が凍りつき、産毛が逆立ち、鳥肌が全身に立った。「いやな予感……」と、ドアを開けた途端、何者かの足の裏が出迎えた。
「おい愚弟! 私の部屋に何をした?! 私のコレクション(百合本)が机の上に丁寧に並べられていたぞ!! 母さんに訊ねても「知らない」って言われて恥かいたし!! 何したコラぁ!!!」と、いきなり現れた女性が雨田の胸倉を両手で掴み、激しく揺らした。
「も、もしかして……」犲河が震える声で訊くと、雨田は「俺のバカ姉貴」と答えた。
「誰がバカ姉貴だ!!!」と、一発平手打ち。「ん? この可愛い子誰? まさか彼女か?」
「違う、俺の友達だよ」
「う!? ……犲河椿です……」彼の発言にショックを覚えながらも丁寧にお辞儀する。「友達……か。てか否定しないでよ……」小声で呟きながら家に上がった。
その頃、密山たちは……「ぐぎゃぁ!!! 辛ぇ ゴホっゴホ!! 苦しい!! 咳が止ま、ゴヘェ!!!」紅雀が常連としてよく訪れるラーメン屋の屋台で夕食を摂っていた。
「大袈裟なヤツ」横目でスパイシーラーメンを啜る紅雀。「んぅ! サイコー」
「あんたの喉、おかひい」と、言いながらももう一口すする密山。「慣れれば美味いけどさ」
「お、兄ちゃんも目覚めたかぃ?」店主が嬉しそうに前のめりになり密山の顔を覗き込む。
「毎日は勘弁だが」と、チャーシューを口に運びながら紅雀の顔を見る。「何でこれが好きなんだ?」不思議そうな眼差しで、余裕綽々で麺を啜る彼女を見る。
「中学の頃、友達とラーメン屋に行って、胡椒をかけようとしたら友達のワルノリで胡椒の蓋を緩ませる悪戯……あれでラーメンが胡椒だらけになってさ。勿体ないから食べたら意外とイケて……それ以来、好物になった」と、豪快に啜る。
「ふぅ~ん」密山も合わせるように啜り、軽く咳き込む。「まぁ、いいんじゃない」
「で、密山……」紅雀は神妙な表情で彼の横顔を見た。「病院でのひと騒ぎ……聞いたか?」
「あぁ……犲河さん、あの日だけ怒り狂ってたけど、どうしたんだろうな」
彼らが入院して1週間が経つ頃、犲河にお見舞いの客が2人、訪れたのだった。その2人を見るや犲河はあばらの痛みも忘れ、彼らに向かて周りの物を投げつけ「出てけ!」「2度とツラ見せるな」と怒鳴り散らしたのだった。
「見るからにあの2人……ツバキの両親だよな?」ラーメンを食べ終え、どんぶりの底を見ながら問う紅雀。
「聴いた話だと、彼女の父親は大工だそうだが……随分華奢で小奇麗な男だったな。いかにも実業家って感じだった……」スープを啜り、再び咳き込む。
「何が遭ったんだ? ツバキ……あんなになる彼女は、見たことない……」
「あまり家庭事情には首をツッこむべきではない……そっとしておこう」密山は額の汗を拭い、満足そうに息を吐く。「雨田達、今頃どうしてるかな?」
「それも、干渉すべきではないのかもな。おっちゃん、お替り。もちろん、密山の奢りだよな?」
「きいていませんけど!?」
夕食を食べ終えた雨田達は、茶を啜りながらまったり……できていなかった。「ツバキちゃんは私と寝るんだよなぁ?」雨田の姉が犲河の腕を掴み、彼女の喉を撫でる。「うぅん、若くてきめ細やかなお肌、たわわな胸、くびれた……」と、順に触っていき、尻に手を掛けた瞬間、弟が阻んだ。
「警察呼ぶぞ! 犯罪者!!」
「誰が犯罪者じゃ!! スキンシップだ! ね? ツバキちゃん! 一緒にお風呂入ろうか?」ツバキの上着を素早く脱がし、絡みつくように腕を腰や首に持っていく。
「や、やめて下さい! 入るならタツノリと入ります!!」とっさに叫び、その場をカチコチに固まらせる。「う、う……」爆発させんばかりに顔を赤くさせ、震える。
「そー言ってるぞ、彼氏君」弟をからかう様に睨み、鼻で笑う。
対して雨田も頬を赤くしていたが、怒ったように眉を曲げていた。「バカなこと言ってないでひとりで入って来いよ!」と、彼は階段を駆け上がり自分の部屋に閉じこもってしまった。
「いくじなしだなぁ、我が弟よ……」と、姉も階段を上がって行ってしまった。
犲河はリビングに1人残され、未だに顔を紅色に染めていた。「うぅ……腹くくったのにぃ……」残念そうに呟き、風呂場へ向かった。
下着を脱ぎ、浴室に入ってシャワーの水を頭から浴び、熱を冷ます。「1人で舞い上がり過ぎてた……のかな」暗い顔を作り、ため息を吐く。「焦り過ぎだった……な」スポンジの泡を肌に擦りつける。丁寧に全身泡だらけになり、髪も洗って泡を洗い流し、風呂に浸かる。「……今日……どうしよ……行っちゃおっかな……タツノリの部屋。う~ん」唸るうちに風呂の湯が煮えたぎり、ボコボコと泡を立てる。「う~~~~~~~~~~ん!!!」目を瞑り、頭の上から噴火前の火山の様な煙を上げる。
熱くなりすぎた体を冷まそうと、風呂場の窓を開けようと立ち上がると、そこには窓ガラスに顔を押し付けた密山がいた。「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うぅぅ……とうとう見られちまった……」パジャマに着替えた犲河は、湯気をいまだに上げながら2階へ向かい、雨田の部屋の前に立った。「う~ん……」5分ほど立ち尽くし、顔をそむけ、いつも自分が寝る部屋へ向かう。「まだ早い、よね」と、ドアを開ける。
「はぁい♪」そこには雨田の姉が下着1枚でベッドに横になっていた。「まってたわよ」と、足早に歩み寄り、ドアを閉めて壁際に追い詰める。「さ、お姉さんと楽園に行きましょ。禁断の園へ」
「いや、ちょっと、や、そんな!」汗が噴きだし、完全に怯えてしまう犲河。
「あら? 私のコレクション、愛読してるんでしょう? だったら、こーいうの興味あるわよね? そうよね??」と、素早く犲河の弱点を探り当て、優しく触れ……。
「わぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」犲河は急いで彼女の部屋から蹴破って出て行き、雨田の部屋に押し入った。「お邪魔します!!!」
「うぉ!!」ゲームに集中していた雨田は狼狽し、目を丸くした。画面が赤くなる。
お誘いを蹴られた雨田の姉は鼻歌を歌いながらベッドに寝転った。「こうでもしなきゃ大人になれないんだろうか、最近の若者は」と、まだまだ部屋に隠されたエロ本を片手に取り、頁を捲った。「うぅん……やはり夏の特大号は素晴らしい……」
「……そっか、姉ちゃんとは寝られないわな」納得した様に雨田はゲームの電源を切り、犲河に体を向けた。「で……どうする」
「う……ん、こうする」と、雨田のベッドに横になる。「一緒に、寝てみる?」
「な、何を……俺は……その……」と、彼は顔を再び赤くし、困ったように鼻の頭を掻いた。「うぅん……」ワザとらしく咳払いし、犲河を見る。
「ねぇ……そのあたし……タツノリの事……好き、だよ。何度もお世話になってるし、転校して来てからの初めてのお友達……ねぇ……」目を瞑り、もじもじする。
「あ、あぁ……」雨田はこの場を逃げたい衝動に駆られながらも犲河から目を離せなくなっていた。「だなぁ……」喉を鳴らし、顎の先から汗を垂らす。「あちぃねぇ、ははっ」
「そうだね……その、さ……その……」目をぎゅっと瞑り、大きく口を開く。「あたしから言うのもはしたないけどさ、あたしと、付き合っ」
「ストップ!!!」雨田が手を突き出す。
「??」
「その……それは、またの機会にしてくれないかな? その、俺たち知り合ってからまだ半年くらいだし……さ」下手な理由をつけ、その場から逃れようとする雨田。「機会が来たら、俺が、言う。その日まで、待っててくれないか?」
犲河は正座し、彼の話を黙って聞いていた。そして「うん、待ってる……」とだけ口にした。「で、今夜はどうする?」
「……俺、リビングで寝るよ。ここは自由に使ってくれ。それと……いや、なんでもない」と、ゲーム機を抱えながら部屋を出た。
「それと?」と、犲河は気になって部屋を探った。しばらくしてベッドの下から何かを引き当てる。「あの姉にしてこの弟あり」案の定、エロ本が出てくる。早速ページを捲る。「ふぅ、よかった……まともな内容で」と、目を輝かせて読み入ってしまう犲河だった。
リビングのテレビにゲーム機を接続し、電源を入れる雨田。その隣に密山がこっそりと現れる。「なぁんで、あんなチャンスを棒に振っちゃうかなぁ」パッチワーク柄になった顔を覗かせる彼に驚く雨田。
「うぉ! いつの間に」
「なんで断ったよ……」彼のセリフに腹を立てたが一瞬で冷め、雨田は口を開いた。
「……俺の父さんさ……単身赴任じゃないんだよ。浮気がバレて、別居中なんだ」ぼんやりとした表情で続ける。「それ以来、なんか愛だの恋だのが信じられなくなったっていうか……怖くなったんだ。そーいう関係になったら色々束縛し合ったり、お互いの嫌なところばっかり見えたり……しょっちゅう喧嘩したり……そういうのが怖いんだ。だから、ツバキと恋人になったら、そういう嫌なのばかり見えて、喧嘩して2度と今みたいな関係に戻れなくなっちゃうんじゃないかと思ってさ……」ため息を重々しく吐き、目を瞑る。「俺、今の関係が一番いいと思うんだ。それ以上は望みたくない……」
彼の言葉を大人しく聞いた密山は口早に「ヘタレ」と、彼の背中を叩いた。「そういう障害を経験して大人になるんだよ! 子供だなぁお前は!!」
「うるせぇやい……」
「まぁ、あれだ。このままお前にリア充になったら俺が惨めなっちまう。お互い、高校生活はそういった甘酸っぱい経験は未体験のままでいようや!」
「俺、中学の頃、一度経験したけどな。それも踏まえて今回のは嫌なん……だ?」と、石造になった密山を驚いた目で見る。「ど、どうしたよ!!」
「こんの裏切者……」
「えぇ?!」
ってことで如何でしたか? 書き慣れないラブコメでしたが……なんかこそばゆいというか……はは……。
ってことで早速、解説タイム!
サブタイはludoというバンドの曲です。中々、いい感じのロマンス溢れた曲ですよ、一度聴いてみてください。邦題はテケトーですよ、はい。
さて、次回からついに、本題の生徒会選挙編がスタートします! 乞うご期待のお楽しみですよん♪