気持ち
空港防衛戦に勝利した健達はサラマンダーこと峰府ケイに空輸されたワクチンの移送の護衛をそのまま任された。後々、ワクチンの大量生産に入る計画だった。
「通常なら数年かかるところを数ヶ月で行うということね」
「ケイさんの家は相当な資産家みたいだ」
護衛車の中で健とフィズは話していた。脳筋とロリっ子とは別の車両だ。
「それともこれは魔術師協会も絡んでいるのかな」
八台並んだ護衛車の車列に健は感心する。これほどの財力はどこから出てきているのか。洞爺を捕まえるのも実現できないことではないように思えた。
「たぶんそうね。ごほっごほっ!! う、ごほっ!」
「フィズ!?」
「健、身体に力が、入らないっ」
「落ち着いていま魔力供給を強くするから」
「お願い、ね」
健はフィズを抱きしめてやる。柔らかい抱き心地に感じいる間もなく彼女の全身が痙攣しだしている。
ホムンクルスのフィズにとって、身体的構造の欠陥による発作こればかりは仕方ないのかもしれない。それかMウィルスがやはり宿っているのかもしれないと健は苛立った。
「もう大丈夫」
「そうか」
フィズを離してやり背中を少しだけ擦ってやる。
「まだ契約したばかりだから、ね。時間が経てば発作も出なくなるわ。だからそんなに怖い顔しないで」
「ああ、そんな顔してたかな」
「してるわよ。俺女さん、フフ」
健は苦笑いすると、この子好きだな、となんとはなしに感じて幸せな気持ちになった。




