僕が先に死んでも
「僕が先に死んでも」
あなたがいたから
ボクは生まれてきたんだ
雨の中
あなたはボクを
ズブ濡れのボクを
躊躇なく抱きしめてくれた
力なく寝転ぶボクに
ミルクを飲ましてくれた
泥足で帰ると
足と身体を拭いてくれた
あなたが悲しい時
ボクは何も言えずに
ただ
あなたの傍らに座っていた
ありがとう
今まで幸せだった
あなたに拾われて
この家で過ごせて
愛に包まれて
こうしてここまでたどり着いた
さよなら
人間の言葉ならきっと
「愛してるよ」
そう言うんだろうな
*フィクションです。