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007-戦闘講義1

「落ち着かないな.....」


僕は呟く。

発進口まで移動した僕は、滑走路の使用許可が出るのを待っていた。

ウェポンラックから訓練用のメガライフルを取り、携えて許可を待つ。


『B-66番、出撃許可を承認する!』

「はい!」


ここは既に無重力空間。

僕はスロットルを最大まで引き上げ、操縦桿を押し込んだ。

お風呂の中で壁を蹴って飛び出すような姿勢で、僕の乗るバドックⅡは滑走路を駆け抜けて、コロニーの外にある訓練用の宇宙空間へと飛び出す。




『これから行うのは、慣熟訓練だ。とりあえず――――慣れろ! ぶっ壊しても修理はこっちでやる! 精々暴れて見ろ!』


それから十分ほど後。

全員が発進して、一列に整列した後、バランドさんが乗った作業艇から指示を受ける。


『ほら、散った散った! アイカメラは常に赤! 損傷及び戦意喪失の場合は白か緑に変更しろ! 一分後に戦闘開始!』


訓練場はアステロイドベルトとデブリ群が浮遊していて、それに隠れろという訳だ。

僕は角度を調節して、バドックⅡを移動させる。


「ぐ.....」


シミュレーションとは違って、加速の重圧が体にのしかかる。

ナイトフルアーマーは、ちゃんと耐Gスーツを着た人間が乗る事を想定してるから、この訓練で余り速度は出せないな.....


『うわぁああああ! せ、先生! 助け! ぉおわあああ!』


その時、通信が響く。

モニターの視界を回転させると、錐揉み状態になりながら加速していく機体が見えた。

僕はすぐに転進、そちらへ向けて加速する。


「先生、僕が捕まえます!」

『任せる!』

「ええと.....」


僕はHUDを操作して、機体のデータを見る。

A-11、クライム・シューレン....?

貴族じゃないか。


「クライム! 聞こえてるか!?」

『だ、誰だぁ!?』

「とりあえず、操縦桿の位置を戻してくれ!」

『わ、分かった!』


最大速度で、僕はクライムの機体に追いつく。

クライムの機体は一度逆噴射が入って速度が落ちている。

タッチパネルを操作して、腕を伸ばして回転しているクライムの機体をしっかりと掴む。

あとはこちらで調整すれば、クライムの機体は静止した。


『わ、悪いな.....』

「大丈夫だ」

『よーし、一分経ったな! 戦闘開始!』


その時。

バランド先生の声が響く。

ヤバイ、始まった。


「クライム.....初戦で恥はかきたくないよな?」

『勿論。協力しようぜ』

「ああ」


クライムの機体が一回転して、僕の機体に右腕を差し出す。

僕は左手で、クライムの機体と握手した。


「来たぞ!」

『分かってる!』


その時、コックピットで接近警報とロックオン警報が同時に鳴り響く。

僕らは互いの機体を同時に蹴り合って離れ離れになり、こっちを見つけてきた奴をロックする。


「ッ!」


メガライフルからビームが飛び出す。

...が、当たらない。

相手が遠すぎる、とはいえシミュレーションでは、メガライフルは遠距離専用だったはず...


『呆けるな! 相手も撃って来るぞ!』

「あ、ああ! わかってる!」


慌てて機体を動かす。

クライムの言う通り、相手も撃ってきていて、ギリギリ外れていくのが見えた。

相手もメガライフルのようだ。


『俺が牽制する!』

「!」


視界を無数の光弾が横切っていく。

クライムはビームミニガン装備らしい。

短射程だが、ばら撒いて相手の動きを阻害できる。

避けるように、相手の表示が動く。

僕はタッチパネルでそれに合わせてマニピュレータを動かす。

メガライフルを、慎重に向け...撃つ!


「当たったぞ!」

『撃破判定だ、やったな!』


とりあえず、初戦一発目でやられる...というのは避けられた。

僕は意外な助っ人に感謝する。


「静かだな...」

『宇宙だからな...索敵しながら回ろうぜ』

「そうしよう」


クライムは流石に頼りになる。

僕はスロットルを中速程度に戻し、先行するクライムの機体を追った。


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