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最強魔術師は男の娘。  作者: 畑 弘之
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エレメンタル

「いぇーい!」

 放課後の並木中央高校。

 軽音楽部主宰の金曜日会に健は参加する。

 部室に近寄ると早速、竹中先輩の声が旧校舎3階の廊下に爆音で響いていた。参加するといっても賑やかしやガヤであって、演奏するのではない。

 タンバリンでリズムをとったり女装してみたり、お使い、ギターの弦の交換、ギターのチューニング、部員募集のポスター描き、要するにマネージャーみたいな何でも屋を週一で行っていた。

 女装に抵抗が無くなったのも竹中先輩が昼休みと放課後に女装させてくれたおかげだった。

演奏が止んだ部室の前にて待つ。SNSからメッセージが入り、先輩が出てくる。

「今日はここまでー、お疲れちゃんー!」

「健君またねー」

「うぃっす。またっす!」と健はいった。

 

「お待たせしました」

「うんうん。今日も良い女装振りだね!」

「新しいピックあってよかったですね」

「うん! ティアドロップにまた変更したよ」

 トイレでうちの学校の女子の制服に着替えた。そうして駅前をぶらつくだけでもけっこうな時間が過ぎた。そのあいだに女装とは関係のない監視の目に精神的に耐えられなくなり、竹中先輩とは駅前で別れることにした。

「驚いた。グールを撃退したのはあなたなのね」

 陽が暮れた河川敷を歩いているとついに声を掛けられた。

「驚いたのは数か? それとも性別か?」

「両方よ。ぐっ! ううっ!」

「なんだどうした」

「うるさい!! 異次元展開! トラチオン顕現せよ!」

 シュッ!

 レインコート姿の少女は長槍を召喚すると、えいや、と何度も突きを繰り出してくる。

「そんな攻撃じゃ俺は殺せないぜ」

「黙りなさい! エレメンタルでさえなければ」

「エレメンタル? なんだそりゃ」

「お前を殺す使い魔よ!」

「なるほど。お前も洞爺様ってのの仲間か。どうして従っている」

「私は、私は、私。従う? うああああ?!」

「む!」

「全抹殺モード移行、エレメンタル形式強制。バリア発生、トラチオン暴走まで、10、9」

「させるか! 安賀多健が命じる顕現せよ! だりゃあああ! 螺旋の獄炎!!」

 健は魔術礼服を呼び出すと次にバリアを無力化させた。

 いけるか? いっけええええ!

 ドン!!

 パンチを少女のみぞおちに叩き込むことで彼女を気絶に追い込んだ。

 ドサッ。

「エレメンタルという使い魔か。こんな人間形式の使い魔は魔術師としては羨ましい限りだぜ。どうせ人を操る術式なんだろう。俺の魔力を叩きこんで魔術を崩壊させてやる」

「ぐぅああああ!」

「ビンゴ! この蟲か! 相手は蟲使いってわけか」

「ピギィィ!!」

 ブシュ!

 エレメンタルを名乗る少女から出てきたミミズに似た蟲を潰した健は彼女を背負うと家に向かった。

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