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夢の中に響く雨

 夜に降る雨は夢の中にまで響く。

 窓をタァタァと打つ雨音が夢の続きのように聴こえ、一瞬ここが寝室であることに気付けなかった。

 なんの夢だったか。喉の渇きと寝汗のシャツが、夢の記憶を急速に遠ざけていく。


「何か恐い夢だったような……」


 夢の残滓を漁りながら水を求めてドアを開き、そこで私は固まった。

 鉈を振り上げる大男がそこにいた。

 夢だ。夢であってくれ。

 その願いは鈍い音とともに床に倒れ、雨音を残して消えていった。

そして一行目に戻る。

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