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化物皇女と勇者?と魔王?  作者: 北田シヲン
第1章 勇者の旅
23/57

23話:勇者と魔王③

「今更ながら、やばいんじゃないか?嬢ちゃんの魔法は、音と原って設定だろ?なのに、ガンガン別属性の魔法使ってたけど」


 戦闘が終わり、落ち着いたところで、ヴァールがふとした疑問を述べる。


「あ、確かに…でもそれはさーあれだよ、あれ!この子たちが、上位魔法とか使ってくるから、こっちも上位魔法で対抗しないと勝てないから!!」


「まあそうだけど、それはそれ。置いといて。勇者たちにバレたら、嘘ついたってことで、殺されるかもだぜ?」


「今の状態なら、ありえる…うん、ヤダなぁ」


 厳しいヴァールの前に、返す言葉もない。

しかし、思わぬ助け舟が現れた。


「大丈夫だよ、お姉様!この街には、外から中を見ることが出来ないようにする妨害用のシールドも張ってあるの!」

「ここでの戦闘や会話は、完璧に外に漏れないようになってるの!それに、誰も邪魔できないように、この路地周辺の入り口は全て塞いであるから、お仲間さんにバレたってことも無いと思うの!」


 双子特有の流れるような言葉繋ぎ。


「はぁーならよかったぁー!安心したわぃ!ヴァールが脅してくるから、びっくりしたじゃろうが!」


「別に脅したわけじゃねぇけど」


 難を逃れ、安心した皇女と少しバツの悪そうなヴァール。皇女たちは、すっかり打ち解けていた。


 最初は警戒する皇女だったが、共通の話題であるひい婆さまの話を境に、ぐっと仲が深まった。同じ血統というのもあるのだろう。


 皇女は、ヴァールの姿を見せはしなかったが、心の会話ではなく、普通に会話するほどには、信用していた。


「で、これからどうする?お主らの国民たちが、惨殺されとるわけじゃが。助けに行くかの?」


「ううん、全然大丈夫。別に、マルたちの家族ってわけじゃないもん。ね、クル?」


「うん。ただ、クルたちの国が欲しかっただけで、ここはお試しって感じなの」


「おぅ…流石は皇女の血筋。他者への無関心さと自分の国への憧れは、まるで昔のわたしを見てるようじゃ…」


 母親からヴァールを譲り受ける前の、幼き日のことを思い出し、懐かしむ。


 遠い目で宙を見つめる皇女。


「あ、一応、お主らはわたしに捕まったわけじゃから、このロープで手を縛ってもよいか?」


 ふと状況を思い出したようで、太めのロープを取り出し、問いかける。


「「うん、問題ないの!」」


双子は、屈託のない笑顔でそう返す。


 双子の手を後ろに回し、慣れた手つきで縛る。一本のロープで、姉妹の手を縛り、余った分を自分で持てば、簡易的な拘束具の出来上がり。


「これなら大丈夫じゃろ!よし!勇人たちのところに行こうかの」


 皇女は気合を入れる。相対する相手は、頭のネジが吹き飛んだイカれた連中。拘束しているとはいえ、会うと同時に切りかかってくるかもしれない。


 細心の注意を払い、路地の終わりに行き着いた。


「解除するよ?お姉様?」


「ああ、頼む。ちなみに、わたしは勇者たちの前だと猫を被ってるから、そこんところよろしく頼むぞ!」


「くるっと」「まるっと」

「「かしこまりんりん♪」」


「なんじゃそれ、可愛いのぉ」


 皇女たちの前には、路地の入り口を塞ぐように地面が盛り上がっている。高さ5メートル近くせり上がったそれを、この状況化で超えようとする者は、まずいないだろう。


 横並びで立つクルルとマルルは、片手を繋ぎ、目を閉じる。2人の周りに魔力が高まっていくのを感じる。


 そして今まさに、地面を元に戻そうとする間際、


「そういや、収納せずにいくんだよな?嬢ちゃん?」


ヴァールが横槍を入れた。


「あ、その点があったか」


何かを思い出したようで、ヴァールに指示を出す。


「ごめん、忘れてた。なので、よろしく頼む!ヴァール!」


「本当に忘れてたんだな…わかったよ、嬢ちゃん」


 ヴァールは漆黒の身体を晒し、皇女の指示を受け、動き出す。後ろにいる皇女の方で進展があったことを感じ取った姉妹は、一時停止し、視線をそちらへ向ける。


「「あぁ…漆黒の蛇さまを見れたの…なんて神々しい…」」


「感動してるところすまねぇが、ちょっと失礼するよ。あ―――っむ」


おもむろに姉妹を飲み込んだ。


 ヴァールの特殊能力の一つ。

食べたものを消化するのではなく、中で保管することが出来る能力:収納。

出し入れも自由で、中にいる間は腹も減らず、年も取らない。例えるなら、四次元ポケットだ。


「よし、これで勇人たちに勘付かれる心配はなくなったのぉ!」


「でも、この土壁はどうするんだ?嬢ちゃんは、原と音って設定だろ?」


「あ…」


 この後、物陰に隠れ、姉妹たちを吐き出し、魔法を徐々に解けるようにしてもらい、再度、取り込み、皇女は路地裏から出て、勇人たちの元へと向かうのだった。

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