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ひんやり②

 慣れない布団のうえ寝返りを打った。

 終電を逃して泊まった友人の家。住宅地の夜は車の音ひとつなく、繁華街育ちの身では静か過ぎて眠れない。

 

 ため息を吐き、もう一度寝返りを打ったとき、右耳が音を拾った。細い糸を辿るように耳を澄ませば、高いハミング。近所の誰かが風呂にでも入っているのだろう。笑いが洩れた。メロディは上に向かって伸びて、伸びて、回転しながら落ちて、そのくりかえし。なにかの練習に違いない。頑張れよ、なかなかいい声じゃないか――。

 

 昼前に友人宅を辞し、客も疎らな列車に乗りこんだ。

 ハミングが聞こえた。高く伸びて、伸びて、くるくる、くるくる、落ちていく。

 

 ……ついてきちまった。


第52回 #Twitter300字ss @Tw300ss/お題 /歌

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