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魔獣ジビエを手に入れろ-1

「まぁ、対生物の中でも特殊な魔獣に関しての対策を伝えてなかったのはこちらのミスじゃな。ボーボアも対処法を正しく知っておれば肉ゲットで帰れたんじゃがのぉ……。」


「だな。ボーボアの肉はピリッとして美味いんだよなぁ…。ただ、お前達は魔獣の肉を食っても問題ないかが心配だな。大橋は慣れているから良いとして……ドラッヘナー姉妹コンビは食べる機会は少なかっただろうな。あの国では魔獣を喰う事は禁忌とは言わないがあまり推奨されなかったらしいからな……。」


魔獣の肉というのは依存性が高く、一種のドラッグの様な物であるとされている。この誘惑には少しずつ慣れていかなければある肉を全て食い尽くさなければ止まらないほどだ。逆に言えばそれだけで体に悪影響は無いためドラッグよりはマシなのだが。


「取り敢えずこれまで学ばせなかった罠の製作についての訓練していくか……。ボーボアなんかは落とし穴が使えればすぐに狩れる魔獣だしな。」


「山賊として落とし穴はよく使ってたんですか?」


「冬になる前頃によく使っていたな。短時間で大量の肉を手に入れるには罠の方が効率が良いんだ。それに手先の訓練にもなるからな。最近は普通に狩っても大して変わらないからそこまで重要視しなかったが……突進受けただけで戦闘不能になるのはなぁ…。」


バルボアの言葉を聞いてエストがかなり落ち込んでしまう。だが、バルボアの言う言葉に反論も出来ないため仕方ないと受け入れていた。ただ、罠製作に関しての知識を瑪瑙と大橋も持っていない事を意外だとバルボアは思ってしまうのだった。


『この辺りにいる魔獣の中で罠が有効なモンスターはボーボアの他にカタナカリブー、ウリボール、メテオベアー、グリーボルトがいますね。』


「なら最初はボーボアとウリボールに有効な罠……〖携帯式落とし穴〗を作成するか。」


携帯式落とし穴とは某狩りゲームに出てくるアイテムと同じで基本的に地面ならばどこでも使用できる物をイメージして貰うとわかりやすいだろう。ただ、もう一つの罠と比べて作るまでに必要なアイテムが多くなる事や飛べるモンスターだとすぐに出て行ってしまう事からにわかなプレイヤーには喜ばれないだろうと思われている。ちなみにドラッヘナー姉妹ももう一つの罠派である。


そんなこんなで始まった罠作りの訓練は、これまで最初に正面から突っ込んでいくという形での戦いばかりだった彼女達にとってかなりの刺激になるのだった。指導が始まってから三日後、彼女達は初めての罠の設置をする事になる。だが、罠を仕掛けるタイミングや場所については自分達で検討する事になったのだった。

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