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想想戦記―想いが力になる世界で、俺は戦う―  作者: ベルナルド
五章 御生万防衛作戦編

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第86話 決められる「想い」

鎖が、床を擦る。


金属音が、耳に刺さる。


俺は距離を測る。


一歩、踏み込む。


「フィストブラスト!」


放つ。


――吸われた。


鎖が、拳の衝撃を呑み込む。


「無駄なんですよ」


コードが微笑む。


「あなたの攻撃は、すべて私の糧になる」


鎖が鞭のようにしなる。


ぐはっ――!


腹に入る。


肺が潰れる。


やっぱり強い。


だが。


もう二度、負けるわけにはいかない。


白いオーラを纏う。


空気が、震える。


「ほう……」


コードの目が細まる。


「鎖の吸収を防ぎ、攻撃を弾くとは」


「実に愉快だ」


鎖が、腕に巻きつく。


拳を構える。


「ならば近接でいきましょう」


互いに踏み込む。


拳と拳がぶつかる。


弾ける。


「ちっ……」


オーラを纏っても、押し切れない。


距離を詰める。


「フィストバースト!」


拳の想力を、その場で解放。


爆ぜる衝撃。


コードが後ろに滑る。


「……さすがに痛いですね」


鎖が軋む。


ならば。


「フルチェーン」


コードの全身に鎖が纏わりつく。


次の瞬間。


――爆ぜた。


足元の鎖が破裂する。


その反動で、一気に間合いを詰める。


拳。


また破裂。


加速。


ぐああ!


防御したはずなのに、身体が吹き飛ぶ。


破裂した鎖の破片が、全身に突き刺さる。


膝をつく。


熱い。


いや、冷たい。


「痛そうですね」


コードが笑う。


その瞬間。


刺さった破片が、脈打つ。


(……吸われてる!?)


想力が、引きずられる。


まずい。


白いオーラを強める。


破片を弾く。


ぷしゃっ、と肉が裂ける。


血が飛ぶ。


だが、吸収は止まった。


(立て)


まだ終わらない。


ジョン&ビリー vs スケール


「このビリー様が直々にボコしてやる!」


ビリーが突っ込む。


スケールは、軽く身をずらす。


「式神タイプか。つまらん」


ビリーが吹き飛ぶ。


「ちっ、やべえぞこいつ!」


「ジョン、息合わせるぞ!」


ジョンが頷く。


二人が同時に踏み込む。


拳と銃撃。


想力が、跳ね上がる。


スケールが嫌な顔をする。


ガード。


その瞬間。


――クリティカル。


衝撃が、倍化する。


「ぐぉ……重い!」


後ずさる。


ビリーが追撃。


またクリティカル。


連続。


銃弾。


抑えきれない。


ガードが崩れる。


「今だ!」


ビリーの拳が――


止まった。


「七音裁定」


空間が、固まる。


足が、勝手に後ろへ動く。


ジョンの銃口が、スケールから逸れる。


「なっ……!?」


七秒。


動きが決められている。


その間に。


スケールの拳が、ビリーに届く。


ごっ、と鈍い音。


「ぐぇええ!」


吹き飛ぶ。


ジョンが駆け寄る。


また。


「七音裁定」


身体が、意識に反して歩く。


銃を向けたいのに、手が動かない。


スケールが拳に想力を溜める。


まずい。


このままだと――


七秒が終わる。


解放。


ジョンがギリギリでガード。


だが。


溜められた拳は重い。


「がはっ!」


壁に叩きつけられる。


スケールが笑う。


「まったく焦ったぜ」


「お前らの連携が抜け出せなかったからな」


ゆっくりと構える。


「だが、運が悪いな」


「俺との相性は最悪だ」


指を立てる。


「七秒間、俺は自身と相手の行動を決められる」


「数が多いと複雑な動きは無理だが」


視線を二人に向ける。


「この人数なら問題ない」


ビリーが吐き捨てる。


「教えていいのかよ」


スケールが笑う。


「ああ」


「俺はファズエットで最強だからな」


その目は、本気だった。


七秒。


それだけで。


戦局は、支配される。

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