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想想戦記―想いが力になる世界で、俺は戦う―  作者: ベルナルド
五章 御生万防衛作戦編

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第88話 辿り着く「想い」

荒木家チーム ―


俺は、攻めきれない。


殴れば、破片が刺さる。


フィストブラストは、吸収される。


「どうしました?」


コードが微笑む。


「あなたの想いは、その程度ですか?」


鎖が爆ぜる。


バースト。


加速。


拳。


ぐあっ――!


壁に叩きつけられる。


視界が揺れる。


(……立て)


なに諦めてるんだよ。


みんなと約束しただろ。


吉沢さんの仇も、まだだ。


ここで止まるわけにはいかない。


「ぐぉぉぉ……!」


血を吐きながら、立つ。


コードの目が愉快そうに細まる。


「そうこなくては」


俺は踏み込む。


殴る。


破片が刺さる。


想力が吸われる。


関係ない。


殴る。


殴る。


白いオーラが、燃える。


床が軋む。


大地が震える。


ついに――


鎖の再生が、追いつかない。


拳が、肉に届く。


コードがよろめく。


「……いい」


彼は笑う。


「その熱い想い」


「私はこれを感じるために、ここにいる」


鎖が軋む。


「この世はつまらない」


「言いたいことを隠し、生きる」


「社会のために、想いを殺す」


目が、狂気に染まる。


「その点、戦いは最高だ!」


「もっと……もっと!」


なら――


味わえ。


俺の想いを。


拳の甲を合わせる。


想力を圧縮。


「フィストブラスター!」


白い閃光。


鎖を、貫く。


ドーーン。


衝撃が部屋を揺らす。


鎖が砕ける。


コードが、後ろに倒れる。


「……実に、すばらしい想いでした」


「満腹です」


静かに、崩れる。


俺も、倒れる。


どん。


「くそ……やりすぎた……」


まだ。


二人は戦っている。


行かなきゃ。


だが、身体が動かない。


ちきしょう。


―――――――――――――――――――――


ジョンとビリーは、殴られ続けていた。


七秒。


どうしても抜け出せない。


スケールが笑う。


「なあ、お前ら」


「この世はつまらないと思わないか?」


「社会のために生き、社会のために死ぬ」


「お前らも同じだ」


拳を構える。


「俺のもとに来い」


「命は助けてやる」


ビリーが、血を吐きながら笑う。


「へへ……誰が行くかよ」


「強い奴は、どこでも強い」


「社会でも、組織でもな」


「弱い奴は、どこ行っても弱い」


「変わろうとしねえからな」


スケールの顔が歪む。


「所詮、歯車か」


「なら七秒で殺してやる」


ジョンが立つ。


「それは、こっちのセリフだ」


「相棒、やるぞ」


ビリーが銃に宿る。


「七音裁定」


世界が縛られる。


「トリガーは押せないさ」


スケールが嗤う。


その瞬間。


ジョンが叫ぶ。


「ようやく分かったよ、お前の弱点」


「裁定できる行動は」


「お前が“想像できる範囲”だけだ」


スケールの眉が動く。


「俺の銃はな」


「ビリーも押せるんだよ!」


引き金が動く。


ジョンの指ではない。


ビリーの想力が、トリガーを引く。


「俺様の必殺技――」


反神弾ゴッドキラー!!」


七秒の外。


スケールの予測を、外れる。


銃弾が肩を抉る。


ぐぁああああ!


床に転がる。


ジョンも、崩れ落ちる。


「さすがに……想力切れだ……」


ビリーが笑う。


「勝ったな、相棒」


「へへ……ああ」


だが。


スケールが、立つ。


血を流しながら。


叫ぶ。


「このゴミどもが!」


「神までも、この俺を裏切るというのか!」


目が、開く。


「なら見せてやる」


「戯眼――」


空間が歪む。


神律裁界しんりつさいかい


世界が、塗り替わる。


巨大な時計。


空に浮かぶ。


床が、巨大な譜面に変わる。


秒針が、鳴る。


カチ、カチ。


スケールが笑う。


「この世界は」


「俺がすべて決める」


ジョンが息を呑む。


「まずい……」


「開眼に対抗する力までは残っていない……!」


その時。


空気が、変わる。


影が落ちる。


一人の男が、降り立つ。


「真打登場」


低い声。


「よくやったな」


「そこで倒れてる大地を持って下がれ」


視線が、スケールに向く。


「ここからは――俺の幕だ」


荒木相馬 現着

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