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マザーアースの星屑 No.1  作者: マーリン
5/6

異次元とは想像の先にあるもの

お月様の内部を見たマーリンは

宇宙の不思議に思いを馳せ始める。

夢のようなその世界とは裏腹に、置かれた彼女の現実が影を潜めるのであった。

「ただいまー」返事のない玄関で、靴を投げ捨て階段を駆け上がる。


急いで制服から着替え、今日は早々に赤いネイルを塗り始める。

早く乾けとフーフーしている普通の高校生。


「今日、お母さんは何時に帰るのかな?」


共働きの両親は、帰宅時間がとても遅い。夜暗くなるまで、マーリンはずっと1人の時間を過ごしていた。


小学1年生の頃から

それは始まった。


お友達と遊んで家に帰る…

しかし「お帰り」と迎えてくれる

母親はなく

代わりに、置き手紙と夕飯がテーブルに置かれていた。


「今日も1人か…」


マーリンは冷めた夕飯を食べ、その後は何もすることなく

暇をもて余す毎日だった。


外は暗くなり、なんだか家に1人でいるのが、とても恐くて恐くて…


そんなある日、何故かテーブルに置かれた赤いネイルが目に入った。


「お母さんがいつもつけてるやつだ。」

指にはさみ、持ち上げ

赤い色をまじまじと見る


「きれい」


そして、爪に塗ってみる…


「わぁ、指がきれい。赤い色きれい。」

指を広げ、見つめていると

なんだか、とても嬉しい気持ちになってきた。


なんで嬉しい気持ちになるんだろう?

小学1年生のマーリンは

なんだか小さな自分が、大人になったような気がしてきたのだ。


そして、目を閉じる。


赤いネイルから世界を広げ、いろんな妄想を始めた。


赤いネイルの女の人は、とてもきれいで、みんなから好かれて、家族も優しくて、笑顔で溢れた毎日で… と

そんな妄想遊びをこの日から始めたマーリンは、夜の寂しさや恐さを、赤いネイルの魔法で消し去っていったのだ。


赤いネイルの女の人は

空を飛ぶことができる魔法使いであった。

夜空を、箒に乗って駆け巡り

美しく輝く星に届けとばかり

手を伸ばしてみた。


「うーん やっぱり星は掴めないや」


すると、とある星がキラリと光る。白い馬がやってきた。

「わぁ、ユニコーンだ!」


その日から、マーリンの妄想には

このユニコーンが相棒となり現れるようになった。


「そうだ!名前をつけてあげるね。何がいいかなぁ?」


「うーんと、そうだ!ライムにしよう。」

何故かピンときたので、そのユニコーンをライムと名付けた。


魔法使いになる妄想を始めてから、家に1人でいることが次第に恐くなくなっていった。


誰にも邪魔されず、誰の遠慮もいらない自由な世界。


毎日夢中になり

その世界に浸っていったのである。


そして、日々の満たされない心をこの妄想は、しっかりと埋めてくれていた。

彼女の心の平安は、こうしてなんとか保たれていたのかもしれない。


心を癒す術を、彼女は小さい頃に自然と身に付けていったのである。


そして、この行為こそが

新しい宇宙の世界へと繋がる

大きな鍵となっていったのだ。


「アーリーさんとお月様に行ったのは、あれは妄想ではないんだよ。」


「あれは、確かに自分の意識ではないものと会話していた。私が想像で作り出してる世界ではないのよ。」


マーリンは、ベットに置いてある

くまのぬいぐるみに向かって話しかけていた。


「今までとは、何かが違うのよ。これさ、誰かに話しても信じてもらえないだろあなぁ。」


「しかも、今日もクラスのみんな、まじムカつく。あー学校なんて行きたくないよ。何もかもが嫌になる。私の気持ちなんてどうせ誰もわかってくれない。親なんてなんのための親なの?普通の家庭に生まれたかった。」

そして、目を閉じてお月様を思い浮かべたのだ。


「お待たせ」とアーリーさんがそこにまた現れた。


「随分と荒れてるようだな。今日は君の過去世を1つ見に行くとしよう。」


「えっ?過去世?」


「そうだよ。過去世って知ってるかい?」


「もちろん知ってます。魂は輪廻転生を繰り返すと本で読んだことあります。なので、過去の人生が過去世ですよね?」


「まぁ、そういうことになるかな。厳密に言うともう少しややこしいのだが、それはそのうち理解できるようになるだろう。」


「これから見に行く君の過去世は、今の君の人生に少なからず影響を、与えてあることになる。自分がどんな気持ちであったのか?どんな経験がそこにあったのか?しっかり見ることが大切だ。」


「さぁ、時空を越えて出かるとしよう。」


つづく

アーリーさんと過去世を見に行くことになったマーリンは、ここで衝撃的な体験をすることになる。

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