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親友が推している配信者のライバル、実は隣でご飯を食べてる私です

作者: 福サーモン
掲載日:2026/05/31

 ある日の昼休み、私はいつものように親友のまゆと一緒に昼ご飯を食べていた。

 私がご飯を口に運んでいたら、まゆが「ねえくみ」と私にしか聞こえない声で言ってきた。

 

 「どうしたの?」

 「くみ、今日私の推しのダーたんとそのライバルのグットクレイジーさんががち対決配信するって! くみも一緒に見ない?」

 「……ごめんまゆ、何回も言ってるけど私そういうの興味ないんだよね、1人で楽しんでよ」

 「えーつれないなー!」


 ――私は誰にも言っていないことがある。それは私が配信者をしているということ。


 まゆが言っていたダーたんとグットクレイジーさんとがち対決配信を一緒に観戦できないのにはちゃんとした理由がある。

 それは、私がそのグットクレイジー本人だからだ。本人が欠席したらそもそも配信を始められない。


 まゆは推しであるダーたんのアクスタをカバンから出していつもの様に私の机に置いた。


 「ダーたんの素晴らしさを語ろうじゃないか」

 「えー……、また?」


 ダーたんと一緒に配信するときはいつもこの流れになる。何回も同じことを言うのでそろそろやめてほしい。


 ダーたんとはネットで繋がっているけど、本当にファンの事を大切にしていて悪口すら見当たらない。

 この前もまゆが赤スパ連投げた日、裏でダーたんがすっごい嬉しそうで、感謝してたから、愛される理由がわかる。

 

 「赤スパ、私も貰いたい」

 「え? なんて?」

 「あ、……いやなんでもない」


 やっばいつい声に出ちゃってた。気を付けないと。


 ――放課後にて。


 今日は掃除がないためいつもの電車で帰れる日、配信予定時間が18時、現在15時。まだ時間がある。

 どうしよう、少し散歩でもしようかな。

 そんなことを考えながら専門学校のエレベーターに乗っていると、隣でスマホを見ていたまゆが話しかけてきた。


 「今日このあと暇? 本屋行かない?」


 本屋さんか……この前新潟を舞台の小説が発売されてたからそれ買おうかな。時間は……。

 私はスマホを取り出して越後線の時刻表を見る。

 

 「16時40分の電車に間に合えばいいよ」

 「じゃあ決まりだね」


 エレベーターは一階に止まり、ドアがウイーンという音をたてながら開く。


「よーし、じゃあ本屋まで競争だ! 負けた方は奢る!」

「え、走るの!?」

「よーいスタート!」

「ちょ!」


 スタートの合図でまゆは勢いよく走った。

 私も遅れはしたものの勝負には絶対に勝ちたいので負けじと走る。


 「ハア、ハア……ハア」

 「遅いよくみ! これは勝っちゃうぞ!」


 目的の本屋がすぐそこまで見えてきた。もうまゆが転ばない限り私の勝ちはないと思う。


 「よっし勝利!」

 

 まゆがゴールして数秒後に私もゴール。久しぶりに本気で走ったので息が苦しい。


 「ハア……悔しい、負けた」

 「劣ってるねぇ、元陸上部エースさん」

 「まあ、中学生時代の話だし」

 「……ちょっと休憩する?」

 「うん、飲み物飲みたい」

 「そういえば今日くみ水筒ないね、私の飲みかけだけど飲む?」


 そう言うとまゆはバックからペットボトルを取って渡してくる。


 「ありがとう」


 遠慮なく私はペットボトルを受け取りキャップを外す。早く飲みたいときに限って焦って開かないのは私だけだろうか?

 

 「開いた」


 私は勢いよく飲み口に口を運んで飲んだ。オレンジジュースだ。


 「あ、全部飲まないでよ!?」

 「ハァー! あ、飲んじゃった」

 「ちょっと! まあいいけどさ」

 「いいんかい」


 私は空のペットボトルを自分のバックに入れてから本屋に向けて歩き出す。


 「まゆは何の本を買うの?」

 「それはダーたんとグットクレイジーさんコラボの小説に決まってるじゃん! 楽しみだな」


 私の本買うのか、嬉し。あれほぼ私が書いたんだよな……。


 店内に入って真っ先に向かったのはライトノベルコーナー。

 

 「あった! ダーたんとグットクレイジーの軌跡! 売り切れてなくて良かったー」

 「あ……うん、良かったね」


 自分の本だからどう反応すればいいか迷うんだよね。てかこれ私が買うのか。自分の本を買うの少し恥ずかしいな。


 「くみは何か買うの?」

 「私は新潟の舞台にした小説を買おうかな」

 「くみって本当に新潟好きだよね」

 「将来は新潟観光大使とかやってみたいなーなんて」

 「あは、インフルエンサーにならない限りむりなんじゃない?」


 いや私一応フォロワー60万人いるんだけどね。ハハ。

 

 「たしかに!」


 私は目当ての小説を探す、最近でたばかりだから新作コーナーにあるかな。

 新作コーナーに行くと、大量に私が求めていた小説が並べてあった。


 「あった」

 「おーこれかー! え、映画化するんだ……すっご!」


 本の帯には、祝! 映画化決定7月10日と書かれていた。


 「一緒に見ない? この映画」

 「うん、いいよ」

 「やったね」


 私たちは本を片手にレジへ並ぶ。今日は金曜日だからかいつもより人多い気がする。


 「次の方どうぞー」

 「あ、私払うね」

 「ありがとう」


 まゆから本を預かり一緒に会計することを選択した。こっちの方が早く終わる。


 「1600円になります」

 「あ、……はい」


 会計を済ませて私たちは本屋を後にする。


 「ありがとうくみ、別に私払っても良かったのに」

 「いや、私が負けたんだから私が払う、ルールでしょ」

 「かっこいい! よっくみ様!」

 「ちょっと恥ずかしいからやめて!」


 私はふと時計を見ると、針は既に16時30分を指していた。


 「ってやばい、あと10分で電車行っちゃう!」

 「え? もうそんな時間なの?! 早くしないと」


 私たちは急ぎ足で駅に続くエスカレーターへ向かって走った。

 エスカレーターだけど、急いでいるため止まらずに上がる。人がいなくてよかった。

 エスカレーターを上り切り、急いで改札に向かって直行する。


 「今日はいっぱい走る日だね……くみ」

 「そうだね……まゆ」


 走ってるときに話をすると、少し息苦しくなる。

 無事改札を通り抜け、4番に続くエスカレーターを走り上る。


 「何とか間に合いそうでよかった」

 「なんとか間に合いそう」


 予定通り既に電車は止まっていて、乗っている人の数もそれなりだった。椅子には座れなさそうだ。

 一番近くのドアから入って空いていた吊革に手を当てる。無事まゆと隣になれた。


 「走ったー、危なかったねー、でも間に合ったからよしだ」

 「ハア、危なかったよ……、本当に」

 

 私は疲れ果ててそのまま寝たい気分だったが、流石に立ったままじゃ危ないと思ったのでやめておいた。


 『ドアが閉まります、ご注意ください』


 合図とともにドアが閉まる。数秒後にゆっくりと車体が動き出す。


 「あ、そういえばまゆ、本返してなかったよ」

 「あ、そうだった」


 私はバックからまゆの本を取り出して渡す。


 「ありがとうくみ」

 「どういたしまして」


 配信者ということを隠すのも、そろそろ疲れてきたなと最近思う。ただ一人に言うと雪だるま式に知れ渡ることを知っているので言うのをためらう。たとえ親友でも。

 まゆは私の秘密を話しても言わないだろうなと思った人に伝えて、それがきっかけでどんどん広まってしまったら、私はまゆを信頼できなくなってしまうんじゃないかと言う不安がある。

 ずっと一緒にいる人だからこそ言いたくない。怖い。


 ――たから、今日の勝負は絶対に負けられない。


 『次は新潟大学前ー、新潟大学前ー』

 「あ、降りないと」

 「いやー今日も楽しかったなー、本も買えたし満足だよ」


 電車が止まり、ドアが開く、私たちは電車を後にして改札を抜ける。


 改札を出て右側の外に続く階段を歩いていると、まゆが声を上げる。


 「そういえばさ、たしかこの駅って昔は無人駅だったんだよね?」


 あー、確かに親がそう言ってた気する、今は駅員さんいるけど。


 「うん、昔はそうだったみたいだよ、親が言ってた」

 「やっぱり新大が近くの駅だからかなー割と人も行き来するし人必要だったんだろうね」

 「そうだね、通勤ラッシュの時間帯だと100人くらい来るんじゃないかな?」

 「多いねぇー」


 階段を下り終え、真っすぐ行くとまた階段がある。今度は上りだ。

 

 「また疲れさせる気か! 階段め」

 「笑えるー」


 この階段は割と段数が多いからいつもハアハア言いながら上る私。エスカレーター設置してくれないかな。無理か。


 「やっと上ったー、あ、じゃあ私はこれで!」

 「うん、また明日学校でね、まゆ」


 まゆは手を振ったあと、右の道へ進んで行った。

 私は新大方面なのでまゆとは違う方向だ。


 ――家にて。


 「ただいまー」


 一人暮らしは最高だ。だって1人だから。


 「18歳になってお金を稼げるようになった私は、自分が動画で稼いだお金を使い一人暮らしをしている」


 実家は普通に新潟で、家も近いけど、一人暮らしをしてみたいと思い、専門学校に入学するタイミングで始めた。

 親も自分で稼いでいるんならいいわよと言ってくれたので良かった。


 「ふうー、配信の準備でもしますか」


 荷物を指定の場所に置いてから、デスクトップパソコンを起動させる。

 

 ダーたんからなんかメッセ届いてるな。うーんと?


『今日の配信の罰ゲームは、顔出しで問題ない? 俺も負けたらするつもりなのでグットクレイジーさんもしてくださいね?』

 「……当たり前ですよっと」


 今日のゲームはクイズ系。絶対に負けない。

 時計をみると時刻は17時50分を過ぎていた。少し緊張してきた。


 「ふぅー……。よし!」


 通話アプリを開き、コラボ相手を待とうとしたら、既にいた。

 

 「どうも、今日はよろしくお願いします、グットクレイジーさん」

 「はい、お願いします。ダーたんさん」


 ……数秒の沈黙。


 気まずいので何か話そうかと話題を考えていると、向こうから声を上げてきた。


 「今日の試合、絶対負けませんから、顔出しは嫌なので」

 「あなたから仕掛けてきたゲームでしょ? 私が絶対に勝ちますから」


 ――18時00分、配信スタート。


 私は現在フォロワー60万人の配信者、同接人数は1万2千人。


 「みんなこんクレー! グットクレイジーの配信を見に来てくれてありがとう! いいねとフォロー待ってます!」


 ダーたんはと言うと、フォロワー50万人の配信者で、同接人数は9千人だった。


 「今日はコラボ配信です、ダーたんとグットクレイジーのガチンコクイズ対決! 負けた方はなんと顔出しの罰ゲーム付きだよ!」


 うわー、コメント欄顔だせしか流れてきてないわ、私の顔見たって面白くないぞ。


 「クイズ? 俺頭いいから余裕っしょ! グットクレイジーさんが顔見せてくれるらしいよー」

 

 は? 何言ってるのこいつ。

 

 「見せるのはあなたよ! ダーたん! あ、赤スパありがとうございます! 寝みちゃんさん、ありがとうございます。こちらこそですー! あ、きゃんちゃんさんも赤スパありがとうございます、グットクレイジーさんが勝つに一票、……1、票入りました!」


 ありがとうございます……、なんで私が赤スパ貰って感謝されてるんだろうか。

 配信画面右端には私のアバターと、左端にはダーたんのアバターが配置されていて、中央には二人プレイ可能のクイズゲームの画面が表示されている形である。


 「よっしもうスタート押しちゃうぜ、みんな盛り上がっていこー!」

 「は?! ちょっと待って心の準備が……、ああ始まっちゃったよ」


『問題です、私たちが日常的に食べているイチゴ。実は、赤くて甘い実のように見える部分は、植物学的には果実ではありません。では、イチゴの本当の果実はどこの部分を指すでしょうか?』


 ……は? 待って初手からわかんない。


 私が固まっていると、ダーたんが即座にボタンを押して答える。


 「これは簡単だろ、ゴマみたいなつぶつぶの部分だ」

 『正解です』


 ……うっそ、先手取られた。


 「おーおーグットクレイジーさん? 大丈夫か? 負けそうだぞー」

 「まだ一問しかやってないんですけど」

 

『第二問、スーパーで売られているもやし。袋のまま冷蔵庫に入れるとすぐに傷がつき黒ずんでしまいますが、ある簡単なひと手間を加えるだけで、シャキシャキのまま長持ちさせることができます。その保存方法とは何でしょう?』


 あーなんか覚えてるようで覚えてないなこれ。親が言ってたような気する!


 「はいいっ! 尖った棒でもやしの袋に穴を開けて冷蔵庫に入れるとシャキシャキのまま保存できるようになります!」

 『正解です』


 ……待ってって、そんなすぐ答えるの止めてって。


 「しゃああ!」

 「あんた、……なんか不正でもしてるの?」

 「してませんが! なにか?」


 調子乗ってるねこれ、完全に。


「あ、赤スパチャありがとうございます! ねこまんまさん、これダーたん勝確だろ。嬉しいなぁー!」


 ほんっとうに嬉しそうな動きするなアバター。


『第三問、電子レンジの内部についた油汚れや飛び散った食品の汚れ。こすらなくても、ある果物の皮を水と一緒に耐熱容器へ入れてレンジでチンするだけで、蒸気で汚れがふやけて簡単に拭き取れるようになります。その果物とは何でしょう?』


 これはわかる! 勝確きたー!

 私は素早くボタンを押して答える。


「正解はレモンだぁ!」

『正解です』

「よっしゃあ!」

「おー、そっちもそう簡単に負けないと言うことか」

「当たり前」


 そこから問題は次々と出されて行き、気づけば9問目、5体3と負けている。問題は15問あるのでまだ大丈夫だ。


 「第9問、使いきれずに余ってしまった食パン。そのまま保存するとパサパサになってしまいますが、冷凍保存する際に、袋の中にある野菜の切れ端を一緒に入れておくだけで、パンの水分が保たれてしっとり感をキープできます。これは何の野菜でしょう?」


 知らねえよそんなの!


 考えているとダーたんが「たぶんあってるだろ」と呟いてからボタンを押した。

 

 「これはおそらくだが、セロリだ!」

『正解です』

 「お前当てすぎだろおお!」

 「悪いな、雑学系は得意なんだ」

 「絶対負けない」


 そこから私はこのままでは配信的に面白くないため気合と根性で猛追を見せる。

 第10問のライフハック問題で早押しをして取り、第11問、12問と続けて正解し6対6の同点となった。


 「どうよ、これが私の実力よ」


 コメント欄も凄い盛り上がってる、嬉しい。動くの早すぎ。


 「ボタン押すの早いなお前、反射神経どうなってんだよ」

 「それはお互い様でしょ?」


 しかし、ダーたんも本気を出してきた。第13問、14問とお互いに1問ずつ分け合い、7対7となった。


 「ハハッ、泣いても笑ってもこれが最後だぞ、負ける準備は出来たか?」

 「だからそれは、こっちのセリフだってば!」


 『第15問、水筒やボトルの奥など、手やスポンジがどうしても届かない狭い場所の汚れ。洗剤をつけてもなかなか落ちませんが、家にある食べ物の殻を細かく砕いて、水と一緒にボトルへ入れて振るだけで、殻が研磨剤の代わりになって中の汚れを根こそぎ落としてくれます。何の殻でしょうか?』


 え、こんなのあれしかないでしょ、卵の殻じゃないの? でも最終問題でそんな簡単な問題出すわけないか……。

 私が卵の殻で正解なのか、別のやつかで悩んでいると、ダーたんが即座にボタンを押した。


 「はい! 卵の殻!」

『正解です』

 「卵の殻かよおお! 合ってたのにいい!」

 「残念でした、グットクレイジーさんの顔出し決定です!」


 するとコメント欄が先程よりも勢いを増して流れていく。


『グットクレイジーさんの顔出し来たあぁ!』

『神展開ありがとうございます』

『中身は女子なのか、果たして結果は……!?』


 等、好きなように書かれまくっていた。

 

 「さあ出してもらいましょう! 顔出しまで!」

 

 ……やばいどうしょう、急に恥ずかしくなってきた。てかこれ配信にまゆも見てるから活動バレるじゃん人生終わった。


 「3,2,1! どうぞ!」


 私は冷や汗を流しながら、諦めて覚悟を決めた。ルールに従い、デスクの上に置かれたウェブカメラの目隠し用シールを剝がしてから、配信ソフトのカメラオンのボタンを手を震わせながら押した。

 押した瞬間に画面から私のアバターがすっと消えて、変わりに実写映像が映し出された。

 そこに映っていたのは、専門学校に通っているまんまの、リアルな19歳山田くみの姿。


 「どうもー、こんばんは……ハハ、負けました」

 

 コメント欄が一瞬だけ静まり返ったと思った次の瞬間、今までに見たこともないくらいのスピードでコメントが流れていく。


『普通に女子で草』

『てかリアルも可愛いな!』

『本当に学生だったんですか?!』

『まじかよ嘘ついてないだと、ずっと推します』

『は?』

 「いやーウェブカメラって案外画質いいんだねー」

 「お、おうそうか……、良かったな?」


 ふと高評価数に目が行くと、異常な数字が目に映る。

 は? 高評価数5万って……バグかよ。


 「と、とりあえず配信おわりまーす、おつクレー……」

 「おい勝手に終わらす――」


 「ブチッ」と、ダーたんの声を最後まで聞かずに配信を切った。


 すると、電話から着信音が鳴り響いた。誰からだろうと画面を見てみると、【まゆ】の2文字だった。

 あー……そりゃバレましたよね。

 私は通話ボタンを押しおそるおそるスマホを耳に当てた。


 「もしもしまゆ……ごめん私ずっとまゆに黙っ――」

 「くみイイ! なんであんたがダーたんの配信に映ってんのよ! 私ついに好きすぎて幻覚が見えたかと思ったわ!」

 

 スマホのスピーカーから大音量でまゆの声が聞こえてきた。やっぱり怒っている。だって向こうはダーたん推しだもんね。


 「てかあんたがグットクレイジー? ハア? 意味わかんない! ていうかさぁ! なんで私のダーたんに負けてるわけ? もっと早く押しなさいよ! なんであそこで押すのためらうの! 元陸上部の反射神経どこ行ったの!」

 「いや怒るとこそこなの?!」


 私は予想外のダメ出しに普段まゆといる時には絶対に出さない大声でツッコんだ。

 

 「当たり前でしょ、私がダーたんの配信用に取っておいてた赤スパ代、あんたの方が勝つに一票いれてグットクレイジーの方に赤スパ投げたんだからね! 責任取りなさいよ!」

 「もしかしてきゃんちゃんさん?」

 「なんでいちいちファンの名前覚えてるのよ天使か! もういい通話切る!」


 プツ、と一方的に切られ、画面を見つめながら、私はハァ……と深い溜息をついた。


 「フ、アハハッ! もうどうでもいいや!」

 

 マイクが入っていることも忘れて、思わず笑いがこみ上げる。

 この後私が、配信を切ったのではなく、ダーたんとの音声通話を切っていたことに気づいたのは、また別のお話。

少しでも「面白い」と思って頂きましたら、


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親友が推している配信者のライバル配信者である主人公が、その正体を隠しながら、親友と過ごす日常にはとても緊張感があり、その後のコラボ配信の罰ゲームにて、顔出しをし、ついに親友に秘密がバレてしまうという場…
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