第27話 出動する生徒会長
「あー・・・終わったぜコノヤロー・・・・・・!」
ゴキゴキと肩を鳴らして伸びをする勇人を観て、生徒会黒髪副会長は深々と溜息を吐いた。
「貴方、普段からちゃんとすればもっと早く終わるのに・・・・・・」
「いいだろ別に、期限内には終わらしてんだし」
まるで仕事が出来ても休みの日は家でぐうたらして家事を全く手伝わない駄目亭主に対するような視線を、勇人は適当に流した。
さて、これでようやく一休み。
一段落したんだからゲームの続きをする為に、ゲーム機をスリープ状態から再起動させようと―――――
「大変ですっ‼」
―――――したが、突然生徒会室に飛び込んで来た男子生徒の声に、動きを止めた。
「今度は何だ?」
もうなんとなく面倒事を持ってきた事を察しながらも、勇人は念の為聞いてみる。
生真面目そうな、如何にも風紀委員ですという風貌をした男子生徒は、慌てているのか若干早口になりながら答えた。
「そ、それが部員争奪にOBやOGを連れて来た部が幾つか・・・・・・魔法での乱戦があちこちで勃発していて人手が足りません‼」
「卒業生まで出しゃばってんのかよ!?」
「大学も暇なのかしら?」
席を立ち、窓の外を覗き見る。
パッと見ただけでも分かる。
まず校庭でMDを起動して射撃系魔術を撃ちまくる生徒、空を飛ぶ天使と悪魔と鳥系の獣人や、変身系の魔法使い近接攻撃をするゴリマッチョ等々、いたる所で生徒が部員獲得の為に争っていた。
「マジで人手が足りてねぇ・・・・・・」
「風紀委員だけでなく、巡回していた生徒会の方や教職員、中央委員会の方にも動いてもらっているんですけど、やはり暴れている生徒が多く・・・・・・」
風紀委員の言葉に頭を抱えたくなるが、呑気に遊んでいる間もないらしく、深々と溜め息を吐きながら勇人は窓を開けて、窓の淵に足を掛ける。
「んじゃ、念の為2~3人此処に残して、後は全員事態の鎮圧に当たってくれ」
勇人の言葉に生徒会役員達は頷き、勇人は「先に行く」と窓の外へと跳びだした。
生徒会室は校舎の最上階である九階に存在し、その高さは昼に教室から跳び下りた時よりも高いのだが、勇人にとっては大した違いは無い。五階から跳び下りようが九階から跳び下りようが変わらないのだ。
地面がひび割れたりしたが問題無く着地し、辺りを見回す。
右も左も騒ぎが起きているが、この近辺は既に誰かが対応しているようだ。
「一番五月蠅い所へ行くか」
やれやれと肩を竦めながら、けれども妙に愉しげに、勇人は一番賑やかな音が聴こえる方向へと歩を進めた。




