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部長が本気で僕を殺しに掛かってきました
「な」
僕にまっすぐに見つめられた部長の顔が見る見る赤くなっていく。
「ななな、いかんいかんぞ、私には好きな人が……」
「お手本ですよ」
手をフリフリして断りの言葉を探す部長に、僕はそう言ってあげる。
「手本」
「好きでもない男子に言われてもこの効果。なら部長だって」
言いながら胸が痛くなってきたところで、部長が追い討ちのような提案を出してきた。
「れ、練習していいか?」
死ぬ予感しかないが死んでも好きだ馬鹿野郎。
続く