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転生したら玉虫色の球体でした  作者: 枝節 白草
第2章:港町に住まうモノ
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天才大妖精(笑)

アリサの家があるという港町を目指し森を歩く、町の名はリヴァイアサン。

この世界では土地のヌシが神として祀られ、ヌシの名が土地の名前となるらしい。

つまりアリサの住んでいた土地にはリヴァイアサンという名の土地神が居る事になる。


ならばこの森の名は「シュブニグラスの森」になるのだろうか。

いや、「迷いの森シュブニグラス」の方がしっくりとくる気がした。


そう、また迷子なのだ。

森が広すぎる、進むべき方角は分かっているはずなのに同じ景色ばかり見ている気がする。

流石におかしいと思い始めた頃にアリサが口を開いた。


「もしかして、妖精にでも惑わされてるんでしょうかね?」

「妖精?」

「人を迷わせて楽しむ性質を持った困った子もいるらしいんですよ。まぁ、次元のずれた場所に存在してる生き物だから人間である私には見えないんですけどね」

「それって、もしかして虫みたいな薄い羽が付いてるすごく小さな女の子だったりする?」

「え?ええ、文献では。性別があるのかは分かりませんが」

「ピンクっぽい髪で、緑っぽい服だったりする?」

「え?えええええ?髪は分かりませんが緑色の服を好むと聞いた事があります」

「じゃあ、こいつの事だな」


僕は空中の空間へと手を伸ばすとソレを捕まえた。

実はずっと気になってたのだ、周りをちょろちょろと飛び回っては楽しそうに笑う小さな小さな小鳥サイズの女の子が居た事を。


羽の生えた小さな女の子は予想外の出来事に狼狽えていた。

「なんで私が見えてるの!?ていうか、なんで触れるのー!もー!はーなーせー!」


「うるさい奴だな、ねぇアリサ、これが妖精っていうやつなのか?」

「そこに何か居るんですか?」

「え?見えない?あー、そっか、人間には見えないんだっけ、確か次元のずれた場所にいるんだよね?てことは僕の得意分野だ。」


妖精の居る次元から妖精だけを引き剥がす。悲鳴とともに妖精が次元の隠れ蓑を失った。

「ひゃ、ひゃああぁぁぁぁぁ、こんな滅茶苦茶な奴初めてだよ!」


「わぁ、この子が妖精?初めて見ました。かわいー」

アリサが興奮している、どうやらアリサにも見えるようになった様だ。

「ひゃあああああ!もうだめだー!人間に食われるー!」

「食べないですよ!」

「・・・ほんとに?」

「ほんとです」

「なんだ、ビックリさせんなよ!人間に捕まると魔力搾り取られて残った体も粉末状の薬にされるって聞いてたからマジびびったよ!」

「・・・そういう人間もいますね」

「ひゃああああ!!助けてー!マジ助けてー!」

「私はそんな事しませんし、そっちのクオンさんは人間でも無いですよ」

「へ?それなら私が見える事も納得だけど、こいつ次元に関する力でも持ってんのか?」

「実はそっちのお方、あらゆる次元を支配する時空の神ヨグソトースですよ」

「・・・マジ?」

「マジです」

「ひゃあああああああ!!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!道迷わせてごめんなさい!お詫びに道案内するから許してください!マジ調子乗ってましたごめんなさい!」


妖精が涙目で懇願してきた、道案内してくれると言うのであればありがたい。

「じゃあお願いしようかなぁ、名前なんてーの?というか妖精って名前あるの?」

「あるますですよー!私の名前はチェルシー。無事森の外まで案内します!」

森の外まで、か。

「じゃあとりあえず森の外までの案内して、君の処遇はその後考えるから」

「ひゃああああああああああああ!!!」




都合の良いナビゲーターを手に入れた二人は無事に森の外までたどり着く。

あとはアリサが居れば港町リヴァイアサンまでなら行けるだろう。


「はい!森の外まで案内したよ!じゃあ私はもう帰って良いよね!ね!」

「ありがとう、でもまだチェルシーに罰を与えて無いよ?どうしようかなぁ、いっそのこと違う次元に放り込んで蓋しちゃおうか」

「ひゃあああ!!勘弁してください!マジ勘弁!なんでもするから許してよぉ!」

「なんでも?」

「・・・エッチな事以外なら」

「顔赤らめて何言ってんの、そんな小さな体にどうやって欲情したら良いんだよ」

「え?需要無い?」

「無いよ。・・・チェルシーってさ、何が出来るの?この森以外の事も分かる?」

「当たり前だよ!私は天才大妖精のチェルシー様だよ!普通の妖精達より格上なんだ!知らない土地でもその土地に住んでる妖精から情報が聞き出せるよ!」

「おおー。・・・あれ?でもそれって僕がその土地の妖精脅せば良いだけじゃない?」

「やめたげてよぉ・・・、それに下位の妖精って嘘つき多いよ?」

「そっかそっか。じゃあチェルシー採用で」

「・・・ほへ?」

「だから、僕らの旅に付いてきて」

「・・・ええええええ!?」

「付いてこないなら羽ちぎって良い?」

「どうしてそうなるの!」

「何しても良いって言ったじゃないか」

「ひゃあああああ!付いていくから勘弁して!もぉー、どうしてこうなった・・・」





ナビゲーションアイテム(妖精)をゲットした!

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