電車の座席をめぐる、男の戦い!
どうも、熊ノ翁です。
皆さんは混んでる電車の中で、一つだけ座席が空いていたら座りますか?
それも、隣になんか膝おっぴろげて腕組んでふんぞり返ってる系のおっちゃんが座っていた場合。
熊はこれ、躊躇なく座る派です。
むしろ、そういうおっちゃんがいると座席が空いたままの事が多いので「ひゃっほうラッキー!」とばかりに飛び込むように座ります。
隣の奴が脚広げてスペース奪っていようが、知ったこっちゃありません。
足割り込んで狭いスペースを尻でこじ開けて、なんかふんぞり返ってるおっちゃんの隣に座り込みます。
おっちゃんが他の乗客を気にしないように、熊もおっちゃんの事なんぞ気にしません。
で、こういう事を連日通勤電車で繰り返しているわけですが、今まで面と向かって怒鳴り合いつかみ合いになった事は、実は一度もありません。
非常停止ボタンを押されるような事態に見舞われた事も無く、空いてる座席に尻をねじ込み、大股開いてるおっちゃんやあんちゃんの隣に座り続けて今に至ります。
こう言うのはアレですが、皆様意外と紳士でして。
悠々自適に大股開いて座っていたのを熊に阻害された程度では、表立って喧嘩売って来る事はまずありません。
が、しかしそこはやはり血気盛んなオス同士。
水面下で静かな争いが繰り広げられる事が多くあります。
今回は、そんな座席を巡る知られざる攻防について語っていきますので、皆様どうぞよろしくお願いします。
まず大前提として、空いてる座席には誰でも自由に座って構いません。
優先席でお年寄りや体調の悪い方をガン無視して最後の一席に座り込むのでなければ、空いてる座席のどこに座ろうが文句を言われる筋合いは無いのです。
しかも東京駅に停まるような電車の大半は、一人一人の座るスペースが絶妙な座席のへこみ具合で確保されています。
元より用意されているスペースに座る。
ただそれだけの事で、本来なら問題など起きようが無いはずです。
しかし、それは普通の座り方をしている場合。
よくTwitterで晒されているように、世の中には何故か異様な大股を開き、JRより定められた神聖なるおひとり様スペースを超えて1.5座席分ほど占有する輩もいます。
彼らが何を考えて混雑した電車内で、自分の股間をことさら強調するようなポーズを取っているのか。
その理由はよくわかりません。
きっと見られて興奮する性癖をお持ちなのでしょう。
ですが何にせよ本来座れる分のあるスペースに、熊が尻をねじ込むのを拒否する権限は股間を晒す彼らにはありません。
金玉腫れてて足閉じられないってんなら話別ですが。
てなわけで、熊は特に遠慮なくグイグイ割り込んで座ります。
熊としても空いてる車内であれば、わざわざ股間を強調する勝利のポーズを取って見せびらかしている、特殊性癖持ちの隣になんて座りたくはありません。
が、空席自体が貴重な通勤電車でそんな選り好みをする余裕なんて無いのです。
1時間以上満員電車で立ちっぱなしなんて、こちとら真っ平ごめんです。
それなら妖怪股開きおじさんの隣に座る方がまだマシ、というわけで座ります。
たまに舌打ちされたりもしますが、そもそも股間を晒す変態野郎のご機嫌など熊からすればどうでも良いです。
むしろ、好感度高かったらそれはそれで困りますし。
しばらくすると股間見せ男は、自身が占有していた余剰スペースを奪われたことが気に食わないのかなんなのか、隣に座る熊に足をグイグイ押し付けてきます。
これは力業で股を開き、熊の足元のスペースを侵略するためです。
こんな猫の額ほどの余裕も無い中で何やってんだコイツは、とも思うわけですが。
変態の思考は、ちょっと熊には理解できません。
幸か不幸か熊は足の筋肉にはそこそこ自信があるため、この手の力比べでは相手がレスラーか力士か競輪選手でなければまず負けません。
こちらも足に力を入れ、鉄壁の防御を固めます。
しばらくの間、足とももで押し合う静かな力比べが続きますが、やがてどちらともなく力を抜いて戦いが終わります。
理由は簡単。
疲れるから。
「楽になりたいから座ってるのに、そこで力比べして体力消費するとか、流石にアホやろ」と、どっちのアホも気付くわけです。
気づくまでの時間はまちまちですが、とりま3〜5駅程度で大体の場合は両者手を引きます。
いや足か。
その次に始まるのは、下半身の地上戦ではなく肩や背中のスペースの奪い合い。
つまり空中戦です。
日頃丸まった背中に巻き肩で、猫背気味で歩いてるだろう連中が、ここぞとばかりに胸を張り背筋を伸ばします。
そして座席の占有スペースを少しでも確保しようと、背もたれにこれでもかと肩と背中を押し付けます。
いい歳こいたおっさんやあんちゃんがマジで何やってんのかって話ですが、これはオスとオスの意地をかけた戦いなのです。
退くことは、サバンナでは死を意味します。
そんなわけで。
お互いムキになって、お医者さんが喜びそうな背筋を伸ばした正しい姿勢で背もたれの面積を奪い合います。
互いがちょっとずつ前後に肩をずらせば空間にかなりの余裕ができ、快適に過ごせるわけですが。
狭い座席の奪い合いをしている我々に、そんな理性は残っていません。
いつも丸めていた背中をピンと伸ばし、これでもかと胸を張り、肩をいからせておしくらまんじゅうをします。
で、こんな感じのまるで生産性の無い争いを一時間ほどしているうちに、目当ての駅について下車していくわけです。
「めんど。普通に立ってる方がまだマシやろ」
そう思ったそこのあなた。
まったくもってその通りなのですが、おっさんには疲れるとわかっていても退けない争いという物があるのです。
とりあえず今日は「争いは何も生まない」という事だけ、覚えて帰っていって下さいね。
電車の座席をめぐる、男の戦い!……END
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