思い出の味
店の扉を開けると店主の「らっしゃい!」という声が聞こえる
身を包み込むこの香り、これは帰ってきたぞと思わせる
食券を選び席に座る、この待つ時間する愛おしい
ようやくドンブリがやってくる
まず野菜と脂を頬張る、塩と脂のオーバードーズ、俺の脳みそはアブラブラ
ブリブリになったところで麺をすする
口内を満たす熱気、高校のときから変わらない味、たまらない
ついにスープを飲む、喉を潤すのはまるで禁断の果実のようである
無我夢中で食べ進めると丼の底が見える
今日もやってしまった
「ごちそうさま」の声が果てない青空にこだました