第25話 鳳凰学園の敷地
「あ、そこ気を付けて‼」
高等部校舎1階の女子トイレの窓などという、およそ人が通るとは思えないような場所から外へ出た都古と縁寿。
縁寿を先導する都古は、人気の少ない校舎裏の林の中を早足で歩いていたが、その足を止めて後ろに振り返り、縁寿に警告を発する。
縁寿は足元を見る。
雑草が生い茂っているが、別におかしな所は見当たらない。
首を傾げる縁寿に、都古はサラッと言った。
「そこに『爆弾愛好会』が植えた地雷が埋まってるから」
「・・・・・・・・・・・・・はぁっ⁉」
あまりにもサラッと物騒な言葉を発せられて、一瞬何を言っているのか分からなかった。
その愛好会のネーミングか、それとも地雷が学校に埋まっているという事か、いったいどっちからツッ込めばいいのか。
混乱している縁寿の様子に気づかず、都古は言葉を続ける。
「まぁ、もし踏んじゃっても殺傷力は0だから、怪我とかはしないはずだけど」
「地雷なのに?」
「うん。爆発したら黒焦げになって髪がアフロになるだけだから」
「何でそうなるの⁉」
意味が分からなかった。
「なんか、そんな術式の魔術を組み込んだんだって」
「どんな魔術よ・・・・・・」
呆れる縁寿は都古の指示に従って足を動かし、地雷を避けて進んで行く。
「あ、そこの茂みに気を付けて、足下の糸に引っ掛かると竹槍が飛んで来るから」
「だから何でそんなものがあるの⁉」
「忍研究会の自称忍者達が面白半分に設置したんだよ」
「そんな物騒なモノさっさと撤去すべきでしょ・・・・・・」
「昔その罠で校内に侵入した泥棒を捕まえた事があって、それ以降設置したままにしてるらしいよ。学校のセキュリティに組み込んでるって勇人君が言ってた」
「・・・・・・・もしかして、他にも何かあったりするの?」
「そうだねぇ・・・サバイバル部が仕掛けた野生動物や魔獣用のトラップとか、忍研究会がばら撒いて放置したままのマキビシとか、土木作業部が掘った落とし穴とか、ロボット研究会が開発した警備ロボが巡回してたりとか、後――――」
「分かった、もういいから・・・・・・」
聞けば聞くほど訳が分からなくなり、縁寿は頭を抱える。
「ここから先、土下座同好会が仕掛けた赤外線センサーとレーザー光線(非殺傷)があるから、匍匐前進で行くね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
もはやツッコミを入れるのもリアクションを取るのも億劫になった縁寿は、この林をうつ伏せで進もうとする都古に、黙って付いて行くのであった。




